
3 マナー違反を止めさせるには。
でも、あなたがアットホームな民泊を運営していても、ときにはマナーの悪いお客さんが来てしまうこともあるでしょう。また、家主不在型の投機的民泊を始めてしまったからといって、あきらめて泣き寝入りしなければというものでもありません。
自分の施設の中にマナーの悪いお客さんが来てしまったなら(しまうことを想定して)、その人たちになるべく行儀よく過ごしてもらうための対策を、考えたほうが良いですね。
このトピックではその対策について述べ、あなたのお悩みを解決していきます。
3-1.マナーについて、きちんと教えてあげよう。
中国人の非常識な振る舞いについて、ニュースやメディアは「マナー違反」とひとくくりに批判していることが多いです。けれども、必ずしも「マナー違反」とは限らないのです!
どういうことでしょうか?
たとえば、非常によく耳にする、中国人による「食べ残し」。これはどうでしょう?
日本では、友人宅でも外食でも、出された料理は、「完食すること」がマナーですよね。
食べ物に対する感謝の意味からも、「残さず食べなさい」と、幼いから教わっています。
けれども、中国のマナーは違うのです。
中国では、完食するということは、「まだ足りないよ」と感じている意思表示なのです。
中国人が客人をもてなすとき、お客さんがお皿の料理をたいらげたなら、料理を追加してあげることがマナーなのです。
それではキリがありませんから、【中国では、おなかがいっぱいになったらお皿に料理が残った状態でストップすることこそが、「良いマナー」なのです。】
中国ではそのようなマナーがあり、そのような習慣で育ってきています。
環境問題の点から言えば、むやみに食べ残すのはあまり良いやり方ではないと言えるかもしれませんが、国での文化・習慣という点は、やはり尊重し、理解を示してあげることが大切でしょう。
とにもかくにも、彼らは良かれと思って「食べ残し」している可能性があるのです。もてなす家主であるあなたがそれを不快に感じるのであれば、「日本では、完食することが礼儀です。食べ残すことは相手や食べ物に失礼だと考えるのですよ」と教えてあげましょう。
ホームステイ型の民泊で直接会話ができるなら、直接会話で教えてあげると良いです。怒るのではく、笑顔で教えてあげましょう。
家主不在型の民泊であるなら、ルールブックの中に、「日本のマナーについて」といったページを作ってあげると良いでしょう。「ですからこの家でも、注意してください。ほかのレストランや友人宅に招かれた場合でも、気をつけてください」などと書いてあげれば、あらゆる人たちにとってプラスになりますね。
彼らは「マナーを無視している」のではなく「マナーを守っている」つもりかもしれませんから、あなたの家のルールやマナーがそうではないことを、きちんと教えてあげることで、改善できるかもしれません。
マナーを超えて、【習慣として体に染み付いている部分も大きいはずなので、1度2度失敗があっても、むやみに怒らず、繰り返し指摘し、教えてあげることが大切】です。
また、「日本の文化について教えてあげる」ということは、ホームステイを営む家主にとって、責務のようなものです。それこそが役割です。
ですから、ホームステイを営みたいと考えているのであれば、むやみに怒ったり悲しんだりせず、使命感を持って、根強くレクチャーしていってあげましょう。それこそが、ホストファミリーの社会貢献です。
ホストファミリーの喜びに目覚めてくると、異文化について「教わる」だけでなく、「教える」ことについても、喜びや楽しさ、充実感を感じるようになるでしょう。
3-2.迷惑行為をされたなら、きちんと責任を取ってもらうようにしよう。
ルールやマナーを教えても、それをなかなか守ってくれないお客さんもいることでしょう。そもそもマナーを守るつもりのない、悪質なお客さんもいることでしょう。そういう場合は、どうすれば良いでしょうか?
この場合、【「責任を取らせる」という司法的な考え方をすると良い】です。
たとえばルールブックに、「カーペットをひどく汚した場合、クリーニング代として6,000円を頂きます」などと明記しておくのです。(クリーニング委託にいくらくらい掛かるか、あらかじめ調べておきましょう。カーペットや布団の場合、6,000円程度ではないかと思います。実費額より高い金額を書いておいても良いかもしれません。次のお客さんのことを考えると、クリーニングに出している暇はなく、新たに購入しなければならないかもしれませんね。)
他にも、
「トイレを酷く汚した場合、ご自身で掃除をお願いします。」
「トイレに紙以外のものを流して詰まらせた場合、修理費用を頂戴します。」
「泥酔などで吐いてしまった場合、別途清掃料金を頂戴します。」
「バスタオルなどの備品を持ち帰られた場合、盗難として警察に通報し、さらに2倍の金額をお支払い頂きます。」
といった規約も考えられますね。
3-3.Airbnb(エアビーアンドビー)の保証金制度&問題解決センターを活用しよう!
Airbnb(エアビーアンドビー)では、こうした責任トラブルの発生を見越して、対策が設けられています。1つは①「保証金の設定」。もう1つは②「問題解説センター」です。
①保証金の設定について。
Airbnb(エアビーアンドビー)のリスティングページ(物件詳細を紹介するページ)の、「料金」のところに、「保証金」という項目があります。ここには1万円、2万円といった金額が書かれていることでしょう。
この金額は何かというと、「この施設に泊まったお客さんが、何か備品を壊したり汚したりした場合の、弁償しなければならない最高金額」が書かれています。
Airbnbの家主は、この金額を自由に設定することができ、後述の「問題解決センター」を仲介することによって、問題を起こしたお客さんにこの金額を払ってもらうことができます。
あなたの民泊施設が高級品ばかり揃えているならば、この保証金の金額は、高めに設定しておいたほうが良いかもしれません。最高で、約54万円までは設定することができます。
しかし、高ければ良いというものではないのです。
この保証金の額は、お客さん側からも閲覧することができます。お客さんは泊まる施設を選ぶ際に、あまりに弁償金額が高いと怖くなって、他の施設に流れてしまうかもしれないのです。
そのため、実際に施設の中には10万のソファー、20万の洗濯機があるとしても、保証金は1~2万円程度の設定にしている家主が多いのです。
なお、この弁償金額を払うのは、Airbnbではありません。あくまでAirbnbは仲裁役に過ぎず、払うのはお客さん側です。お客さんがまかないきれない損害について、Airbnbに払ってもらう保証制度も存在はしています。「Airbnbホスト保証」というものです。
②問題解決センターについて。
Airbnb(エアビーアンドビー)の問題解決センターは、家主とお客さんとの話し合いではトラブルの解決がはかれないときに、仲裁に入ってくれる部署です。ヘルプページから「問題解決センター」と検索すれば、手続きのページにたどり着くことができます。
問題解決センターを使うことによって、あなたが保証金に設定した額以内に関しては、お客さんから確実に徴収することが可能です。お客さんのクレジットカードから、問題解決センターが強制的に徴収してくれます。
※ちなみに、問題解決センターは、問題を起こしたお客さんがチェックアウトしてから3ヶ月以内に要請をする必要があります。その期間を過ぎてしまうと、この件では要請できなくなってしまいます。気をつけてください!