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空き家を宿泊施設として投資・経営するメリットは?-2


2 国や地方公共団体からの助成金を活用しよう!


今この時代に空き家の宿泊ビジネスを検討するのは、幸運と言えます!というのも、冒頭文で少し触れたように、空き家の活用に対して、国は助成金を出すようになったのです!


2-1.「空き家対策特別措置法」は誤解されている!


2015年5月26日に執行された「空き家対策特別措置法」をご存じですか?誤解して受け止めている人がとても多いようなのですが…。


2-1-1.「空き家対策特別措置法」は、強制撤去だけが目的ではない。


日本から空き家放置を無くすために、まずは地方自治体が空き家の所有者を突き止め、解体や処分の「勧告」を下します。これに従わない場合は「命令」が下り、それでも無視する場合、たしかに地方自治体は「強制撤去」の権限を持つことになりました。この「強制撤去」の部分のみがニュースではクローズアップされており、「空き家対策特別措置法=空き家強制撤去」と思い込んでいる人が多いようなのですが、そうでもありません!


2-1-2.強制撤去についても段階を踏んで行われる。


まず、強制撤去に関しては、段階を追って行われるため、知らない間にいきなり空き家が解体されるようなことにはなりません。解体という作業に莫大なお金が掛かり、それは自治体の税金負担となるため、自治体側としてもなるべく避けたいのです。


2-1-3.空き家をビジネス活用する人には助成金を支給してくれる!


2つ目の真実として、この「空き家対策特別措置法」は、放置空き家の撤去だけでなく「活用」も目論んでの法律であるということは注目に値します。空き家を進んでビジネス活用しようと考える人に対しては、リフォーム費などに助成金を出してくれるのです!


2-2.助成金の対象は多岐にわたる。しかも民間や個人なら2/3を負担してもらえる!


「空き家対策特別措置法」に基づいて、国土交通省は、助成金を支給してくれます。


誤解してならないのは、これは「解体」の助成金ではなく、「ビジネス活用」のための助成金であるということ。アベノミクスの経済戦略の一環なのです。


この記事は宿泊施設への活用をテーマに取り上げますが、この助成金の対象は、宿泊施設に限りません。交流施設や体験学習施設、創作活動施設、文化施設のための増築・改築をも含みます。


また、リフォーム費用だけでなく、(あなたが地方公共団体の立場であるならば、)空き家・空き建物の所有者の特定に関する費用(交通費、証明書発行閲覧費、通信費、委託費など)も支給されますから、覚えておきましょう。


なお、助成金の支給割合はこのようになっています。

・地方自治体の場合→国費:地方公共団体=1:1

・民間企業または個人の場合→国費:地方公共団体:民間(個人)=1:1:1


個人で改築をする場合、費用の2/3は負担してもらえるということです!これは非常に嬉しいですね。


2-3.「助成金貧乏」に気を付けて!ビジネスは計画的に!


助成金が出るなら最大限に有効活用したいところですが、助成金が出るからといってビジネスの失敗(赤字)が回避できるということではありません!むしろ逆に、「助成金貧乏」に気を付けてください!


というのも、日本の地方自治体では、国からの助成金を頼りに「道の駅」を造ったり市民ホールを造ったりすれども、大赤字に陥ってしまうことがとても多いのです。これは、ランニングコストの試算が稚拙であったり、収益の予測が甘すぎたりすることで起きています。経営コンサルタントに高い料金を払って企画してもなお、そうなってしまっているのですから、深刻ですね…。これは、「助成金があるから大丈夫だ」と助成金に依存しすぎる気持ちが生み出しているもので、多くの人が陥りがちな過ちであるため、とても注意が必要です!


意識すべき点をまとめてみましょう。

(1)助成金が出るのはあくまでリフォームなど「初期費用」の一部に過ぎず、ランニングコストは全て自分で負担し続けなければならない。

(2)2/3を負担してもらえるといっても、たとえばリフォーム費の総額が1,000万円にもなるなら、あなたは300万円以上は負担しなければならない。

(3)あらゆるビジネスは、成功するとは限らず、特に助成金の下りるビジネスは競合者が多くなりがちである。


そのため、あなたの空き家のある地域で宿泊施設を営むとしたらどの程度の収益が見込めるのか、どのような宿泊形態が合っているのか、などを、くれぐれも慎重に検討すべきです。


2-4.相談は誰にすべき?空き家問題のNPO法人がベター。


助成金申請の手続きを含め、空き家活用の相談は誰にすべきなのでしょうか?


相談先の選択肢はいくつもあり、たとえば、市役所などの行政機関、弁護士や司法書士などの法律家、または不動産会社でも話を聞いてくれるところがあります。しかし、行政に直接打診してもなかなか動いてはくれず、法律家の場合は高い報酬が必要となり、どちらもあまり良策とは言えません。


最も無難と言えそうなのは、空き家問題や空き家活用に取り組んでいるNPO法人です。その手の話に詳しく、協力的であるうえ、報酬を取らないことが多いでしょう。そして、NPO法人を介して行政に打診するほうが、助成金の給付許可などは下りやすくなります。


2-5.癒着に注意!リフォーム費などのリサーチは自分でも行おう。


不動産関連の業者は、仲介所、不動産会社、リフォーム会社などがそれぞれ癒着状態にあり、高額な業者を紹介されてしまうことが少なくありません。NPOであってもこれは同様です。さらに、Airbnb(エアビーアンドビー)関連の業者は高いマージンを取ろうとする傾向にあるので、言われるがままに契約するようなことは控えましょう。リフォーム費などは自分でもリサーチし、「この会社のほうが安くてハイクオリティだからこの会社でリフォームしたい」としっかり自己主張をすべきです。

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