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自宅マンションの空き部屋で民泊経営は可能か?-3


3 自宅民泊に立ちはだかるカベ!管理組合と大家さんを説得できるか?


ホームステイ型民泊のメリットや楽しさについては、理解していただけたでしょうか?収益面でのメリットがそう多くないとしても、自宅を開放して民泊ゲストを受け入れる価値はありますね。しかし、それを望んだとしても、誰しもが気軽に運営できるというわけではないのです…。


あなたの家が、一軒家であり、かつ賃貸ではない持ち家であるなら、あまり問題は無いのです。好きなようにプロデュースできますし、今すぐにでも民泊を開始できます。けれども、マンションなどの集合住宅であり、しかも賃貸物件であるならば…民泊を営むハードルは、なかなか高いかもしません。


3-1.旅館業法の面から言えば、一般家庭での民泊運営は、「クロ」…。


法律の話は難しくて頭が痛くなりますが、民泊を運営するつもりなら少しは勉強しておいたほうが良いですね。民泊に直接関連するのは、「旅館業法」であり、その中でも「簡易宿所」に関する記述です。


簡易宿所を運営する施設には、幾つかの規定があります。これまでよく例に挙げられていた「客室の延床面積が33平方メートル以上であること」や「適度な規模の玄関帳場またはフロント及びこれに類する設備を設けること」については、2016年の春に改定され、条件が緩和されました。広さに関しては、「1人あたり3.3平方メートル以上」にまで緩和されたので、これは「ワンルームマンションでも民泊をやっていいよ」というほのめかしだと、業界は沸き立ちましたが…。しかし、(詳細は割愛しますが)消防設備や用途地域における変更は未だなされていないので、どのみち一般家庭が基準を満たすのは、ほとんど不可能なのです。どれほど高いカベかと言えば、Airbnb(エアビーアンドビー)に登録されている自宅民泊物件の99パーセントは、旅館業法の規定をクリアしていないと言われいるほど。


3-2.旅館業法もAirbnb(エアビーアンドビー)も、大目には見てくれるが…。


Airbnbは、民泊物件として登録する基準を、特に設けていません。「地域の自治体の許可を得てください」といった記述はありますが、特にそれを証明する必要もなく、無視しても咎められることはありません。そのためほとんどの民泊ホストは、自宅のままで民泊運営をしています。


あなたの自宅民泊が簡易宿所の規定を満たしていないという事実が、地方自治体に漏れるなら、あなたは制裁を受ける可能性があります。しかし、これに関しても、咎められた事例はほとんど無いのです。これは、Airbnbサイトのシステムが一定の匿名性を保っている(予約した人にしか詳しい住所はわからない)ため、自治体が個々の民泊施設を突き止め難いためですね。また、日本政府はアベノミクス(経済成長政策)の一環として、外国人旅行者を受け入れられる宿泊施設をどんどん増やしたいと考えているため、自宅民泊を咎める気が薄いのです。法律のほうをゆるくして、自宅民泊を「シロ」にしようとしているくらいなのです。


とりあえずは、一安心といったところですが…。


3-3.厄介なのは、あなたの家の大家さんと、マンションなどの管理組合!


しかしやはり、一安心とは言っていられないのです!


ご存じですか?一般的に賃貸物件というのは、「また貸し」が禁止されています。あなたが賃貸契約でその家を借りているなら、それをさらに民泊ゲストに有償で貸すことは、許されていないのです。あなたがその規則を破るなら、立ち退きを命じられたり、損害賠償を請求されたりする恐れがあります!


ただし、交渉してみる価値はあります。中には懐の広い大家さんもおり、「民泊をやってみたいんですが良いですか?」ときちんと申告すれば、許可を出してくれることもありますよ。また近年は、Airbnb(エアビーアンドビー)が巨大市場になったために、「民泊許可物件」を銘打つ不動産も増えてきています。


あなたの家が賃貸でなければ、また貸しにはならないので安心ですね。しかし、まだ懸念があります!集合住宅の場合はやはり規制があり、マンションなどの管理組合が、民泊経営を禁止していることが多いのです。法律的には、分譲(購入した)物件であれば民泊を咎められる筋合いは無いはずなのですが、やはり集合住宅の同居住民などから反対の声が大きいなら、ローカルルールが適用され、規制されてしまうのが実情ですね。


3-4.ルールよりもマナーが大事!カベを超えられる可能性はある。


上記のように、日本の一般家庭において民泊を営むことは難しい世相となっています。しかし、外国人留学生を受け入れるようなホームステイは、昔からずっと存在し続けていますよね。日本政府がホームステイ型民泊を経済成長に取り込もうとしている政策も相まって、「法律を守るかどうか」はあまり重要ではありません。法律を守っていなくても、近隣住民に迷惑さえ掛けていなければ、民泊運営を咎めれるようなことはほとんど無いのです。整理してみましょう。


ケース1 持ち家で一軒家の場合:安全度90パーセント!かなり自由に民泊経営をすることができます。咎められることは少ないです。

ケース2 賃貸で一軒家の場合:安全度70パーセント。大家さんに問い合わせてみましょう。民泊経営の許可が得られれば、自宅民泊は充分に可能です。

ケース3 持ち家でマンションの場合:安全度50パーセント。マンションの管理人さんに交渉してみましょう。騒音やゴミ問題に徹底対処するなどの条件付きで、認めてもらえる可能性はあります。

ケース4 賃貸でマンションの場合:安全度0パーセント。大家さんにもマンション管理組合にも無許可で営むなら、どうにかならないとも言えませんね。が、見つかったときのリスクは甚大なので、まったくオススメできません…。



4 自宅マンションでも民泊をやりたいなら、留学ホームステイがねらい目!


安全度が50パーンセントや0パーセントのあなたでも、民泊を営むチャンスはあります!Airbnb(エアビーアンドビー)などの現代民泊は厳しいですが、昔ながらの留学ホームステイ民泊なら、可能かもしれませんよ。


4-1.留学ホームステイ民泊が咎められるケースはほとんど皆無に等しい!


外国人留学生をもてなすホームステイの場合、慈善行為的な側面(イメージ)が強いため、マンションの管理組合も大家さんも、地方自治体も法律も、あまり咎めてはいないのです。法律的にはこれらも「クロ」なのですが、留学生ホームステイが処罰された話は、およそ聞いたことがありません。そのため、「賃貸かつマンション」という住環境でも、自宅民泊が営める可能性はありますよ。


4-2.報酬の無い仲介機関が多い点が、留学ホームステイ民泊の難点…。


ただし、留学ホームステイ民泊の場合、報酬を出していない仲介機関が多いのが難点ですね…。いくつもの仲介機関があるので、近くの大学や語学学校に赴くか、または「○○県 ホストファミリー募集」などとインターネット検索をして、調べてみてください。あなたのマンションの空き部屋も、民泊で有効活用できることでしょう!

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