民泊サイトと言えばAirbnb(エアビーアンドビー)しか知らない人ばかりかもしれませんが、世界中を眺めてみると、驚くほどたくさんの民泊サイトがすでに登場してきています。それぞれ、Airbnbに負けじと独自の工夫をこらしていますが、手数料に関してもすべてが同一というわけではありません。
ここでは、Airbnbをはじめとした主要な民泊サイトの手数料を紹介していきます。
1 Airbnbの手数料を大特集!
まず一番初めに、最も利用者数と情報のニーズが多いであろうAirbnb(エアビーアンドビー)について、特に細かく特集しましょう。
Airbnbで民泊ホストをしてみようかなと検討している人は、ぜひご参考になさってください。
1-1.民泊ホストは、Airbnbに対して先払いしなければならない手数料は何もない!
民泊ホスト(志望者)がまず最初に理解すべきことがこれです。
民泊ホストは、Airbnb(エアビーアンドビー)に対して先払いしなければならない手数料は何もありません!
Airbnbは、登録料、月額使用料、年会費、物件掲載料といった名目の料金を何も徴収していないため、民泊ホストはAirbnbに対して、先払いしなければならない手数料は何もないのです。
つまり、Airbnbで民泊ホストを営むにあたり、あなたの手法が自宅の一部をシェアする「ホームステイ型」民泊なのであれば、赤字に陥る懸念はおよそ全く無いと言えます。これはとてもありがたいですね!
1-2.民泊ホストがAirbnbに払うのは、宿泊収入の3%の手数料だけ。
民泊ホストがAirbnb(エアビーアンドビー)にお金を払うのは、予約が入り、収入が確定した後になります。
1カ月の総宿泊収入に対して3%の額を、Airbnbは「ホストサービス手数料」として差し引いてから、あなたの銀行口座に残りの宿泊収入を振り込むのです。
たとえば、あなたの民泊の宿泊収入が1カ月で5万円だったとすると、50,000×0.03=1,500円の手数料が掛かるということ。
1-3.ゲストはAirbnbに12~6%のゲストサービス手数料を払う。
Airbnbは、ホストだけでなくゲスト利用者からも手数料を徴収しています。これを「ゲストサービス手数料」といい、ゲストは宿泊のたびにこれを支払うことになります。
ゲストサービス手数料は、予約の小計に対して12~6%の値。小計額が高くなればなるほど、手数料のパーセンテージは下がる(割安になる)のですが、数千円のお部屋に数泊泊まる程度の一般的な利用の場合、「10%は加算される」と思っておいたほうが良いでしょう。
2 他の民泊サイトの手数料は?ホスト手数料がゼロの民泊サイトも!
それでは、Airbnb(エアビーアンドビー)以外の他の民泊サイトについても手数料を見ていきましょう。
2-1.Homeaway(ホームアウェイ)の手数料は?
ホスト側手数料:年349米ドル、または宿泊収入の8%。
ゲスト側手数料:0%
特徴:ホストの手数料は2パターンからの選択制。年額固定払いは、ホスト初心者にはリスクが大きい!
Airbnb(エアビーアンドビー)最大のライバルと目されているHomeaway(ホームアウェイ)。日本ではあまり有名ではありませんが、ホテル検索サイト最大手のExpedia(エクスペディア)が買収したことにより、世界的知名度は高いです。
手数料に関してはAirbnbとは違った手法をとっています。
まず、ホスト側の手数料は、「年間349米ドル」または「宿泊収入の8%」のいずれかを、各ホストが自由選択する仕組み。年額を支払う場合、まったくお客さんが入らなくても4万円近い額をいきなりHomeawayに支払わなければならないので、民泊ホスト初心者にはリスクが大きいと言えます。
ゲスト側の手数料は、なんと0%!ゲスト利用者は、物件ページに掲載されている宿泊料金だけを払えば済むのですね。ホストには無関係なことのようにも思えますが、ゲストの手数料が安いことはホスト側にも間接的に恩恵があると言えます。ゲストの手数料を0円にすることでHomeawayが多数の利用者を獲得すれば、それだけHomeawayの掲載ホストも繁盛しやすくなるということです。
2-2.自在客(じざいけ)の手数料は?
ホスト側手数料:10%
ゲスト側手数料:0%
特徴:ホスト側の手数料はAirbnbよりずっと高いが、中国語圏のユーザーの多さは無視できない!
「中国のAirbnb(エアビーアンドビー)」と言われ、中国語圏では大きなマーケットを持つ自在客(じざいけ)。自在客は、ホスト側の手数料は10%に設定されています。月額50,000円の収入があったら5,000円を自在客に支払うということですね。
対して、ゲスト側の手数料は0%!0円です。
自在客も、ゲスト側の手数料を抑えることでゲスト登録者の人数を延ばし、それを目当てとするホストを増やそうという戦略が見えます。Airbnbのホストが自在客にも登録するケースは多く、この戦略は功を奏したと言えるでしょう。
2-3.Wimdu(ウィムドゥ)の手数料は?
ホスト側手数料:3%
ゲスト側手数料:12%
特徴:Airbnbとよく似ている。ホストとしては、ヨーロッパ市場を狙って物件登録しても損ナシ。
ヨーロッパに強い民泊サイトWimduの手数料は、どのような形になっているのでしょうか。
ホスト側の手数料は3%となっており、Airbnb(エアビーアンドビー)と同じです。ゲスト側の手数料は12%の固定で、特に中長期滞在や高額物件での宿泊の場合、ゲストはAirbnbを使うよりも多くの手数料を支払うことになりそうです。
ホストとしては、Airbnbと手数料に差がないので、ヨーロッパの人々をターゲットにWimduにも物件登録しておいても損は無いかもしれません。
2-4.Agoda(アゴダ)の手数料は?
ホスト側手数料:海外からの予約は12%。国内からの予約は9%。
ゲスト側手数料:0%
特徴:Airbnbと比べると高いが、ゲストハウスやペンションの層を取り込めるので物件登録する価値はある。
ホテルサイトなのに民泊物件の掲載をいち早く取り入れたAgoda。ユニークな経営方針のAgodaですが、手数料はどのような設定になっているのでしょうか?
ホスト側の手数料は、やはり個性的です。海外から予約が入った場合には12%を、日本国内から予約が入った場合には9%を徴収する仕組みになっています。Airbn(エアビーアンドビー)の3%と比べると手数料は高い印象となりますが、ホテルサイトとしては安価な部類。
Agodaに登録すると、ゲストハウスやペンションなどを模索していたユーザーからも予約を取れる可能性があるので、Airbnbだけでは予約が伸び悩んでいるなら、登録する価値はありそうです。
なお、Agodaをゲスト利用する際、決済の画面に進むとそれまで表示されていた宿泊施設の料金よりも10%くらい高くなった総額が表示されます。これは、Agodaが徴収する手数料ではなく、消費税やホテルのサービス料です。
2-5.Flipkey(フリップキー)の手数料は?
ホスト側手数料:年299米ドルまたは宿泊収入の3%。
ゲスト側手数料:5~10%(総宿泊費に応じて変動。高額の宿泊だと手数料は安い。)
特徴:他の民泊サイトの掛け合わせという感じ。Airbnbよりやや安いか。
ふくろうマークでおなじみのトリップアドバイザーの傘下に入ったFlipkey。Flipkeyの手数料形態は、「他の民泊サイトの掛け合わせ」といった様相になっています。
ホスト側の手数料は、年額299米ドルを支払うか、または宿泊収入の3%を支払う二択制。年間100万円以上の宿泊収益が見込めるなら、定額で299ドルを支払ったほうがお得という計算になりますが、1泊5,000円以下が主流であるホームステイ型のホストは、年間宿泊収入が100万円を超えることはまず無いでしょう。
ゲスト側の手数料は、5~10%の間で総宿泊料金に応じて変動します。Airbnb(エアビーアンドビー)と同じ仕組みですが、手数料の額がAirbnbよりやや安いです。
Airbnbと比較して、やや安くなるように設定したと見受けられますが、この程度の割安感でAirbnbの牙城を崩すのは難しいようす・・・。
2-6.HouseTrip(ハウストリップ)の手数料は?
ホスト側手数料:0%
ゲスト側手数料:15~20%
特徴:ホスト側の手数料は、なんと0%!0円!しかしゲスト側は15~20%も・・・。
HouseTripはロンドンに本拠地を置く民泊サイトで、物件数は30万軒を超える大手の1つです。スイスのローザンヌ、ポルトガルのリスボンにも拠点を持ち、ヨーロッパに強いのが特徴。
手数料に関しては、非常にユニークな戦略を取っています。なんと、ホスト側の手数料はゼロ!民泊ホストとしては、宿泊収入をそのまま懐に収めることができるのは嬉しいですね。
しかし、その代償として、ゲスト側は15~20%もの手数料を払わなければなりません。