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空き家を宿泊施設として投資・経営するメリットは?-4


3-3.許可を取っている小規模宿泊施設は、実はほとんど無いのが実情!


昨今、ニュースなどで、「Airbnb(エアビーアンドビー)民泊ホストの9割以上が無許可である。」と報道されて話題になっていますが、実は、空き家民家をリフォームする類の小規模宿泊施設というのは、民泊に限らずそのほとんどが無許可で営まれているのが実情なのです。


たとえば、昔からある留学生を泊めるホームステイなども、謝礼を受け取るなら「宿泊施設」に抵触し、厳格に言えば簡易宿泊の規定を満たさなければなりません。が、そのようなホストファミリーはおよそ1つも聞いたことがないですね。法律違反を犯していますが、咎められるホストファミリーはおらず、国立の大学と提携していたりNHKのドキュメンタリー番組で取り上げられたりします。


他には、3LDK程度の規模のゲストハウスやシェアハウスは日本に無数にありますが、ほとんどが無認可であり、しかしほとんど営業停止勧告などは受けていません。


3-4.民泊法の制定は敷居を下げそうだが、「国家戦略特区」はアテにはならない…。


空き家再生ビジネスを容易に行えるようにするため、政府は旅館業法とは別に民泊法というものの制定を議論し始めています。


3-4-1.「国家戦略特区」は、現状ではまだ役に立っていない。


先駆けて制定されたのが「国家戦略特区」で、この区域内においては、簡易宿所の規定よりもさらに緩い条件で、認可を得ることができることになりました。が、実情としては、「国家戦略特区」規定は小規模宿泊施設の安全経営にあまり役立っていません…。というのも、この規約に該当する宿泊施設がとても少ないのです。


3-4-2.「国家戦略特区」に制定されている地域とその用途は?


民泊推進のためにいくつかの地域が国家戦略特区に制定されていることは、ニュースでもよく報道されていますね。しかし、地域ごとに「用途」までもが規定されているのをご存じですか?下記に簡潔にまとめてみましょう。


(1)東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市):外国人の在留資格の見直しを図り、イノベーションを促進する拠点として。

(2)関西圏(大阪府、京都府、兵庫県):再生医療をはじめ、高度な先端医療の研究開発拠点として。

(3)兵庫県養父市:中山間地域における、耕作放棄地の再生などの拠点として。

(4)新潟県新潟市:農業者の経営基盤の強化、または農地の集積といった農業改革拠点として。

(5)福岡県福岡市:ベンチャー企業などの雇用条件の整備や起業を促進する、雇用改革拠点として。

(6)沖縄県:観光リゾート地の整備による、国際観光拠点として。

(7)秋田県仙北市:最先端の地方創生、または国際交流の促進による農林や医療などの交流拠点として。

(8)宮城県仙台市:若者、女性、シニア層の起業促進の拠点として。

(9)愛知県:産業育成のための、教育や雇用の改革拠点として。


このように、多くのAirbnb(エアビーアンドビー)オーナーが意図している外国人観光客向けの用途を持つのはおよそ沖縄しかないため、旅行者向けの内装を整えて申請を出しても、認定が下りないことも多いようです。


なお、今後もエリアは拡大されていくでしょう。


3-4-3.「国家戦略特区」認定には、地域や用途以外にも条件がある。


「国家戦略特区」の認定を授かるためには、簡易宿泊の規定と同じようにいくつかの条件が存在しており、これらをすべて満たさなければなりません。


(1)賃貸借契約に基づき使用させること。

(2)宿泊日数が7泊以上の連泊であること。(地域によっては10泊のところも。)

(3)専有面積が25平方メートル以上であること。

(4)出入り口や窓が施錠可能な状態であること。

(5)他の居室との境界が壁造りであること。

(6)換気、照明、採光、防湿、排水、冷暖房の設備が設置されてあること。

(7)寝具、台所、便所、家電が設置されてあること。

(8)外国語の利用規約、緊急時マニュアルが準備されてあること。

(9)地域の民泊条例に従うこと。たとえば大阪の民泊条例では、チェックインの対面対応を義務化している。


専有面積の条件が「25平方メートル以上」と緩和されたことで、「ワンルームアパートでの民泊が許可された!」と話題になりましたが、実情は厳しいです。たとえば「7泊以上の連泊」という条件に絞って集客をしなければならないとなると、ほとんどの外国人観光客が対象から外れてしまうため、実質的にはAirbnb(エアビーアンドビー)民泊用の施設として適していません。そのため、特区内の物件においても、許可申請を取った物件はほとんど数件しか無かったという散々たる結果となりました。


こうしたことから、「国家戦略特区」の認定を得て小規模宿泊施設を運営するというのは、現状ではまだ、現実的に無理があると言えます。


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