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Airbnbを利用した新たな不動産投資が流行に-1


「エアビーアンドビーを利用した新たな不動産投資が流行に!」


という記事タイトルを見て、「何を今さら」と思われた方は少なくないことでしょう。すでにたくさんのニュースサイトやAirbnb(エアビーアンドビー)ノウハウサイトで語られた内容ですね。そのため、すぐにページを閉じたくなってしまわれたかもしれませんが、むしろそんな方にこそ、読んでいただきたい記事です。


この記事の行く末は、およそあなたの予想もしていなかった方向へと転がっていくでしょう。



1 知ってる!?Airbnbビジネスで本当に儲かっている投資家は20パーセントにも満たない!


さて、いきなり衝撃的なトピック・タイトルから始まりました。Airbnb(エアビーアンドビー)ビジネスを語る他のサイトなら、「エアビーアンドビーなら一般的な不動産賃貸の2倍は儲かる!」といったタイトルから始まりますよね。これはおよそ、その真逆です。


つまり当記事は、「エアビーアンドビーは儲かる」と思って参入を検討している人々に、「慎重になって!」と警鐘を鳴らしたいということです。


1-1.不動産投資としてのAirbnbが儲かったのは、2015年までのこと!


Airbnb(エアビーアンドビー)を利用した不動産投資で、月収50万円も100万円も稼いだ人がいるのは、たしかに嘘ではありません。とはいえ、そうした投資家があちこちにいたのは、あくまで2015年頃までのこと・・・。2017年を迎えた今となっては、不動産投資としてのエアビーアンドビー起業はそう儲かるビジネスではなくなってきています。


1-2.民泊代行業者が激増したのはなぜ?民泊投資では儲からなくなったから!


「Airbnb」「エアビーアンドビー」という言葉で検索をかけると、ヒットするのはもっぱら、エアビーアンドビーのノウハウサイトばかり。同じようなサイトが幾つも乱立しており、そして文末では決まって、「民泊セミナー開催のお知らせ」や「民泊代行業者にお任せを」といった宣伝文句が並びます。エアビーアンドビーのノウハウサイトは、ほとんどが仲介ビジネスを手掛ける会社のものだということなのですね。


では、なぜこうしたスタイルの業者があふれかえったのでしょうか?


それは、エアビーアンドビーで投資ホストをしていても、儲けられなくなったから。投資として立ち行かなくなったので、手持ちのエアビーアンドビーのノウハウを活用した、別のビジネススタイルへと鞍替えする人が大勢現れたというわけなのです。


1-3.エアビーアンドビー・ビジネスで儲かっているのは誰?


何かを代行したり仲介したりする事業があることは、決して悪いことではないでしょう。そもそもAirbnb(エアビーアンドビー)社それ自体が、ホストとゲストを結ぶマッチング事業ですよね。


一般的にビジネスとは、関連する人たち同士がお互いの利益向上を助けあって循環していくものですが、日本のエアビーアンドビー市場に関しては、そうしたポジティブな循環が起こっていません・・・。


1-3-1.エアビーアンドビー社は「ホストの利益を守る」ビジネススタイル。


Airbnb(エアビーアンドビー)社と日本で盛んな民泊代行業者・民泊あっせん業者とでは、その性質がかなり大きく異なっています。


エアビーアンドビー社は、民泊ホストが宿泊収入を得たあと、その利益のわずか3パーセントだけを徴収しています。そのためホストは、1カ月にわずか1日のお客さんしか入らなかったとしても、赤字に陥ることはありません。たとえば1泊2,500円をゲストから得たなら、エアビーアンドビー社に3パーセントの75円を引かれるだけで、残りの2,425円は「実利益」として手元に残ります。


エアビーアンドビー社とホストとでは、良い循環が生じていることがわかりますね?


1-3-2.民泊代行業者は、ホストが赤字になっても己れの利益を優先する!


対して、民泊代行業者のビジネススタイルはどうでしょうか?一般的に民泊代行業者は、Airbnb(エアビーアンドビー)の投資ホストが得た「民泊収入全体」から、30パーセントほどの額を代行料として徴収します。民泊代行業者は、「それでもまだ15万円はあなたの手元に残りますよ!」と謳うのですが、それは正確な表現ではありません。というのも、投資ホストは、「代行手数料を差し引いた額」からさらに、不動産家賃を払ったり光熱費を払ったり、先行投資した家具家電の月賦を払わなければならないのです。そうして計算してみると、ほとんどの投資家ホストの手元に残る月収額は・・・。


赤字に陥ることすら少なくありません!


つまり、民泊代行業者は、「取り逃げ」の手法を取っているということ。彼らは、自分たちは絶対に損をしないようにして、しかし投資家ホストが黒字を出せるかどうかについて、まったく無責任なのです!


1-3-3.民泊セミナーは、無知なエアビーアンドビー投資志望者に無責任な起業レクチャーをする!


民泊セミナーを売る業者についても、同様なことが言えます。Airbnb(エアビーアンドビー)不動産投資は、上記のとおりすでに利益の上げづらいビジネスに成り下がっているのですが、それでもなお、「エアビーアンドビー投資はラクに稼げます!絶対に儲かります!」などと誘惑し、高額なセミナー料を取り続けているのです。


他でもなく、そうしたセミナーに参加して、「ラクに稼げるノウハウ」とやらを熟知しているはずの投資家たちが軒並み、赤字に陥って苦しんでいるという残酷な惨状・・・。


1-3-4.「民泊許可物件」のオーナーは、エアビーアンドビー・ブームに乗じて家賃を上増ししている!


「民泊許可物件」という言葉、Airbnb(エアビーアンドビー)に興味のある方ならきっと知っていますよね。エアビーアンドビー投資に興味を持つ投資家が不動産探しに困り(賃貸物件は一般的に転貸が禁止されているゆえ)はじめた頃に台頭してきた、この民泊許可物件を扱う仲介サイトや不動産オーナー。彼らは、エアビーアンドビー投資家からすれば寛大な救世主のようにも見えますが、あながちそうとも言い切れません。


というのも、民泊許可物件の不動産オーナーのほとんどは、エアビーアンドビー向けに不動産を貸し出すにあたって、賃貸価格を2割ほど上乗せしています。以前なら月額8万円で借りられた物件が、10万円払わないと借りられなくなってしまったのです。さらに民泊許可物件を扱う不動産サイト(仲介業者)は、独自の仲介マージンを何万円という高額な単位で徴収するのがもっぱら。こうした月額2万円の差やマージンもまた、投資家エアビーアンドビー・ホストの収益を圧迫している要因の1つなのです。


1-3-5.では、投資家ホストは?黒字を出すことすら困難なほど、苦戦している・・・。


では、主役のはずの投資家ホストはどうでしょうか?


「賃貸物件を借りてきて、民泊代行業者に委託して営む」という、一般的な投機型Airbnb(エアビーアンドビー)ホストに限って言えば、軒並み苦戦しているのが2017年初頭の実情。月収(実利益)が10万円も稼げるならまだ良いほうで、黒字を出すことすらままならないホストが大勢、日本中にあふれかえっています・・・。2015年頃と今とでは、何が違うのでしょうか?


(1)ライバルホストが増え、稼働率が下がってしまった。

(2)ライバルホストが増えたことで、相場価格も下がってしまった。

(3)競争激化により、求められるサービスや設備の質が上がってしまった。

(4)民泊代行業者や民泊許可物件という概念の台頭により、ランニングコストが一層かさむようになってしまった。


こうした変化が起きたことから、以前よりも利益を出すことが難しくなっているのです。


また、今のエアビーアンドビー業界は、「民泊代行業者・民泊あっせん業者が、投資家ホストからお金を貰って儲けている」という構図で回っている実情なのだということを、冷静に把握しておきましょう。


1-4.起業セミナーには要注意!「夢追い人から搾取する」形態のものが氾濫しまくっている・・・。


ちなみに、Airbnb(エアビーアンドビー)を使った不動産投資に限らず、起業セミナーに類するものには充分気をつけてください。


2000年を過ぎたあたりから、日本には「夢追い人から搾取る」カタチのビジネスが流行りに流行っています。たとえば、音楽のインディーズ事務所の多くが、「あなたの曲をCDにしてタワレコで売ってあげましょう!」と誘い掛け、ミュージシャンたちから制作費や流通費を(の名目で)何十万円もむしり取るような商売をしていました。たとえば、FXのセミナー講演者なども、「絶対に儲かるテクニック!」などと銘打って高額セミナーを開き、無知な初心者を引きつけます。これも結局、セミナーを開催する講師がセミナー費で儲けているだけで、実際のFX投資家たちは90パーセント以上が儲けられていません・・・。


このように、「夢追い人」「無知な初心者」「ラクに儲けたがる人」「不労所得を得たがる人」をターゲットにした不誠実な「ビジネスあっせんビジネス」が、近年の日本では横行しているのです。充分に注意してください。

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