日本の家庭文化を垣間見られる魅力により、民泊を利用する外国人は右肩上がり。いいえ、外国人旅行者が期待しているのは日本の家庭文化だけではなく、食事もまた、強い興味を持たれています。この傾向は、和食が世界遺産に登録されてなおさら拍車がかかりました!
民泊でもてなしている外国人ゲストには、日本の食事も楽しんでもらえたら最高だとは思いませんか?ここでは、手軽に食事を提供するためのポイントを、「Airbnb(エアビーアンドビー)民泊」、「留学生ホームステイ」、「農家民泊」の3つのカテゴリーに分けて解説していきます。
1 Airbnbの外国人ゲストに食事を提供するポイント。
一般的に、素泊まりが基本となっているAirbnb(エアビーアンドビー)民泊。そのため、ノウハウサイトを覗いても食事に関する情報はあまり載っていません。エアビーアンドビーで食事を提供する際には、どのようなポイントに気を付けたら良いのでしょうか?
1-1.Airbnbで食事を提供する3つのメリット。
日本のAirbnb(エアビーアンドビー)ホストには、食事提供をしている人はあまりいないのですが、実は食事をゲストに提供することはこんなにもメリットフルなのです!
(1)朝食を無料サービスすれば稼働率アップに効果テキメン!
ホストの数が増えすぎて、50~60%の稼働率が精いっぱいという感じになってきた日本のAirbnb(エアビーアンドビー)市場。ライバルホストに差を付けたいなら、朝食を無料サービスするのが最も得策かもしれません。
外国人ゲストにとって、カフェで朝食を摂るとそれだけで500円くらいは飛んでしまいます。それが2,000~3,000円程度の民泊価格の中に含まれていたら、こんなにありがたいことはありません。500円とは言っても、ホストが提供する際のコストは500円にはならず、せいぜい100円程度のものでしょう。
凝る必要は全くなく、トーストとバターとコーヒーだけでも充分です。
(2)時々食事をサービスしてあげれば、ゲストとの親睦がとても深まる。ゲストの満足度も各段アップ!
昼食や夕食に関しても、サービスしてあげるととても喜ばれます。ゲストに喜ばれるだけでなく、ゲストと密に交流する格好の時間となるため、ホストにとっても非常に有意義な時間となるでしょう。食事を囲みながらの交流は、会話が非常に弾みます。
また、食事には各国の文化が出やすいため、互いの国の文化の違いについての話題にも花が咲きやすいでしょう。
(3)暴落する民泊価格相場と稼働率を埋めるのが、食事での収益獲得。
2年前まで1泊3,000円程度だったAirbnb(エアビーアンドビー)民泊の相場も、昨今は2,000円を切るくらいまで下がってきました。稼働率も少しずつ低下傾向にあります。想定しているほどの収益をあげられなくて苦笑いをしているホストさんも少なくないはず。
この収益低迷を埋める策として、稼働率向上に躍起になるのではなく、食事を有償提供することで穴埋めするアイデアはいかがでしょうか?1食500円で20日間の利用があれば、食事だけで1万円の収益になります。
また、問屋からジュースやスナックなどを買い付け、ミニ商店をやるのも一興です。1品あたりの単価は低くても、月間数千円の利益にはなるでしょう。
1-2.手間をかけずに食事を提供する6つのコツ。
Airbnb(エアビーアンドビー)民泊の利点は手軽さにあるはずなのに、食事提供に忙殺されてしまったのでは本末転倒ですね。あまり手間をかけずに食事提供をする、6つのコツがあります。
(1)朝食はセルフサービスでも良いかも?
(2)無償での昼・夕食サービスは気が向いたときだけに留める。
(3)有償での昼・夕食提供は、「日替わりごはん」と名付ければラク。
(4)食の好みや宗教的禁忌への有効な対策は、「食べたいものを聞く」のではなく「食べられないものを聞く」こと。
(5)大人数を受け入れているなら、カレーや煮物などの煮込み料理がラク。
(6)価格は低めに抑えよう。それが両者にとっての負担減に効果的。
1-2-(1).朝食はセルフサービスでも良いかも?
朝食は、特に無償提供する場合には、セルフサービスにしてしまっても良いでしょう。民泊ゲストの多くは、ゲストハウス泊に慣れており、ゲストハウスでは朝食をセルフサービスにしているところが多いのです。
食器洗いも、「Please wash yourself」と書いておくだけで、嫌な顔せずに自分でやってくれます。
1-2-(2).無償での昼・夕食サービスは気が向いたときだけに留める。
食事を提供することは任意なのに、勝手に義務に感じて重荷を背負いこんでしまう民泊ホストは少なくありません。もし、「和食が食べてみたいわ!」などとゲストにリクエストされたとしても、それでも気が向いたとき、余裕のあるときだけで充分なのです。
「楽しく提供できる」と感じられる塩梅を、早めにつかみましょう。
1-2-(3).有償での昼・夕食提供は、「日替わりごはん」と名付ければラク。
有償で昼・夕食を提供して収益を上げたい場合も、無暗に労力をかける必要はありません。レストランのように相手のリクエストに応じて様々なメニューを提供するとなると、料理の手間も食材在庫の確保も非常に負担になってしまいます。
最もオススメなのが、「日替わりごはん」などと名付けてしまうこと。そして、家族のために作った食事を、そのままゲストにも提供するのです。レストランにも日替わりランチがありますし、日本の地方や海外には、日替わりランチ1メニューだけの食堂は少なくありません。
事前にメニューを決めているなら、「明日の日替わりランチは天ぷらとおそばです」などと貼り紙しておいてあげると良いでしょう。
1-2-(4).食の好みや宗教的禁忌への有効な対策は、「食べたいものを聞く」のではなく「食べられないものを聞く」こと。
食事を提供するとなったときに最も頭を悩ませるのは、相手の食の好みや宗教的な食制限についてではないでしょうか。そのため、相手の食べたいものに応じなければと気負ってしまいがちですが、そこまで根詰める必要はありません。
「食べたいものを聞く」のではなく、「食べられないもの」を事前に尋ねておきましょう。「魚がニガテ」「私はベジタリアン」といった趣向を、教えてくれるはずです。その範囲の中で作れば充分ですし、それでも大満足してもらえる可能性は非常に高いです。
1-2-(5).大人数を受け入れているなら、カレーや煮物などの煮込み料理がラク。
ドミトリールームを持っていたり家族客を受け入れていて、大人数に食事対応する必要があるなら、カレーやシチュー、肉じゃがといったような、大なべでの煮込み料理がオススメです。これなら作るのにも盛り付けにも手間がかかりません。食べるタイミングがゲストによって異なる場合も、再加熱がラクですね。トンカツのように一品一品揚げたり盛り付けたりしなければならない料理は、大人数には不向きです。
1-2-(6).価格は低めに抑えよう。それが両者にとっての負担減に効果的。
Airbnb(エアビーアンドビー)民泊での食事提供のコツは、価格を低めに抑えることです。1食500円くらいがベター。外で食べるなら780円くらいは取れそうな定食でも、500円で提供してあげましょう。すると、あなたのおうちで食べてくれる人が増えますし、ゲストも安く食事を摂ることができます。
民泊と同じように、互いにとって良い循環が生まれますね。
1-3.外国人ゲストが好む食事はどんなもの?
ゲストの日常に合わせて欧米食を作ってあげるよりも、日本らしいものを食べさせてあげるほうが喜ばれます。ここでは、外国人に人気の日本食トップ10をご紹介しましょう。
1位 お寿司
2位 焼肉
3位 ラーメン
4位 てんぷら
5位 刺し身
6位 からあげ
7位 カレーライス
8位 焼き鳥
9位 焼き餃子
10位 とんかつ
どれも、家庭でそう難しくなく提供することができそうですね。
1-4.食事提供に資格は要らないの?無資格で裁かれることはほとんどない。
食事を提供するとなると気になるのが、資格の問題・・・。
厳密に言えば、どのようなカタチにせよ食品を有償提供するならば、飲食店営業許可と食品衛生責任者の資格が必要となります。ただし、民泊でごはんを出す程度なら、あまり気にする必要はないでしょう。
昔から行われている留学生を受け入れるホームステイで、資格の有無を問われるホストは一人もいません。また、資格の話をするのであれば、そもそも民泊の運営自体に認可が必要となりますが、現状、日本の民泊の99パーセントが未認可という統計が出ており、それでもほぼ黙認されています。
よほど大きな問題を起こさない限り、無資格の食事提供でも裁かれることはないでしょう。
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