2 Airbnbの家主不在型民泊に必要な費用はどれくらい?
続いては、同じAirbnb(エアビーアンドビー)でも投資家ホストによる家主不在型民泊の費用について、解説していきます。
ホームステイ型民泊のケースとうって変わって、こちらは先行費用・維持費用ともにかなりかさみ、赤字の懸念すらあるのでご注意を!
2-1.物件の工面に家具家電、リスティングの代行料・・・初期費用だけでも100万円は下らない!
家主不在型民泊の場合、物件を工面することから経費がかかります。ファミリー物件なら50万円前後、ワンルーム物件でも30万円前後は要するでしょう。
さらに、家具家電やインテリアも新たに用意する必要があります。必要なアイテムについては、≪1-1-1.ゲストルームに必要なのはこんなモノ。すでにあなたのお部屋にもあるのでは?≫および≪1-1-2.リビングやキッチンも貸し出す場所の一部。それでも今あるものでOK。≫で記述したものとほとんど同じとお考えください。これをすべて購入すると、やはり50万円くらいはかかるでしょう。
また、民泊物件の内装コーディネイトやリスティング(Airbnb上の施設の詳細ページ)の作成まで外部委託をするなら、さらに数万円が上積みされます。
総額では、100万円前後の先行費用は覚悟しなければなりません。
2-2.家主不在型民泊の赤字の元凶がコレ。家賃と民泊代行手数料が毎月経費を圧迫!
家主不在型民泊の場合、さらに毎月の維持費用も大きくかさみます。
家賃が毎月掛かり続けるのは、言うまでもありませんよね。さらに、民泊代行業者に業務を委託しないとルームメイクなどが回らないでしょうから、これも毎月必須となります。この民泊代行費用は、一般的に月額宿泊収入の30%程度に設定されています。
物件家賃も代行費用も、どちらも毎月数万円は掛かるものです。
さらに、光熱費や通信費、消耗品の買い足し費もかかります。家主不在型民泊の場合、シャンプーなどのアメニティグッズを高価な使い切り品で提供するのが主流であるため、この費用もバカにはなりません。
2-3.要注意!月額15万円程度の民泊収入では赤字になってしまう!
家主不在型民泊の場合、起業は慎重に判断してください!
というのも、家賃や代行手数料をはじめとして月額経費は大きくかさむため、民泊収入が月額15万円程度では赤字に陥ってしまうのです。1泊1万円で15日埋まっても15万円にしかならない計算で、日本の平均稼働率が15日/月 程度なので、かなり高い確率で赤字に陥ってしまう計算・・・。また、数万円程度黒字になったところで、先行費用の100万円を返済することを考えると、まともな利益を上げるための道のりは、思いのほか遠くなりそう・・・。
3 留学生受け入れホストファミリーに必要な費用はどれくらい?
留学生を受け入れるタイプのホストファミリーでは、費用はどれくらい掛かるのでしょうか?
3-1.Airbnb民泊と同様、寝室が1つあるならほとんど先行費用はかからない。
先行費用に関しては、Airbnb(エアビーアンドビー)のホームステイ型民泊とほぼ同じことが言えます。
3-1-1.寝室の内容は、今ある家具家電・インテリアで充分。
あなたの家に、以前誰かが使っていた部屋と家具家電があるなら、買い足すべきものはほとんどないでしょう。また、お子さんと同性の留学生を受け入れるなら、お子さんの部屋をルームシェアする受け入れ方でもOKなケースがあります。
3-1-2.仲介手数料も徴収していない機関が多い。
留学生を受け入れるホストファミリーは、大学などの教育機関か、または非営利のホストファミリー協会のようなものに登録してマッチングをしてもらうのが主流です。
この際の登録料金や仲介料金のようなものも、教育機関/ホストファミリー協会いずれにせよ、徴収していないことがほとんどでしょう。
3-2.食事の提供は1日に何回?契約プランによって毎月の経費は変動。
維持費については、Airbnb(エアビーアンドビー)のホームステイ型民泊と同様というわけにはいきません。
主な要因としては、留学生向けホストファミリーの場合、食事の提供が必須となるためです。留学生のぶんの食材費が、一日に数百円ずつくらいは掛かってきます。すると1カ月で1.5万円くらいにはなるでしょうか。また、お弁当が作れない日の購入代金を負担しなければならないケースもありますし、休日の外食費を負担することが、少なからずはあるでしょう。
総額として、毎月2~3万円くらいは留学生のための経費となりそうです。
3-3.交換留学生の場合は要注意!悲鳴をあげたくなるほど費用がかさんでしまう事例も・・・。
留学生受け入れのホストファミリーには、「交換留学」という形態があります。これは、あなたの家のお子さんを先方の家庭にホームステイさせてもらう代わりに、あなたも先方のお子さんを受け入れるというもの。
この交換留学、あなたのお子さんのホームステイ費用を払わなくて済む反面、先方のお子さんのほとんどの滞在費用は、あなたの家庭が工面しなければなりません。
必要経費としては、上記トピックで解説したように食費が月額2~3万円上乗せさせる程度なのですが、実情として、通常の留学生受け入れに比べて休日レジャーに連れていく機会が増えてしまうようです。この際の費用もホストファミリーが負担しなければならず、毎月のように数万円を要してしまい、青ざめてしまうホストファミリーが少なくありません・・・。
対策としては、留学生におねだりされても「うちは家計が裕福ではないからおごりでのレジャーは頻繁にはできないわ」とハッキリ断ることです。(外国人に対しては、言葉をにごさずハッキリ伝えましょう!)その代わり、あなたのお子さんもまた、先方の家庭にレジャーをおねだりすることは控えましょう。
4 農家民泊のホストファミリーに必要な経費はどれくらい?
最後は、農家民泊の経費について、解説します。
4-1.農家民泊の初期費用は、地域団体の決まりによって大きく変動。
農家民泊の場合も、ゲストルームの準備に関してはAirbnb(エアビーアンドビー)のホームステイ型民泊や留学生ホストファミリーと変わりません。すでに家に備わっている標準的な家具家電で充分です。
ただし、農家民泊の場合、なんらかの認可を取得しなければならないケースが多く、ここに発生してくる費用にご注意ください。
農家民泊は一般的に、地域の農家民泊団体のようなものが取り仕切り、認定を行っています。この認定基準は団体よってまちまちですが、旅館業法の認可と同等な条件を課される場合、ちょっとしたリフォームに数十万~数百万円を要することも。大抵の場合は、安全努力の徹底さえすれば設備的な(大金の掛かる)条件を課されることは少ないでしょう。
4-2.毎月の経費は心配無用。宿泊収入で相殺できるものばかりなので赤字にはならない。
農家民泊のホストファミリーにおける毎月の維持経費は、あまり心配する必要はありません。
民泊ゲストにもてなす食事の費用や上増しされる光熱費などは、宿泊料金で簡単にまかなうことができるでしょう。一般的に農家民泊は、Airbnb(エアビーアンドビー)民泊や留学生ホームステイに比べて客単価が高く、また定額の費用を徴収する機関も存在しないため、維持費がかさんで赤字になるようなことはありません。