在宅介護にまつわる問題は多方面に渡ります。
親を老人ホームに入れたいと思っても、お金に余裕がなくて困っている人は少なくないのでしょう。お金の問題、どうやって解決したらよいのでしょうか?
老人ホームの費用は、一般的に親本人の貯蓄・年金でまかなわれている。
ひょっとし、親御さんの老人ホームの費用をあなたが負担しようと気張っているでしょうか?
老人ホームの費用というのは、一般的には親御さん本人の貯蓄でまかなわれています。多くの家庭ではそのようにしています。
「自分の健康の問題は自分で責任を取る」それが基本的な考えです。
あなたや配偶者にお金の余裕がないとしても、親御さんは貯蓄を持っているかもしれません。まずは親御さんの貯蓄で入居費用をまかなう考え方をすればよいです。
もし、配偶者が「俺たちが払わなければ」という考えで凝り固まっているなら、この記事など「要介護者本人の貯蓄でまかなうのが普通ですよ」と書く記事を見せましょう。あなたが言うよりも説得力があるでしょう。
今の高齢者は、それなりの額の年金を貰っている人が多いはずです。もちろん年金も老人ホームの費用として割り当てましょう。
日本人には背負いすぎてしまう人が多い!自分を大切にして。
日本人には、親の介護問題を「私ががんばらなければ」と背負いすぎてしまう人が多いです。家族は助け合う気持ちを持つべきですが、介護という厄介な問題について背負いすぎるのはよくありません!共倒れになってからギブアップを訴えても、遅いです。
親の老人ホームの費用をまかなうために、子(あなた)がボロボロになるまで働いて衰弱してしまうのは、正しい家族の在り方ではないです。まだ若く、人生の先がある人のほうが、自分の人生を生きるべきです。
老人ホームに関する支援金は、残念ながらあまり期待できない。
「老人ホーム お金がない」などと検索すると、経済的にゆとりのない人のための支援策の数々が解説されているでしょう。記事タイトルには「これを使えば大丈夫!」などとポジティブな言葉が躍るかもしれませんが、残念ながら、そう甘くはありません。
現状、老人ホームに関する支援金は、あまり実用的ではないです。
生活保護や住民税非課税の超貧困者にはやや手厚い。
一般家庭にとっては、高額医療控除などによって所得税が少し減税できる程度。
包括支援センターやケアマネージャーに相談すれば、支援策は5つ程度は紹介されるでしょう。しかし、要約すれば上記のような限定的な支援でしかありません。
普通の生活をしていて「老人ホーム費用までは手が届かない」という程度の困窮だと、ほとんど助けにならない感じです。
老人ホームの費用を軽減できる制度一覧。
これらを駆使することは根本的な問題解決につながらないので、ここでは簡潔に羅列で紹介します。
医療費控除
介護保険の負担限度額認定制度
高額医療・高額介護合算制度
高額介護サービス費制度
社会福祉法人等による利用者負担軽減制度
自治体が行う利用者負担の助成制度
「こうした制度があると聞いたのだが」と包括支援センターやケアマネージャーに相談すれば、詳しい話が聞けるでしょう。多少はたしになりそうです。
潤沢な支援金をくれる制度はないので、安めの施設を選んで入所するしかない。
まとめますと、潤沢な支援金をくれる制度は現状では存在しないので、安め施設を選んで入所するしかないです。
特別養護老人ホームは有料老人ホームよりは割安な傾向です。
安めの施設はそのぶんサービスや設備が簡素である傾向です。
親御さんはそれに文句や不満を言うかもしれませんが、説得して受け入れてもらいましょう。我慢してもらいましょう。
お金の問題、妥協の問題は、実の子が説得したほうがスマート。
たとえば、あなたが女性であるとします。あなたが介護しているのが、夫の父親(義父)であるとします。
義父の老人ホーム入居についてお金に困っている場合、あなたではなく夫のほうから、お父さんに「老人ホームの費用は自分の貯蓄を使ってくれ。みんなそうしてるよ」と説得してもらいましょう。
安い施設で我慢しなければならない場合、「自分が貯蓄してこなかったからだろ?ぜいたくは言わないことだよ」と説得してもらいましょう。
こうしたことは、義理の子が言うよりも実の子が言うほうが角が立ちにくいです。
精神論が重要だったりするのです。
記事を読んでガッカリしたかもしれませんが、老人ホームの費用問題に対して、潤沢な資金を支援してくれる制度はないのです。そのため、「親本人が払うものだ」とあなたが理解したり、それを親に理解してもらったりといった精神論的なアドバイスが一番の特効薬になります。
「言うべきことは言う」ということが出来るようにならないと、どのみち介護生活はいばらの道になってしまいます。
我慢をしすぎないように、自己犠牲しすぎないように、気を付けましょう。