老人ホームの検討が必要になってきたとき、リサーチすると「特養(特別養護老人ホーム)は費用が安め」ということを知るでしょう。
公的な施設であるため、特養は費用が安めな傾向にあります。
介護情報メディアでは、老後のお金の話をするとき、「特養が安いから大丈夫」といった前提で語るものも多いのですが、特養にあまり期待は出来ないかもしれません。
特養で安いのは昔ながらの多床室。個室だと老人ホーム並みに高い!
特養(特別養護老人ホーム)の費用が安いのは、あくまで4人6人程度の「相部屋」で生活する場合の話です。多床室と呼ばれますが、昔ながらのこの形態は、料金が安めです。
しかし特養でも、プライバシーの確保された、設備の整った個室となると、料金は一般的な有料老人ホームとあまり違いはありません。
安価な有料老人ホーム:月額15万円程度
特養の個室:月額13万円程度
このような感じで、実際の経済的な負担感覚は大した違いはないでしょう。
そのうえ、民間である有料老人ホームは企業努力が盛んなため、設備もサービスも特養よりも充実しており、満足度には金額差以上の大きな開きが出てしまいます。
団塊世代は質素な特養では我慢できないかも・・・
もう1つの懸念が、満足度、快適度の問題です。
今老人ホームの入居を検討されているのは、団塊世代と呼ばれる時代背景で育った人でしょう。
団塊世代は傾向的に、豪華で快適なものを好みます。「軽自動車は嫌だ、高級セダンがいい」というように。
すると、古くて簡素な傾向にある特養では我慢が出来ない、という人が多くなりそうです。
質素な施設で大丈夫かどうかは、普段の親御さんの様子を観察していれば、察しがつきそうですね。
実質的に、民間の老人ホーム施設が選択肢となりそう。
公的な介護施設は料金が安めなのですが、どれも特養と同じことが言えます。
すると実質的に、民間の老人ホームが選択肢となるでしょう。
上述したように、民間の有料老人ホームは、安価な価格帯のものでも月額15万円程度の費用相場になります。
親御さんの老人ホーム生活の基礎費用として、これくらいは考えておいてほうが良さそうです。
年金で足りることが多いので、あまり心配はない。
「安い特養は現実的ではないのか!」と知ると困惑してしまうかもしれませんが、大丈夫です!
月額15万円程度の老人ホームなら、親御さんの年金で大体生活費をまかなえるはずです。
「15万円の施設では物足りない。こっちの20万円の施設がいい」と言うとしても、毎月の年金以外に貯蓄を持っているはずです。
老後資金、老人ホーム資金は、親御さん本人の年金や貯蓄から捻出するのが一般的なことで、まずはそこから払えばよいです。
どうしても足りなくなる部分だけを、あなたがた夫婦が手助けするように考えましょう。
いかがでしたか?
特養にも綺麗で快適な施設も増えてきましたが、するとそれに比例して料金も高くなってしまいます。
また、入居待ちで数か月先まで待機、ということも多くなっています。
少し費用はかさむけれど、民間の有料老人ホームに入るのが妥当なのかな、というふうに考えておきましょう。しかしその費用は親御さんの年金や貯蓄でまかなえるはずです。
老人ホーム費用の問題は、杞憂で終わることが多いですよ。