「ぼけが始まった気がする」
親御さんのそんな兆しは、これからの人生が大きく変化していくことを示します。
在宅介護の覚悟をしながら、そして親御さんがどんな施設で生活していくことになるか考え始めなければならないタイミングです。
老人ホームというと、手厚く介護の世話をしてくれる代わりに入居費用がとても高額!というイメージでしょう。まだ介護ケアや医療ケアは必要ないから、安く入居できる場所を選びたいところですが、認知症の高齢者に適した施設はあるのでしょうか?
認知症だけなら「グループホーム」が最も適している。
認知症の様子があり、しかし病気やケガもなくあまり生活に手もかからない、そのような親御さんの状況なら、「グループホーム」という施設種が最も適しています。
認知症の人だけが寄り添って暮らすシェアハウスのような施設。
グループホームは、まさに認知症の高齢者だけが寄りあって暮らす場なのです。
グループホームは介護施設でありながら「シェアハウス」のような場でもあり、入居者はなるべく自分の身の回りのことを自分で行います。そして入居者仲間さんたちと家事や菜園などを協力しながら暮らします。
「介護」はしない。生活補助をしながら見守りを行う。
スタッフは、食事や生活の事柄をサポートし、そして見守ります。入居者さんたちの自立的な生活をなるべく阻害しないように配慮します。頭を使い、体を使い、入居者同士でコミュニケーションすることが認知症の進行を遅らせますから、そういう面からサポートをします。
「介護」というより「生活補助」に留めます。
介護ケア、医療ケアがないため、入居費用は安価な傾向。
このようにグループホームは、介護サービスや医療ケアが付帯しないため、入居費用が比較的安価な傾向にあります。もちろんゴージャスな施設であれば青天井にもなりますが、安価なところなら月額15万円程度から見つかるでしょう。頭金もかからない施設が多いです。
年金でも充分に払っていけそうな価格帯です。
自分の地域のグループホームにしか入れない。
グループホームは、地方自治体やNPO、社会福祉法人などによって運営されており、地域密着型の社会インフラです。
そのため基本的に、お住まいの地域のグループホームにしか入居できません。隣町のグループホームが豪華で素敵!と思っても、お金を積めば入れるというわけではないのです。
ただし、住民票を移せばそれで地元民扱いにはしてくれたりもするので、異なる地域のグループホームに入居したい場合はケアマネージャーさんなどに相談してみるとよいです。
いかがでしたか?
「認知症は始まったがまだ体は動くし、自由に生活したい」という親御さんには、グループホームは向きます。
入居費用が比較的安価だというのも魅力的ですね。