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Airbnbを利用した新たな不動産投資が流行に-3


3 儲かる儲からないの前に、考えなくてはならないことがある!


Airbnb(エアビーアンドビー)を利用した不動産投機に興味があるなら、これが儲かるのか儲からないのかを気にする前に、考えなくてはならないことが幾つかあります。


3-1.投資型民泊は、はたして「民泊」と呼べるものなのか?


「投資型民泊」「家主不在型民泊」といったビジネス的なAirbnb(エアビーアンドビー)ホストは、日本以外の国ではほとんど存在していないのをご存じですか?


3-1-1.投資型ホストにあふれかえる日本は、世界のAirbnb市場でも異例!


日本では現状、Airbnb(エアビーアンドビー)ホスト全体の7割以上が家主不在型民泊ですが、世界全体ではほんの1割しかいないのです。


家主不在型の民泊物件の登録を、エアビーアンドビー社は容認していますが、しかし、これらがはたして「民泊」なのかを、私たちは熟慮する必要があるでしょう。


3-1-2.民泊は、「ホストファミリー」が「家庭」でもてなすもののはず。


民泊は、ホストファミリーがゲストの世話をし、施設のメンテナンスをするゆえに、特殊スキルや法的許可がなくても認められてきました。ならびに、特に大きなトラブルも起こさずに、一つの文化を築いてきたのです。


3-1-3.民泊ではない民泊が、民泊文化を汚してしまって良いの?


ところが、「家主不在型民泊」というものの普及は、民泊トラブルを多発させてしまいました。ラクに不労所得が得られるからといって、ゲストに大きな不便をかけたり近隣住民にゴミや騒音などのトラブルをまき散らして、良いものなのでしょうか?その結果、これまでずっと、暖かい慈悲で留学生などを助け続けてきたホームステイという文化全体の、レッテルを汚してしまってよいのでしょうか?


3-2.日本政府も日本人大衆も、家主不在型民泊(のホスト)にしかめっ面。


日本政府は、民泊の合法化に非常に積極的です。こうした話を聞いてAirbnb(エアビーアンドビー)ホスト参入を決めた投資家も少なくないことでしょう。しかし、日本政府が好んでいるのはあくまで「ホームステイ型民泊」であり、「家主不在型民泊」「投資型民泊」に関しては否定的な見解を示していることを、あなたはご存じですか?


また、日本人大衆も、家主不在型民泊のホストに良い感情を持っていません。あなたが不動産投資としてのエアビーアンドビー経営を行うなら、多数の友人知人に煙たい顔をされてしまうということ・・・。


日本政府と大衆のダブルパンチですから、あなたの立場はどんどん狭くなっていってしまいます。


3-3.民泊新法の課す「年間営業日数180日以下」は、家主不在型民泊への最後通告のようなもの。


日本政府による家主不在型民泊への締め付けは、もうじき具体的なものとなって投資家Airbnb(エアビーアンドビー)ホストたちに襲いかかるでしょう。


民泊の大幅規制緩和として待望されている民泊新法ですが、ここには大幅な規制緩和と相まって、1つだけ厳しい規制が加わりそうです。それが、年間営業日数に関する制限。まだ具体的な数字は決定していませんが、180日を下回る数字で議論がされています。他の先進諸国の例を参考にするなら、90日、ひょっとすると60日くらいまで制限されるかも・・・。


仮りにこれが180日に決まったとしても、投資型のエアビーアンドビー・ホストには致命傷となるでしょう。というのも、現状の投資型エアビーアンドビー市場は、稼働率が6割を切ると赤字に陥るケースが非常に多くなるため。もし営業可能な日数が「年間180日以下」に規制されたなら、どうあがいても5割以上の稼働率は出せなくなるのです。


また、民泊新法では施設管理者を雇って対面チェックイン対応を行うことも義務化されます。年間180日に制限されたうえに業務代行スタッフを雇わなくてはならなくなるなら、黒字を出せる投資型ホストはほとんどいなくなるでしょう。


3-4.どのような事業スタイルであれ、民泊投資に希望は薄い・・・。


トピック≪2 エアビーアンドビー不動産投資で儲ける方法を検証してみよう。≫では、様々なアプローチでの民泊ビジネスの例を挙げ検証しました。が、要するに、民泊新法が制定されたあとは、王道の投資型ホストだけでなく、不動産物件を貸すだけの立場などであっても、ビジネスとして危うくなっていくのです。すると、「Airbnb(エアビーアンドビー)でどう儲けるか」ではなく、エアビーアンドビーに依存しないビジネスを考えるほうが、投資家としては賢いかもしれません。


ホームステイ型のホストに関しては、(投資型ホストが撤退していくことによって)どのご家庭も年間営業日数制限に近い日数の予約が入るようになる可能性があります。しかし、そうはいっても180日や90日程度では、月収20,000~30,000円が限界でしょう。「ビジネス」と捉えるならやはり厳しく、「趣味や生きがい、社会貢献のついでお小遣いも得られたらうれしいな」といったスタンスで満足できる欲の薄いホストだけが、残っていくのでしょうか。

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