民泊物件には一般的に自炊用キッチンがある?長期滞在に向く?-5
- acousticlife111
- 2023年12月16日
- 読了時間: 4分

5 旅行中の自炊のメリット。食費節約編。
金銭的なメリットについても、見ていきましょう。
5-1.観光地の飲食店は、値段がとても高いもの。
ご存知でしたでしょうか?いまや世界中どこでも、観光地の物価というのは、驚くほど値上がりしています。観光地の観光客用の飲食店にしか入らないなら、比較ができないために気づきにくいことなのですが、私たちよそ者は知らない間に、ずいぶん高い値段を払わされています。観光地の観光客用の店は、地元民向けの店に比べて、1.5倍くらいはします。内装や食器が高級なら、2倍以上違うこともあります。
そしてそもそも、外食というのは庶民的なものであっても、自炊よりも高いわけです。
わかりやすく例を出してみましょうか。
たとえば、シンガポールでチャーハンを食べるとします。
多くの観光旅行者が行く観光客用の店では、1食700円くらいします。
これが、地元民向けの大衆食堂なら450円くらいで食べられます。
そして、食材を買い込んで自炊するなら、100円くらいで済みます。
自炊をすれば、観光客向けの店で食べた場合の、1/7までコストカットできるのです!この差は、旅行(滞在)が長期になればなるほど、大きくなりますね!
5-2.料理ができなくても、自炊はできる。
「チャーハンすら作れないよ!」という人も、やっぱりスーパーや市場を活用しましょう。
牛丼を食べたあとのビールだって、スーパーで買ったほうが安く済みます。
パスタを食べたあとのアイスクリームだって、スーパーで買ったほうが安く済みます。
マンゴーやドラゴンフルーツ、ラズベリーといった珍しいフルーツも、スーパーで買うなら安く、お腹いっぱい食べられますよ!
5-3.食材を買うついでに、いろんなモノの物価を知ろう。お土産も安く買える!
また、スーパーに顔を出すことで、その土地の物価というものがよくわかるようになります。
お土産やさんで売られていたTシャツ、「1,000円なんて安いな!」と思っても、スーパーでは500円で売られているかもしれませんよ?
特産品の植物を使ったコスメやお香なども、スーパーに行けばお土産やさんの半額程度で買えるでしょう。
6 自炊宿の歴史。元祖は意外にも日本にあり?
最後に、自炊宿というものの歴史について、軽くお話しましょう。
あなたはきっと、日本の伝統文化の奥深さに、感心することでしょう!
6-1.自炊旅行者の味方・ユースホテルの歴史は100年ほど。
自炊宿として真っ先に思い浮かぶのは、ゲストハウスではないでしょうか?
主に旅費を節約したいバックパッカーたちをターゲットにした簡素な宿泊施設で、キッチンが宿泊者に開放されていることが多いですね。
ゲストハウスの歴史について紐解いてみても、これといって明確な説は見つけられないのですが、ゲストハウスの兄貴分のような施設であるユースホステルであれば、歴史がハッキリしています。およそ100年ほど前に、ドイツで誕生していますね。
現在世界各国にあるゲストハウスは、「若者向けの安価で簡素な宿」という点で、このユースホステルを始祖にしていると思われます。
日本においては、1951年に日本ユースホステル協会と北海道千歳市の支笏湖ユースホステルがオープンしています。
すると、「自炊宿の原点は100年前のドイツ」です。
…と思いきや、どうやらそうでもありません!
6-2.ユースホステルよりもずっと古い歴史を持つ、日本の湯治場。
湯治という言葉をご存知でしょうか?
これは日本の文化そして風物詩の1つである、温泉での滞在のことです。
しかし、単なる温泉旅行とは違うのです。
湯治の場合、「1~2泊で帰ってくる懐石料理付きの温泉旅行」ではなく、「疾病の治療を目的とした、長期的な滞在」を指します。
元来温泉とは、この湯治のことを指していたのです。会席料理付きの1泊温泉は、商売人によってコッテリと商業化されたものなのですね。
6-3.湯治場の相場は1泊2,500円程度。ゲストハウスと同じくらい。
この湯治、短くても1週間程度、長いと半年も1年も滞在することになります。すると、毎日5,000円も払って懐石料理を食べているわけにはいきません。ですから、湯治を目的とした温泉施設である「湯治場」は、料金を下げるために施設をなるだけ簡素にして
、そして炊事場を設け、滞在者に自炊をさせるのです。
2016年現在、日本の湯治場は、1泊2,500円程度で利用できるものが多いようです。ゲストハウスより少々高いですが、温泉による健康増進の作用を考えれば決して高くはないでしょう。
湯治は、現代日本ではあまり有名ではありませんが、今でもまだ日本各地に、100軒以上の湯治宿が残っています。
湯治場の明確な起源は不明ですが、鎌倉時代にはその存在が確認されています。古くは大名などの権力者による保養で、または仏教僧が健康作りと招福を目的に行っていました。
大衆に広く普及しはじめたのは、江戸時代以降のことです。
6-4.ノマドワーカーにピッタリ!?一石二鳥にも三鳥にもなる湯治場暮らし。
この記事を読んでいる方の中には、ノマドワーカーなど、様々な長期滞在地を探し、渡り歩いている方もいることでしょう。自炊機能を持つ月額6万円程度の宿泊施設を探しているなら、湯治場も面白い候補になるかもしれませんよ?
日本の雄大な自然を堪能しながら温泉で健康増進・疾病回復もはかれて、一石二鳥にも三鳥にもなりますね!
そのうちAirbnb(エアビーアンドビー)にも、湯治場が掲載されるようになるかもしれません。