2-5.返金請求できるのは、どんなケース?
トピック2-1で少し述べましたが、返金請求する権利があるのは民泊施設が汚かったときだけではありません。
これを機会に、その他の状況についても頭に入れておくと良いでしょう。
①「ホストが妥当なアクセスを提供しない」というケース。
②Airbnbのリスティングに掲載された説明と異なるケース。
③明記されていないペットがいるケース。
④駅からの距離に偽りがあるケース。
⑤リスティング上の写真と実物に差がありすぎるケース。
2-5ー①.「ホストが妥当なアクセスを提供しない」というケース。
まずは「ホストが妥当なアクセスを提供しない」というケース。
これは、Airbnb上の文言を読むだけでは、いまいち意味がわかりませんね。わかりやすく解説すると、「民泊施設に入るためのカギやセキュリティコードを提供してもらえなかったとき」です。
これは、充分に起こりうることです。特にオーナー不在の「まるまる貸切」ではまれに起きています。「カギは郵便受けに入っているから探してください。」と言われたので探してみても、オーナーが入れ忘れていたり他の人が持っていってしまったり、といったことが起きています。または、1回ごとに変化するセキュリティコードが、間違って教えられることもあるでしょう。
「駅まで迎えにいきます」と約束してくれていたのに現れない場合も、該当します。チェックインの代行業者が現れない場合も、もちろんです。
このような状況で立ち往生することになってしまったなら、3時間も5時間も立ち尽くしていないで、さっさと返金を要求してしまうのが得策です。返金してもらうか、近くの似たような民泊施設を手配してもらいましょう。その権利があるのです。
2-5-②.Airbnbのリスティングに掲載された説明と異なるケース。
これはわりとわかりやすいでしょう。たとえば、Airbnb(エアビーアンドビー)のリスティング(お部屋の詳細ページ)では「個室」と書かれていたのに、見知らぬお客さんと相部屋させられた…そんなときには返金を要求できるのです。
他にも、「Wi-Fi完備」と書かれていたのに実際にはWi-Fiが使えたなかったなら、返金要求ができます。ただしこういった場合、宿泊料金をまるまる返金してもらえるわけではないでしょう。また、Wi-Fiというのはちょっとしたトラブルが起きやすい機器ではあるので、オーナーにはどうしようもない問題であることも少なくありません。その欠落が不可抗力であり、あなたにとってあまり重要でないなら、ガマンしても良いかもしれません。
2-5-③.明記されていないペットがいるケース。
「ペットがいる」ということ自体は問題はなく、返金請求の対象とはなりません。「リスティング(施設の詳細ページ)に明記されていないペットがいる」という場合です。
たとえば、「我が家では室内犬を1匹飼っています」と書かれてあったのに、行ってみたら犬が2匹居た!といったケースなら、返金請求を主張する権利はあります。
犬を飼っている身としては、「犬が他人の迷惑になることがある」とはあまり感じていないかもしれませんね。しかし来客者としては、犬の鳴き声が騒音になったり、衣服を汚されてしまって迷惑をこうむることがあります。
実情として、この規約(ペット数の詐称・誤表記)が訴訟の対象になることを理解している民泊オーナーはほとんどおらず、これがトラブルを引き起こす可能性はありうるでしょう。
2-5-④.駅からの距離に偽りがあるケース。
これも昔から、不動産や宿泊施設につきまとう地味にうっとおしいサギの1つです。
「○○駅から徒歩5分!」と書かれていたのに、実際には10分も15分も掛かる距離だった…。それがスーツケースを引きずりながら上り坂であったり山道などのオフロードだったりするなら、充分すぎるほどわずらわしい問題ですね。
これも返金請求を訴える権利のあるケースです。
2-5-⑤.リスティング上の写真と実物に差がありすぎるケース。
写真は新品でピカピカだったのに、実物はボロボロで薄汚れていた…。これも宿泊施設で割りとよくあることです。
民泊オーナーの中には、自分で写真を撮らずに、不動産会社が不動産サイトに掲載していた写真をそのまま転用するような人がいます。または、写真をあまりにも加工編集し過ぎている、写真を撮った頃と内装を変えたのに、写真はそのままにしている、といったことはまれに起きています。
返金請求の対象となりますので、ハッキリと訴えましょう。
2-6.オーナーを納得させるために、返金ポリシー(規約)を把握しておこう。
とても敷居の低いAirbnb(エアビーアンドビー)などの民泊において、はっきり言って、守るべき規約を全て理解しているオーナーは、ほとんどゼロに等しいのが実情です。ですから、ペットが増えてもリスティングを更新していなかったり、駅からの距離を著しく短くアピールしたりすることは、あちこちで横行しています。
しかし、あなたがそれを突きつけて、「返金してください!」と訴えても、オーナーは真面目に取り扱ってくれない可能性があります。返金の責任があることに、気づいていないからです。
ことの重大さを理解させ、責任を取らせるためには、証拠となる規約を、オーナーにハッキリと突きつけることが重要になってくるでしょう。
トピック2で説明した事柄については、Airbnbのヘルプページ及び規約ページにて明記されています。
・ゲスト返金ポリシー https://www.airbnb.jp/help/article/544/guest-refund-policy
・ゲスト返金ポリシー規約 https://www.airbnb.jp/terms/guest_refund_policy?_ga=1.199937646.1525485130.1452952276
この2ページをスマートホンなどにブックマークしておきましょう。実際にひととおり眺め、確認しておいたほうが良いですね。そしてトラブルがあった際には、さっとオーナーに突きつけられるようにしておきましょう。
2-7.モンスターカスタマーにならないために、気をつけるべきこと。
何か問題があったときにそれをハッキリ指摘し弁償してもらうことは、もちろん大切です。しかし、現代日本人には、企業やスタッフに対しての要求や怒りが過剰になりすぎてしまっている人も、少なくありません。
Airbnb(エアビーアンドビー)などの民泊の中には、投機目的の打算的なオーナーもいれば、良心的に、人助けに近い感覚でお部屋を提供してくれているオーナーもいます。ホテルや民宿並みの料金を取っているならそれ相応の設備とサービスがあって然りですが、3,000円にも満たない低価格でお部屋を提供しているようなオーナーに、あまり多くを要求するのは酷というものです。シェアルームの場合なら2,000円未満といったところでしょうか。
民泊などのシェアリングエコノミーは、「お互いが相手のために配慮する」という歩み寄りによって、環境保全と低価格化をはかるものです。どうぞそのことを、忘れないでください。
逆に、オーナーが不在で代行業者に任せているところ、高価なインテリアを揃えて本格的に民泊ビジネスをやっているようなところは、不備があったらどんどん訴えましょう。
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