
在宅介護を経て親の老人ホーム入居を検討しはじめるとき、「私たち夫婦の収入では老人ホームの費用をまかなうのは厳しいのでは」と悩む人は多いでしょう。
いいえ!
一般的に老人ホームの費用というのは、要介護者本人の資産から払うものです。すでに労働を終えているとしても、年金という定収入を持っているはずですね。
親は幾らくらい年金を貰っている?
親は幾らくらい年金を貰っているのだろうか?
年金支給額は、どういった年金に何年くらい加入したか、どれくらい掛け金を納めてきたかで変わってきます。一般論を出すことも難しいのですが、目安は提示できそうです。
会社員+専業主婦妻なら月額21万円くらい。
夫は会社員、妻は専業主婦というモデルケースでは、月額21万円くらいです。
これを境に、16万~26万円程度の夫婦が多いでしょう。
老人ホームの費用相場は?年金でまかなえるのか?
では、老人ホームの費用相場は幾らくらいなのでしょうか?
施設の種類、グレードによって様々ですが、安価なものでは月額15万円程度です。これが1つの目安になるでしょう。
父は老人ホーム、母を家庭で養うなら年金でまかなえそう。
すると、要介護の親御さん一人が老人ホームに入り、その配偶者を家庭で養うならば、年金によって老人ホームの月額費用をまかなうことは出来そうです。
夫婦二人分の年金から一人分の入居費用15万円を引いた5~6万円を、あなたがた夫婦に納めてもらう、と考えれば、親御さん二人は年金によって両者の生活をまかなうことが出来そうです。
実際には年金だけでなく貯蓄もある。
実際としては、親御さんたちは年金収入だけでなく貯蓄も持っているはずです。その貯蓄も、切り崩して老人ホームの費用として充てて当然です。
「年金では老人ホームの費用に足りないよ」などと抵抗の言葉が出ても、それをそのまま飲み込むのは賢明ではありません。そこで言葉を戦わせる必要はないですが、上手く貯蓄との合算で施設費用を工面しましょう。
老人ホームの中には入所金に類するものが必要な施設も多いです。それについても貯蓄から出してもらえばよいです。
「年金で足りない分だけカバーする」と考えれば、あなたの負担は数万で済む。
「老人ホームの費用は親の年金でまかなう。足りない分は親の貯金を切り崩していく。」
これがまずは大原則です。
そして、仮にそれでも足りないようであれば、あなた方夫婦の家計から工面すればよいでしょう。こうなると大分楽です。
あなた方夫婦の出費は、せいぜい月5万円ほどで済むでしょう。
それが払えない家庭はほとんどないのではないでしょうか?
親が高齢になってきたり、在宅介護の生活に入ってくると、「やがて訪れる老人ホーム生活の費用は大丈夫なのだろうか」という不安にさいなまれそうです。
しかし、年金がその大部分をカバーしてくれそうですね。
また、あなた方夫婦が費用の一部を負担するならばなおさら、「老人ホーム選びにあまりぜいたくは言わないで」と釘を刺しましょう。