3 春に外国人をもてなす際に注意すべきことは?
季節ごとに変化の大きい日本。春の季節に外国人をもてなす上で、注意しておきたいこととはどのようなことでしょうか?外国とは異なる日本の春の特徴を理解し、外国人ゲストが大変な思いをしないで済むよう、事前に対策してあげたいですね。以下、箇条書きの下に各項目を詳述します。
(1)春の脅威!花粉症に悩まされたらせっかくの旅行が台無し!
(2)春先は気候が安定しない。「防寒具を忘れずに!」と注意喚起してあげよう。
(3)春休みがあるのはほぼ日本だけって知ってた?
(4)逆に日本には馴染みのないイースター休暇には、注意と配慮を!
(5)ゴールデンウィークも外国には無い。日本の観光地がごった返すことを教えてあげよう。
(6)新学期の慌ただしさで忙殺されがち。健康やもてなしに支障が出ぬよう気をつけて!
(7)クーラーの準備は早めに!外国人には暑がりさんが多い。
(8)携帯電話や不動産などの書類契約に振り回される懸念があることを覚悟しておこう!
3-(1).春の脅威!花粉症に悩まされたらせっかくの旅行が台無し!
日本の春の脅威と言えば…そう、花粉症!花粉症の世界事情、ご存じですか?
実は花粉症は、日本で特に深刻な病害なのです。日本人は3人に1人が花粉症持ちと言われますが、海外ではどこの国にせよ、こんなにたくさんは花粉症患者はいません。これは、花粉症の主原因であるスギが、海外にはそう多くないため。
しかし、海外は海外で花粉症の原因があります。アメリカやカナダではイネ科のブタクサが、ヨーロッパではイネ科のカモガヤなどの花粉で悩まされている人が多いのだとか。このブタクサやカモガヤという植物は日本にも多少存在するため、日本に来た外国人が花粉症に悩まされる可能性はあります。
また、花粉症対策としてマスクをする日本人は多いですが、これは外国ではあまり見られない光景です。なぜ誰も彼もがマスクをしているのか、日本に来た外国人は怪訝に思ったり不快に感じたりすることがあるようなので、事情を説明してあげると良いでしょう。
さらに、日本人は鼻水が溜まっていても人前ではかまずにズルズルと吸い込んでしまう人が多いのですが、外国人の感覚からすると、この行為は「はしたない」と感じるのだとか。逆に外国人は、人前でも豪快に「クシューン!」と鼻をかみます。こちらのほうがエチケットとして正しいと感じているようなので、互いの感覚の違いを教えたり、配慮したりすべきです。
3-(2).春先は気候が安定しない。「防寒具を忘れずに!」と注意喚起してあげよう。
外国人としては、春と言えば暖かいものだとイメージしますし、桜が咲いていればダウンジャケットが必要だなどとは夢にも思いません。しかし日本の気候の実情として、本州でも4月上旬まで雪の降ることがあり、10度を下回る日もまれにありますよね。降雪や10度以下と言えば、真冬用の防寒具が必要な気候です。ですから、4月上旬あたりまでに日本に来るつもりの外国人ゲストに対しては、「真冬用の防寒具があったほうが良いよ!」と事前に注意喚起してあげると良いでしょう。もしくは、貸してあげられる防寒具を1つ2つ用意しておいてあげるのも親切ですね。
また、春は雨の多い季節でもあります。ビニール傘などの安物でかまいませんから、気軽に貸してあげられる傘も用意しておいてあげたいところです。
3-(3).春休みがあるのはほぼ日本だけって知ってた?
日本では、3月の20日頃から4月の7日頃まで、小中高校の春休みとなっています。さらに大学や専門学校では、3月の頭頃から4月7日頃まで休みになりますね。それが当たり前だと思って外国人と接していると、思わぬ混乱を巻き起こすかも!
というのも、外国では春に長期休暇を取ったりはしません。ほとんどの国で、新学期は9月に開始されるため、春は区切りの季節ではないのです。「春休みなんだからゆっくりしていきなよ」などと言っても、外国人ゲストの頭は「???」となってしまうでしょう。
ただし、留学生などの場合、日本の年度始めおよび春休みに合わせて前乗りし、春休みの期間を観光や準備、環境適応に充てる人もいます。
3-(4).逆に日本には馴染みのないイースター休暇には、注意と配慮を!
しかし、キリスト教の盛んな国では、春分の日を少し過ぎた頃(毎年少しずつ変化します)に「イースター休暇」というものが3~4日ほどあるのですが、ご存じでしたか?
イースターとはイエス・キリストの復活を祝う祝日で、宗教的要素の濃いものですから、相手の行動習慣を尊重し、配慮をしてあげましょう。特に、イースターの2日前は「グッドフライデー」というイエス・キリストの命日を記念するもので、イースターまでの2日間、肉類や卵、乳製品の飲食を控えたがるゲストがいるかもしれません。
なお、アメリカやヨーロッパだけでなく、香港もイースターの習慣が盛んです。
3-(5).ゴールデンウィークも外国には無い。日本の観光地がごった返すことを教えてあげよう。
4月下旬から5月上旬にあるゴールデンウィークに関しても、日本独自の休日文化です。この連休の存在すら知らない外国人は少なくないでしょう。そのため、たまたまゴールデンウィークに日本に来たら京都のお寺やディズニーランドがごった返していてロクに観光できなかった…。などという惨事に遭ってしまう恐れがあります。さらに、宿泊施設や夜行バスなどに関しては満室や価格の高騰が大きな痛手となるので、やはりそうした事項を事前に注意喚起してあげると良いですね。
3-(6).新学期の慌ただしさで忙殺されがち。健康やもてなしに支障が出ぬよう気をつけて!
春、特に4月いっぱいくらいまでは、新学期特有の環境変化や手続きに振り回され、私たち日本人はてんてこまいになりがちです。こんな時期に外国人ゲストを家に受け入れると、キャパシティーを超えてしまい、心身が病気になってしまったり、ゲストのもてなしがぞんざいになってしまう懸念があります。
これを防ぐためには、4月はホームステイの受け入れを少し制限する(数を減らす)か、「忙しい時期なので充分なもてなしができないかもしれません」と事前に外国人ゲストに伝えておくと良いでしょう。
3-(7).クーラーの準備は早めに!外国人には暑がりさんが多い。
近年は温暖化の影響からか、5月でも30度を超えるような日が多くなってきました。私たち日本人の感覚からすると、5月はまだ、エアコンではなく扇風機でしのごうか、といった気にもなりますが、外国人ゲストの場合は暑ければ素直にエアコンのリモコンに手が伸びます。また、外国人にはそもそも、日本人よりも暑がりな人が多く、クーラーの使用頻度は高くなりがち。彼らがクーラーを使いたがっているのに、フィルターがホコリだらけで臭い空気が出てきては大問題になりかねませんから、クーラーの準備は早め早めにしておきましょう。
3-(8).携帯電話や不動産などの書類契約に振り回される懸念があることを覚悟しておこう!
春先は、留学や就労で日本にやってくる外国人も多くなります。彼らはこれから日本での生活が長丁場になるため、携帯電話や不動産賃貸の契約をすることが少なくありません。
この際、仮住まいしているあなたの名前や住所が身元保証人として使われたり、店先において英語での交渉がうまくいかず、あなたにヘルプの要請が入る(電話が掛かってくる・店への付き添いを頼まれる)可能性があるので、あらかじめ覚悟をしておきましょう。
保証人のような重責までは負う必要がありません(負わないほうが良いです)が、現住所欄にあなたの家の住所を書くだけで、少なからずの責任を背負うことになってしまうのです。
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