長期休暇の季節になると、私たちの生活スタイルは大きく一変します。これは、Airbnb(エアビーアンドビー)などの民泊ホストをしている人々にもあてはまること。いつもと同じ調子でいると思いがけず足元をすくわれることがありますから、長期休暇の前後は少し気を引き締めておもてなしをしましょう。
このシリーズは春休み、夏休み、冬休みの3大長期休暇の特集を予定しており、当記事は冬休みにスポットライトを当てています。
冬休みのシーズンにはどのようなゲストが増えるのでしょうか?冬休みの民泊受け入れはどのようなことに注意したらよいのでしょうか?
1 冬休みは民泊トラブルが多発する時期!一体なぜ!?
意外なことに、冬休みの前後は民泊に関するトラブルが最も多くなるという報告があります。どのような理由でトラブルが多発し、どうすればそれを防ぐことができるのでしょうか?
1-1.冬場は中国人やアジア人の来日が増える!発展途上国の人々は振る舞いが粗雑な傾向が・・・。
あまり知られていませんが、冬場の訪日観光客は中国人やアジア人の割り合いが増えるようになります。これは、中国の旧正月の影響や、マレーシアの学校が12月にまるまる冬休みになることなどが主な要因。
爆買い中国人の身勝手な振る舞いが少し前にニュースを騒がせましたが、やはり発展途上国の人々は、その言動が日本人・先進諸国民に比べて粗雑な傾向にあります。それにより民泊ホストの私たちは、気分を害したりトラブルをこうむることが増えてしまいがち・・・。
対応策:ルールや「やってほしくないこと」を、きちんとゲストに説明しよう。
発展途上国の人々の振る舞いが私たちにとって不快を感じるとしても、悪意があるとは限らず、また、無神経であるとも限りません。あくまで「生活習慣の違い」によるものであることが多く、すると、「もう少し静かな声で話してね」「ゴミは分別をしてね」などとわかりやすくお願いしさえすれば、すんなりと応じてくれるゲストは少なくありません。
1-2.興味本位の「初もうで」のトラブルに、巻き込まれてしまうホストが急増!
日本の文化に興味を持つ外国人にとって、お正月シーズンはとても意義深いもの。中には、私たち日本人と同じように、大晦日の真夜中に家を出発して初もうでに繰り出す人もいます。しかし、これがトラブルの宝庫に!
元旦の初もうでに合わせて24時間運転をするバスや電車は増えてきましたが、そうはいってもやはり、真夜中は交通機関がストップし、または本数が減るもの。しかも、それに反するように人出は増え、駅や電車は大変な混雑となりますが、ここに不慣れな外国人が混じるとどうなるでしょうか?てんてこまいになってしまう人が続出するのです!
しかし、帰ろうにも電車が無かったり、真っ暗すぎて道に迷ってしまったりと、八方ふさがりに。すると、泊まっている民泊のホストに「迎えに来て!」とヘルプを求めるゲストが現れ、対応に追われるホストが急増しています。
対応策:初もうでの大変さやリスクを、事前にゲストに説明してあげよう。
あなたの民泊ゲストが初もうでに興味を持った場合、以下の4点を必ず注意喚起してあげましょう。
(1)元旦は想像を絶するほどの混雑になること。
(2)夜中は電車やバスなどの交通機関が少なく、あっても混雑して大変なこと。
(3)ホストは迎えに行けないということ。
(4)元旦の寺社仏閣は混みすぎていて、寺社仏閣の伝統文化がわかりづらいこと。
1-3.お金が下せない!お店が開いてない!で助けを求められるホストも急増!
年末年始である12月28日頃~1月3日頃までは、多くのお店が閉まったりATMがストップしたりすることは、私たち日本人にとってはもはや常識ですね。そのため、事前に対策を取っている人がほとんどですが、外国人ゲストはその実情を知りません。
そのため、お正月前後に日本に来てはみたものの、お金が下せなかったり食べるものが買えなかったりといったトラブルに見舞われがち。そうして不足したものは、必然的に泊まっている民泊のホストに助けを請うことが多くなります。
対応策:予約が決定した段階で、ATMや商店の休業についてアドバイスしておこう。
ATMや商店の休業については、来客時にではなく、Airbnb(エアビーアンドビー)で予約のやりとりを交わすときにもう教えてあげましょう。「現金を多めに持っておいて」「日持ちする食品を買いだめしておいて」といった具体的なアドバイスをしてあげてください。
1-4.日本の伝統文化を体験するために、ホストへのおねだりが増える。
前述したように、お正月前後の時期は日本の伝統色がとても強くなります。民泊のゲストはこうした文化や習慣に興味を持つ人が多いため、ホストへのおねだりが増えるでしょう。
たとえばこのようなものが挙げられます。
(1)着物を着てみたい。
(2)おせち料理を食べてみたい。
(3)おせち料理の作り方を教えてほしい。
(4)羽子板やたこ揚げなど、日本の伝統的な遊びがしてみたい。
どれも、私たち現代人の日常生活の中にあるものではないため、いきなりリクエストされると困ってしまいますね。
対応策:ホームステイ型民泊を営むなら、多少の伝統文化をたしなんでおくのがベター。
ホームステイ型民泊というのは、少なからずその国の文化体験を期待されています。このことを肝に銘じ、一通りの伝統文化について、準備をしておくと良いでしょう。たとえば、着物が難しいとしても浴衣を買っておいて着方をマスターしておく、おせち料理はリクエストされる前にもてなす準備をしておく、など。
1-5.風邪をひいては大変!真冬の待ちぼうけはカンベンして!
民泊ホストのお役目の一つに、「お出迎え」がありますね。駅などわかりやすい場所まで毎回のように出迎えに行っているホストさんは少なくないことでしょう。しかしこれも、冬場は死活問題に!
ご存じのとおり、外国人の多い民泊ゲストは、待ち合わせの場所に定時にやってくることは極めて稀で、30分以上待たされることもあります。これが、冬の寒い時期となると、風邪をひいてしまったり、人ゴミからインフルエンザを感染(うつ)されてしまったり・・・大問題になってしまいますね。
対応策:暖かい待ち合わせ場所を探しておこう。
気候が寒くなりはじめてきたら、待ちぼうけしても困らないような暖かい待ち合わせ場所に変更するようにしましょう。多少お金がかかってしまいますが、駅の中のカフェなどが良いかもしれません。または、車で迎えに行って車内で待機するという手も。
1-6.冬休みが過ぎると、ぱったりと予約が入らなくなる!
2015年~16年の大晦日には、100万人ものゲストが日本のAirbnb(エアビーアンドビー)民泊を利用したと話題になりました。一見すると、さぞかし民泊は盛況なのかと感じてしまいますが、そうでもありません。
冬休み前後の盛況とは裏腹に、それを過ぎた1月10日頃~3月中旬くらいまでは、エアビーアンドビー民泊は閑散期に突入します。民泊収入を家計などのやりくりで計算している人は、急激に収入が減ってしまうことで大慌てするかもしれません。特に、投機型民泊のホストにとっては稼働率の低迷が赤字(出費)に直結するので、ご注意を。
対応策:この問題の対策については、トピック2で詳しく取り上げます。