3 鍵の受け渡し方法にはどんな種類があるの?
それでは次に、巷で行われている鍵の受け渡し方法をいくつかご紹介します。あなたの知らなかったアイデアもあるのでは?各ホストにより最適な方法は異なるはずですから、あなたの環境にフィットするのがどれなのかよく検討し、取り入れてみてください。
(1)民泊宅で待機していて、ゲストが来たら開けてあげる。
(2)駅などで待ち合わせして鍵を手渡しする。
(3)鍵を事前に郵送する。
(4)郵便ポストなどに入れておいて、ゲストに取ってもらう。
(5)マンションの管理人さんやお隣さんに渡してもらう。
(6)鍵をかけずに開けたままにしておく。
(7)暗唱番号式の錠に付け替える。
(8)スマートロックを利用する。
(9)鍵渡しの代行業者を利用する。
(10)欧米にはKeyCafeなんていうサービスも。
3-(1).民泊宅で待機していて、ゲストが来たら開けてあげる。
これは誰もが思いつく方法でしょう。そしても最もシンプルな方法であり、安全な方法とも言えそうです。
この方法なら、「鍵が見つからない」「鍵が開けられない」といったトラブルは回避できます。ゲストが遅れても待ちぼうけするのが家の中なら、あまり苦しまないで済みますね。ホームステイ型のホストにとっては、最も楽で負担の少ない方法と言えそう。
これは、管理者不在型の民泊でも採用されることのある方法ですが、その場合、ゲストが遅れたときにパニックになることが!次の予定に移れなくて困ったり、次の予定がどうしてもはずせなくて、民泊ゲストをもてなせなくなってしまったり・・・。
他にも難点としては、ゲストが迷子になってしまう懸念があります。が、その場合も家で待機していれば対応がしやすく、大事(おおごと)にはなりにくいです。
3-(2).駅などで待ち合わせして鍵を手渡しする。
これも非常に一般的で、思いつかない人はいないでしょう。対人での手渡しですから、やはり「鍵が見つからない」というトラブルは回避できますが、鍵を渡すだけでサヨナラしてしまう管理者不在型の場合、「鍵が開けられない」トラブルの懸念は残ります。
難点としては、「ゲストの遅刻」や「ゲストと連絡が取れない」というトラブルが、この方法では一番ネックになりそう。また、迎えにいく手間も無視できません。ゲストにとっては最も安心でありがたい方法ですが、ホストにとっては思いのほか大変です。
3-(3).鍵を事前に郵送する。
ごく少数ではありますが、このような方法を採用しているホストもいます。鍵を事前に渡してしまえば、チェックイン当日に時間を取られることがないので、忙しいホストにはメリットがありますね。
しかし、ゲストの大半が外国人であるAirbnb(エアビーアンドビー)民泊においては、鍵を事前に郵送するのはとても困難でしょう。そして日本人に送る場合も、鍵という貴重品が郵送事故に遭ったらどうするか、万が一ゲストのもとに届かなかったらどうするか、課題は残ります。
3-(4).郵便ポストなどに入れておいて、ゲストに取ってもらう。
これは、管理者不在型民泊において非常に多用されている方法。
鍵の受け渡しに時間を取られることがないので、たしかに管理者不在型のホストには便利でしょう。ホームステイ型のホストも、外出予定がゲストのチェックインと重なってしまうときなどには利用価値がありそうです。
だだし、トラブルは多めなのでご注意を!郵便ポストが古くサビついていて、開けられなくて鍵を取り出せない事例が多く報告されています。「何度かチャレンジしてみて!」とゴリ押しすることで解決する場合もありますが、それでだめな場合はかなり大事(おおごと)に発展するかも・・・。用事を抜け出してゲストのもとに駆け付けなくてはならなくなったり、またはゲストが怒ってクレームや返金になってしまったり・・・。
トラブル回避のアイデアとしては、さらにもう一つ、他の場所に鍵を隠しておくことです。そして、ゲストから「開けられない!」「見つからない!」という報告を受けたらそのスペアの場所を教えてあげましょう。しかし、外国人ゲストは携帯電話の連絡が取れないことも少なくなく、やはりトラブルを完全回避するのは難しそう。
この方法を採用するホストは多いでしょうから、何重にも対応策を練っておいて!
3-(5).マンションの管理人さんやお隣さんに渡してもらう。
第三者に鍵の受け渡しを頼む方法です。マンションの管理人さんやお隣さんに依頼する事例が多いでしょうか。
人の手を介するので受け渡しに失敗することが少なく、またゲストとしても安心を感じやすい利点があります。管理人さんも、民泊ゲストの顔を知れることを歓迎するかもしれません。
しかし難点は多いです。まず、マンションが民泊を禁止している場合、まったく使えません。お隣さんが民泊を煙たがっている場合も同様ですね。さらに管理人さんに託す場合、土日は管理業務が休みとなり、受け渡しも出来なそう。夜間や早朝も然りです。お隣さんに託す場合も、労働世代の人は留守がちで厳しいものがあります。結局のところ、「やむを得ないときに採用する」というのが現実的と言えるでしょう。
3-(6).鍵をかけずに開けたままにしておく。
これは、治安の良い日本ならではのアイデア。「鍵が見つからない」「鍵が開けられない」というトラブルは防ぐことができますが、不法侵入に遭ってしまう恐れが!ゲストがチェックインする前に誰かが不法侵入して中で待ち伏せしたりする可能性があることを考えると、ゲストに対して不親切でもあります。
これもやはり、急用事などにやむを得ず採用するという程度に留めておいたほうが良いでしょう。
3-(7).暗唱番号式の錠に付け替える。
家のドアの鍵を、暗証番号式のものに付け替えてしまうというアイデアもあります。
これは、「鍵」というアイテム自体が不要になるので、見つからない心配も失くしてしまう心配もありません。受け渡しの手間も不要で、お互いに待ちぼうけの心配もなく、ホストは手間も省けます。
難点としては、やはりお金がとても掛かることでしょう。取り付け工事の費用を含めると、10万円前後は掛かりそう。また、賃貸物件では錠の付け替えが許可されない可能性が高いです。さらには、開錠の仕方がわかりにくいものがあり、ゲストが開けられなくて途方に暮れてしまう事例も報告されています。
3-(8).スマートロックを利用する。
スマートロックをご存知ですか?スマートフォンをかざしたり、スマートフォンで暗証番号を受けとったりすることで開錠する、新しい時代の鍵です。鍵を渡す手間も、見つからない懸念も失くしてしまう懸念も防げるメリットフルなものではありますが、問題点もあります。
スマートフォンを鍵にするため、電波がないと使えないのです!奇しくも民泊は外国人の利用者が多く、日本の電波を拾えないことが多いため、対応できないゲストが続出しそう。実際、スマートロックの1つをAirbnb(エアビーアンドビー)も仲介提供していたのですが、このサービスはすぐに終了となってしまいました。
3-(9).鍵渡しの代行業者を利用する。
民泊代行業者の中には、鍵渡しの業務を請け負うところもあります。鍵渡しだけでなく、チェックイン対応(ハウスルールの説明、ゲストノートの記帳など)まで請け負ってくれるところが多いでしょう。
これは、費用がネックとなりそう。4,000円前後としているところが多く、しかも「30分~1時間」という制限付きで、ゲストが遅刻するならさらに延長料金がかかってしまいます。1泊4,000円もしない物件が多い民泊相場の中で、鍵渡しだけに4,000円も払えるのは、1泊10万円規模の高級別荘や長期利用のゲストのとき程度に限定されそうです。
3-(10).欧米にはKeyCafeなんていうサービスも。
鍵の受け渡しを第三者に委託するアイデアとしては、KeyCafeなるものもあります。これは、提携している喫茶店に鍵を託し、ゲストにはその喫茶店で鍵を受け取ってもらうもの。ホストはKeyCafeの運営会社に月額1,000円ほどを支払い、1回ごとの料金は掛からないので、鍵渡し代行業者に委託するよりもずっと安上がりです。
ちなみに、提携する喫茶店側としては、ゲストがお店で鍵を受け取るついでにお茶をしていってくれることがあり、またお店を知ってもらうことで間接的に利益を得られるメリットがあります。
しかしこのサービス、まだ日本には上陸していません。ただ、似たようなサービスを近所の喫茶店と提携して行うことは、そう難しくないのでは?
3 総括:管理者不在型の民泊では、鍵受け渡しをトラブル無しに行うのは難しい・・・。
鍵の受け渡し方法には様々な方法がありましたね。そして、事前に講じられるトラブル回避策もたくさんのものがあります。しかし、これらを眺めていてわかることは、やはり管理者不在型の民泊の場合、トラブルがとても起きやすくなってしまうということです。ホストが手渡しをしない場合どの方法にせよ、なんらかの致命的な、大きな懸念が付いて回ります。
また、トラブルが起きる起きない以前の問題が!日本政府は、民泊のホストに「対面でのチェックイン対応(=鍵の受け渡し)」を義務化する方針を固めつつあるのです。代行業者に託すにしても料金がかさみすぎるので現実的ではなく、管理者不在型民泊のホストは対応を考えなくてはなりません。