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民泊経営で近所迷惑にならない対策方法は?-2


3 ホームステイ型の民泊に経営スタイルを変えよう!


抜本的な対策とは、民泊の経営スタイルの問題です。


3-1.民泊の形態には、「家主不在型民泊」と「ホームステイ型民泊」の2タイプがある。


民泊には、2種類のタイプがあります。1つは、昨今日本で流行っている、投機型民泊です。オーナーはお金の出資だけを行い民泊物件には住まないので、「家主不在型民泊」とも呼ばれます。もう1つは、昔から愛され続けている「ホームステイ型民泊」です。ホスト家族の住んでいる家の中の、一室や二室だけを民泊ゲストに貸し出すようなスタイルですね。「家主不在型民泊」と対をなす言い方をすれば、「家主同居型民泊」と表現されます。


3-2.「ホームステイ型民泊」では、トラブルはほとんど皆無!


ご存じでしたでしょうか?騒音やゴミ問題などのトラブルで世間をにぎわせているのは、もっぱら、「家主不在型民泊」でのことなのです。「ホームステイ型民泊」に関しては、トラブルなどほとんど起きてはいないのです。


私事で恐縮ですが、私の営む「ホームステイ型民泊」では、大きなマンションの一室というトラブルに弱い環境で行っているにも関わらず、トラブルが起きたのは、民泊ゲスト約40組中たった1組です!しかもその1件というのも、「マンション内に外国人がいる!」と騒ぎ立てた住民が居ただけでした。ゲストが何か問題を起こしたわけではなく、ただ「見慣れない外国人を見て驚いてしまった人がいた」というだけの話です。この方は管理人さんに通報をしましたが、当然、何の悪事でもないため、大事(おおごと)には発展しませんでした。


これは決して私たちの経営上手を自慢する話ではなく、「ホームステイ型民泊」を営むホストたちは誰にせよ、同じように平和な民泊ライフを送っています。「ゲストがウザい!」「汚しっぷりが酷い!」などと愚痴る人すら、まるで見かけません。


3-3.「ホストが同居している」という事実だけで、ゲストの背筋が伸びる。


なぜ、「ホームステイ型民泊」ではトラブルが起きないのでしょうか?


やはり、監視者が居るか居ないかで、民泊ゲストの心理に大きな変化があるようです。「ホームステイ型民泊」を営むホストたちは、大抵は優しく穏和な人です。特に怖い顔で注意するわけでも、無言でにらみつけるわけでもありません。貼り紙をベタベタ貼っていたりもしません。監視という行為すら特に行っているわけでもなく、ただ同じ家屋の中に住んでいるというだけで、民泊ゲストの背筋がピンと伸びるのです。ただそれだけで、ゲストが大声で呑み騒ぐようなことはしなくなりますし、ゴミを無神経に捨てるようなこともなくなります。チェックアウト後の部屋が散らかっていることなど、まず1回もありません。


また、万が一大声ではしゃぎ過ぎてしまうようなことがあっても、そばにホストがいれば、すぐに注意をすることができますね。そのためやはり、近所迷惑に発展するようなことには、ならないのです。



4 「ホームステイ型民泊」に切り替えられないなら、撤退したほうが良いかも?


トラブルの解決手段が「ホームステイ型民泊への切り替え」だと聞いて、あなたはどう思ったでしょうか?「自宅で民泊受け入れなんて、物理的に無理だよ!」と感じましたか?それとも、「朝から晩まで接客してまで民泊をやりたいとは思わないね!」と思ったでしょうか?


どちらにせよ、あなたは民泊ホストに向いていないと言えます。そして、民泊を経営し続けるのは厳しいです。


4-1.「家主不在型民泊」なら、トラブル沙汰は時間の問題。


なぜ民泊を経営し続けることが厳しいのか、その理由は簡単です。


「家主不在型」という形態の民泊ですと、どうしてもトラブルを根絶することが難しいからです。それはトピック≪近所迷惑は未然に防ごう。対策はあります!≫でお話ししましたね?半減はできても、根絶は極めて困難です。


「家主不在型民泊」でトラブルをもっと減らす方法は、あるにはあります。それは、「ゲストを徹底的に選り分ける」ということです。Airbnb(エアビーアンドビー)のリスティング(施設の詳細ページ)で禁止事項を口酸っぱく書くだけでなく、少しでも怪しい(マナーの悪そうな)ゲストからの問い合わせは、すべてお断りしてしまうようにしましょう。しかし、そうると今度は、稼働率が下がってしまいます。稼働率が70パーセントを下回るようですと、もうほとんど利益は出なくなってしまいますね。経営している意味が、なくなるのです。


理由は、まだあります。


4-2.日本政府は「家主不在型民泊」を廃止しようとしている。


この情勢はご存知だったでしょうか?民泊セミナーや民泊ノウハウサイトでは、口をつむいで説明していないことも多いので、知らないまま民泊ビジネスに参入させられてしまった人は少なくないようです。


日本政府は、枯渇している宿泊施設インフラの増強に民泊を想定していますが、それはあくまで、「ホームステイ型民泊」に過ぎません。「家主不在型民泊」だとトラブルが絶えない事実を、日本政府も把握しており、厳しい目を向けています。


2016年7月の今は、民泊法制定の過渡期で、だれもがのらりくらりと運営できている状況ではありますが、遅かれ早かれ、「家主不在型民泊」を切り落とすような法案が制定されるでしょう。たとえば、「対面でチェックイン対応できない民泊施設は違法とみなす」といった条項は、もう挙がっていますね。


どう肯定的に見ても、わざわざ数十万円も100万円も費やして起業する価値が、Airbnb(エアビーアンドビー)民泊にはもう、ありません。民泊セミナーはこれからも、「楽に儲かりますよ!」と言い続けるでしょうが、その言葉にだまされないでください。民泊セミナー業者や民泊代行業者は、各ホストに利益が出なくても、儲かる仕組みになっているのです。儲かっているのは、彼らだけなのですよ。


4-3.「ホームステイ型民泊」のあなたは、心配しなくて大丈夫。


すでに「ホームステイ型民泊」を営んでいる方や、こっちのスタイルを営んでみようと考えている方に関しては、見通しはまったく異なり、明るいです。


基本的に、一通りのトラブル対策をしているならばあまり神経質にならずとも、トラブルが起きることは少ないでしょう。起きてしまうとしても、近所迷惑に至るようなことはまずないはずです。


また、「ホームステイ型民泊」なら先行投資や維持費もほとんどかかっていないでしょうから、Airbnb(エアビーアンドビー)への世間からの風当たりが一層強くなってしまったりして稼働率が下がったとしても、大きなダメージは受けずに済むでしょう。(ただし「ホームステイ型民泊」の場合、利益もそう大きくはありません。)


そして、今は法律的にきわどい状態なのでハラハラするところではありますが、日本政府は「ホームステイ型民泊」に肯定的であり、民泊法を新たに制定してでも守ろうとしているので、未来は明るいですよ。


それでももちろん、近所迷惑になってしまわないように、また、ゲストに不快な思いをさせてしまわないように、誠実な運営を心がけ、楽しい民泊ライフを送っていきましょう。

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