認知症の発症は、在宅介護を老人ホームに切り替えるタイミングとしてよく目安にされています。
「認知症 前兆」と検索する人は少なくないようですが、「認知症の前兆」という考え方はあまり正確ではなく、それはもう「認知症の初期症状」が出始めている、という言い方のほうが正しいでしょう。
とにかく、認知症の前兆・初期症状と捉えられるわかりやすい行動特徴について解説します。
「記憶違い」ではなく「記憶の欠落」が見られたら認知症発症の可能性大!
「ただのボケや物忘れなら誰にでもあることだから問題ない」よよく言われていますよね。
若年者にもある物忘れと、認知症の見分けとしてわかりやすいのが「記憶の欠落」です。
これについて解説してみましょう。
孫の存在を忘れている。
たとえば、お孫さんを連れて親に会いに行ったとします。
親御さんが、お孫さんの顔を見てお孫さんの名前を呼ばず、娘の名前を呼んだりしたなら、認知症の可能性大です。「孫がいる」ということすら記憶から欠落しており、孫を見て昔の娘だと思っているのです。他の親族の名前を呼ぶ場合も同様です。
日付けがまったくわからなくなっている。
認知症のチェックとしてよく用いられている「今日は何日ですか?」という問いかけ。
実はこれには大きなポイントがあります。
「記憶の欠落」が起きて認知症が始まっている場合、日付けを聞かれてもまったく見当が付かないのです。
たとえば、令和5年か4年かを間違える程度ではなく、「えっと、平成・・・」などと言いだしたりします。令和に切り替わった、という事実すら記憶から欠落しているのです。
「何月かすらわからない」「季節すらわからない」といったことも、記憶が欠落している可能性大です。
食事したことを忘れている。
「昨日何を食べましたか?」という問いかけは認知症のチェックとしてはやや不充分です。何しろ、健常な若い人ですら昨日の夕飯が何であるか思い出せないことがありますね。
それよりも、「さっき夕飯を食べたことを忘れている」「今食べたばかりなのに、お昼ご飯はまだ?と聞いてくる」などといった、食事した事実自体を忘れていることがあるなら、認知症と言えます。
しかし、認知症かどうかの問題ではない!
しかし、親御さんの様子が頼りなくなってきたとき、それが認知症なのかそうでない物忘れや老化なのか、明確に切り分けることはあまり意味がないです!
認知症であろうがそうでなかろうが、「在宅介護が困難だ」と感じられるなら、老人ホーム入居を検討すべきです!
グループホームは認知症になった人限定の施設ですが、普通の有料老人ホームなどは認知症でない人も要介護・要支援でない人でも受け入れてくれます。
いかがでしたか?
認知症は、在宅介護の限界を考える目安の1つにすぎません。
認知症に該当していないとしても、「在宅介護がしんどい」と介護家族が感じはじめたなら、無理せず老人ホーム入居の検討をはじめましょう。ケアマネージャーさんなどにも相談してみましょう。