3 一般民家を建築基準法に適合して民泊運営するのはムリがある!
さて、トピック≪2「用途変更」をするには、物件を建築基準法に適合させる必要がある。≫を少しでも読まれたあなたは、お気づきになられたことでしょう。そうなのです。一般的な一軒家やマンションを建築基準法に適合させて民泊運営することには、無理があるのです!
特に賃貸物件では、リフォームなんてちょっとのことですらさせてはもらえません・・・。
3-1.建築基準法に適合させるのが無理なことは、日本政府も承知している。
このように、一般的な民泊ホストやその志望者が、建築基準法に適合させながら民泊運営することが無謀なのは、日本政府も承知しています。
であれば全面的に民泊禁止にすればよさそうな気もしますが、日本政府はそうした判断は下していません。なぜなのでしょうか?
3-2.民泊が黙認される理由は大きく分けて2つ。
民泊が日本政府によって黙認されている理由は、大きく分けて2つ存在します。
(1)日本政府は、民泊をホテル不足の代替案として普及させていきたい。
(2)日本政府は、ホームステイ型の小規模民泊については、規制は必要ないと解釈している。
3-2-(1).日本政府は、民泊をホテル不足の代替案として普及させていきたい。
日本政府は、民泊ホストに頭が上がらない事情があります。
1990年代から続く長引く不況に対して、歴代の首相は経済活性を掲げて奮闘してきました。「アベノミクス」もその1つですよね。そのアベノミクスは、訪日外国人による国内消費を経済対策の大きな幹として考えています。2020年の東京オリンピック誘致もその一環ですし、その2020年までに訪日外国人観光客を年間2,000万人に増やそうと、あれやこれやとインフラ整備を進め、その成果たるや、4年も前倒しで年間2,000万人を達成してしまったほど!
しかしここで嬉しい悲鳴が上がります。想像以上に膨れ上がった訪日外国人に、泊まる場所がないのです!既存のホテルや旅館はどこも満室になり、ラブホテルがあてがわれたり国内のサラリーマンの出張宿泊者がネットカフェに追いやられたり・・・。しかし、ホテルを建設することは一朝一夕には為せませんよね。さらに、やみくもに建設しても、もし訪日外国人の増加が一過性のブームだったら・・・よく問題となっているナントカ競技場のように、採算が取れないまま廃墟と化してしまう懸念があります。
そんな難しい状況に対して、「民泊」というツールは非常に好都合なのです。日本に4,000万もある各家庭が、大した設備投資も準備期間も費やさずに宿泊施設を起業できるのですからね。
そういうわけで、日本政府は基本的に、民泊に対して寛大な目を向けています。
3-2-(2).日本政府は、ホームステイ型の小規模民泊については、規制は必要ないと解釈している。
しかし、実は訪日外国人のブームが到来する前から、民泊は日本政府に保護されてきました。その頃にはまだAirbnb(エアビーアンドビー)はありませんでしたが、農家民泊や留学生を受け入れるホストファミリーがそれにあたります。
こうした、小規模かつホームステイ型の民泊は、社会的な意義やメリットを数多く持っており、しかも大した問題も起こさずに1つの文化を築いてきました。また、留学生のホストファミリーはそう大きな収益ではありませんし、農家民泊は貧困の地方を救う経済的救世主となっています。
叩くべき要素がなく、メリットが多いということから、旅館業法や建築基準法に適合していないことを承知していながら、日本政府に保護されてきているのです。
3-3.要は、ホームステイ型民泊なら建築基準法に頭を悩ませることもない!
要は、Airbnb(エアビーアンドビー)やそれに類する近年の新型民泊においても、住居の一部を提供し人の手でもってもてなしをするいわゆる「ホームステイ型民泊」を営むなら、建築基準法に頭を悩ませる必要はないのです。
月収何十万円もの額を貪欲に稼ごうと、投機型民泊を営もうとするなら、法律の壁にジャマをされたり、資格取得のためにかえって何百万円も散財させられてしまうような目に・・・。
投機型民泊を勧める声は、日本の民泊業界(Airbnb業界)ではあちこちで聞かれますが、投機型民泊というのは民泊代行業者や建築士が儲かるだけで、各投機ホストにとって美味しいビジネスなどではないのです。
4 合法民泊を営みたいなら、もうちょっと待っていて!
さて、民泊における建築基準法について、およそどこの民泊ノウハウサイトよりも詳細に解説をしてきましたが、この話は最終的に、「青い鳥」のようにシンプルで意外な結末に到達します。
4-1.2017年に制定される「民泊新法」を待てば、リフォームなしで合法民泊!
というのも、2017年に制定が予定されている「民泊新法」を待ってから経営すれば、リフォームや確認申請にお金や労力をつぎ込んだりしなくても、合法民泊を営むことができるのです!
小難しい許可申請は必要なく、「民泊を営みます」という簡単な届け出を各自治体に提出するだけで、民泊を営むことができるようになりますよ。
4-2.とはいえ、家主不在型民泊の場合は民泊新法でもキケン!
とはいえ、家主不在型民泊については、話はそう簡単ではありません。
民泊新法において、管理者不在型民泊も建築条件的な緩和を受けますが、その代わり、「民泊施設管理者」というものを置かなければならなくなります。いわゆる民泊代行業者のようなことですが、これを雇うと収益が圧迫されてしまうという大きなネックが・・・。
さらに、「民泊の運営は年間180日未満に」という期間の規制がなされるなら、家主不在型民泊は相当苦しくなるでしょう。
新法民泊に乗っからず、従来の簡易宿所としての民泊で経営し続ける手も残されはしますが、どちらにせよ割りの良いビジネスとは言えそうもありません・・・。
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