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民泊経営投資で大家さんが稼げるAirbnb副収入の実例-1


Airbnb(エアビーアンドビー)での副業ブームは、一時期よりは沈静してきました。


急激な伸び率を続けていたホスト数も、2016年5月からは減少カーブに入りはじめています。沈静傾向に入った理由は簡単で、巷で騒がれているほどは稼ぐことができないからです。


「エアビーアンドビーでどれくらい稼げるの?」気になっている人は多いかと思いますが、「稼げる!」「儲かる!」と謳うサイトは嘘や誇張が多いですから、あまりオススメしませんし、真に受けないように気をつけてください。民泊代行業者など、読者をエアビーアンドビー・ホストに引き込む

ことを目的にしたサイトは、「ノリ気にさせること」「(セミナーや代行業を)申し込ませること」が目的で執筆されているため嘘や誇張が多く、また都合の良いことばかりを並べ立てている傾向にあります。


結論から言えば、エアビーアンドビーを営んでもそんなに大きな収入は得られませんし、楽でもありません(収入は少なくとも他の魅力と意義に溢れているので、民泊自体はオススメしますが!)。当記事では、エアビーアンドビーで得られる収入について、リアルな情報を詳しくお届けしましょう。



1 投機型民泊は特に要注意!月収30万円も稼げませんよ!


まず真っ先に解説しておきたいのは、投機型民泊における収入の実例です。投機型民泊の志望者はとくに「稼ぐ!」という欲求が強いことと思いますが、実情はあまり稼げないうえ、リスクもとても多いことを知ってください。


1-1.「1泊15,000円×20日=月収30万円!」は現実味のない試算…。


Airbnb(エアビーアンドビー)関連のサイトでよく出てくる試算がこれですよね。


「1泊15,000円で貸せば、月に20日しか予約が入らなくても月収30万円です!不動産賃貸料が10万円だとしても、毎月20万円の収入に!」


この定番な試算は、穴だらけであることにお気づきでしょうか?


非現実的その1:今どき、ファミリー物件でも相場は15,000円ではなく10,000円…。

非現実的その2:月に20日予約を取るのすら、とても難しい…。

非現実的その3:30万円の収益があっても経費がかかるため、残るのは10万円にも満たない。


平均的な運営方法(民泊代行業者に委託して)で平均的な稼働率をマークしても、月収30万円なんて夢のまた夢、10万円すら難しいのが実情なのです。


1-2.ホストは赤字の懸念があるが、民泊代行業者は赤字にならないカラクリ。


民泊代行業者が盛んに新規ホスト参入を促すのは、民泊代行業者が独り勝ちできるカラクリが存在するため。


民泊代行業者は、手助けしたホストの売り上げの30パーセント程度を徴収するのですが、これを「売り上げの〇パーセント」と設定することで、たとえ稼働率が低迷しても民泊代行業者は利益を確保できます。しかしホストはどうでしょう?不動産の費用や光熱費などで10万円以上は支出することになるため、宿泊収入が15万円を切るなら、ホストは赤字に陥るでしょう。


ホスト側は、とてもリスキーなのです!



2 投機型民泊の現実的な収入は?物件タイプ別に詳細解説!


では、投機型民泊はどれくらいの収入が得られるのでしょうか。もちろん、物件のサイズによって収入も支出も異なりますよね。物件タイプ別に、シミュレーションを行ってみましょう。


2-1.ワンルーム物件の収益試算。


まずは1人~2人用のワンルーム物件について。基本的に、ワンルーム物件での投機型民泊は対費用効果が悪く、かつライバルが多い(ホームステイ型民泊が安い値段で1~2人を泊めている)ので、経営にはかなりの勇気と戦略が要ります。


2-1-1.2人でも1泊4,000円、月額収入は50,000~70,000円。


ワンルームタイプの物件の場合、価格相場は一般的に5,000~7,000円程度と言われていますが、競争が進んでいてその値段では予約を取るのは困難です。1人泊なら3,000円程度、2人泊でも4,000円程度が現実的な相場となっています。まだ下がる可能性も!平均稼働率は日本全体で55パーセント程度ですから、月額収益は50,000~70,000円くらいが目安と言えそうです。


2-1-2.支出は家賃に左右される。50,000円の物件なら10万円程度の総支出は覚悟を!


月々の支出は物件の家賃に大きく左右されます。家賃は、都心部や人気エリアなら50,000円は下らないでしょう。次に、民泊代行業者を利用するなら、収益の30パーセント程度を差し引かれて20,000円くらい。さらに、光熱費は10,000円前後、通信費(Wi-Fi、ポケットWi-Fi)は7,000円程度と見積もると…?


平均的な稼働率程度では赤字になってしまうことがわかります。そこからさらに、敷金礼金や家財道具費などの先行投資を返済しなければなりません。


2-1-3.確実に利益を出したいなら家賃10,000~20,000円で物件を見繕うべし!


地方や古民家物件などで、家賃10,000~20,000万円程度の物件を確保することができるなら、月額20,000円程度を稼ぐことはできるでしょう。または、あなた自身がワンルーム物件の大家さんで、支出無しに物件を工面できるなら、月額30,000~40,000円程度のビジネスにはなりそうです。


2-2.ファミリー物件の収益試算。


投機型民泊で最も主流なのがファミリー物件。一見、多大な収入が得られそうですが、実際はそうでもない!?


2-2-1.相場は1泊10,000円以下まで下落している!宿泊収益は15万円も難しい…。


ファミリータイプの物件の場合、宿泊価格相場は一般的に15,000~20,000円程度と言われていますが、これもリアルな値段とは言えません。2016年秋時点の実情は、4人泊で8,000~10,000円程度が予約の取りやすい価格となっています。これもまだ下がるでしょう。平均稼働率が55パーセント程度ですから、月額収益は12~13万円程度と言えそうです。


2-2-2.家賃10万円の物件なら、支出総額は15万円を超えてくる!


支出を見てみましょう。まずは家賃ですが、人気エリアのそれなりにしっかりした物件なら、やはり10万円くらいはします。(また、民泊での又貸しを許可する物件は日に日に価格が高騰しており、さらに敷金礼金仲介料以外にも特殊な手数料を数万単位で取るところが増えてきていますから注意してください。)次に、民泊代行業者への手数料が宿泊収益の30パーセント程度…この試算なら40,000円程度徴収され、光熱費はワンルームよりも高く20,000円程度、通信費( Wi-Fi、ポケットWi-Fi )は7,000円程度で見積もると、支出の合計額は15万円を超え、平均程度の稼働率では完全に赤字に陥ることがわかります。


2-2-3.確実に利益を出したいなら、古民家など活用で激安家賃の物件が必須!


ファミリー物件の投機民泊で黒字をキープし続けたいなら、「4人1泊8,000円」の値段で100パーセント近い稼働率を年中通してキープし続ける勝算がないと、厳しいです。または、やはり古民家などを上手く使って家賃20,000~30,000万円程度で工面してくるか、民泊代行業者に委託せずに自力で運営するなら、勝機も見いだせるでしょう。


いずれにせよ、巷の民泊代行業者が言う試算とはずいぶん異なる実情であることが、おわかりいただけたでしょうか?


2-3.シェアルーム物件の収益試算。


中小の投機家はシェアルームタイプにはあまり関心を示していませんが、実は最も利益を出しやすいのはシェアルームタイプの物件かもしれません。薄利多売となり問い合わせ対応の手間が激増するのですが、民泊代行業者に委託するのならそのネックは解消されます。清掃やシーツ交換に関しては、自分でやらなければ破産してしまいますが…。


※シェアルーム物件とは、ホストの家のリビングにベッドを置いて眠ってもらったり、客間に二段ベッドなどを置き相部屋してもらうタイプのものを指します。ゲスト個々に完全なプライベート空間の無い、簡素なタイプです。


2-3-1.シェアルーム物件は1,500円が相場。3部屋開放すれば宿泊収益は月15万程度か。


シェアルームタイプの物件の場合、1泊2,000~3,000円が相場と書いているところもありますが、そんなに高い値段は付けられません。妥当な相場は1,500円で、2,000円がギリギリというところ。ゲストハウスのドミトリー(相部屋)が1,500~2,000円ですから、2,000円を超えると太刀打ちできなくなってしまいます。


3LDKの物件を借りてきて1部屋に4ベッド置き、3部屋×4ベッド=12ベッドを1,500円で提供するとしたら、55パーセント程度の稼働率だと月収14~15万円程度の宿泊収益目算が立ちそうです。


2-3-2.支出はファミリー物件と同程度。代行業者利用で平均程度の稼働率では、やはり赤字…。


支出についてはファミリー物件とだいたい同じようになるでしょう。家賃は10万円くらい。民泊代行業者への手数料が宿泊収益の30パーセント程度…この試算なら50,000円程度徴収され、光熱費は20,000円程度、通信費( Wi-Fi、ポケットWi-Fi )は7,000円程度で見積もると、やはり毎月30,000円くらい赤字を被る計算になります。


2-3-3.確実に利益を出したいなら人気エリアを狙って自力で管理すべし!


シェアルームタイプの場合、方法によっては利益を確保できる可能性はあります。方法とは、下記の4条件です。


(1)代行業者に頼まず自力で運営する。または予約管理だけを託し清掃を自分でやる。

(2)人気エリアに出店する。

(3)1ベッド1,500円程度(地域最安値)で提供する。

(4)なるべく安く物件を手に入れる。


投機型民泊の利益を圧迫しているのは代行業者への手数料です。できるだけ自力でまかないたいところですが、シェアルームタイプの場合さばかなければならない問い合わせ数が膨大になるので、30パーセント程度のマージンを払っても代行業者に委託する価値はあるかもしれません。しかし、シーツ交換を個々のゲストのチェックアウトごとに外部委託していては破産してしまうので、これは自力でやることが利益確保のための至上命題となります。


また、エリア選びも重要です。ファミリータイプやワンルームタイプの場合は人気エリアは避けたほうが良いのですが、シェアルームタイプの場合、安さゆえに人気エリアでも予約は入りやすいため(民泊は基本的に、安いところから順に埋まるのです)、需要の多い地域に出店するのが向いています。また、シェアルームタイプであれば、日本の平均稼働率を大きく超えることができるでしょう。


この方法論で3部屋12ベッドを提供し、90パーセントの稼働率をあげれば、ホストの実月収も15万円くらいにはなりそうです。

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