3 具体的にはこうやろう。プライバシーへの配慮の仕方。(日本人編)
次は、日本人ゲストを受け入れる際のプライバシーの配慮の手引きを解説していきます。
3-1.リビングでの「シェアルーム」はNGと考えて。
Airbnb(エアビーアンドビー)では、空いている個室がなくても民泊ホストを行うことが可能です。リビングにソファーベッドを置いて、そこに眠ってもらうやり方で受け入れているホストもいるのです。
たしかに外国人ゲストには、こうしたプライバシーのまるでない環境でも気にしない人が少なくありませんが、日本人ゲストには少々厳しいものだと考えてください。もちろん、日本人のゲスト利用者の中にもリビング泊をいとわない人はいますが、このやり方では多くの日本人ゲストに選んでもらうことは厳しいでしょう。
3-2.大音量の音楽鑑賞やDVD鑑賞が好きなら、日本人ゲスト滞在中は控えよう。
日本人は、普段から非常に静かな環境で暮らしている人が多いです。そのため、隣の部屋から聞こえてくる雑音に対して、とても敏感。この繊細さは、外国人の比ではありませんん。
もしホスト家族の誰かが、大音量で音楽を聞いたり大迫力のホームシアターでDVD鑑賞したりする趣味を持っているなら、日本人ゲストの受け入れ中は控えるか、音量調節には慎重になりましょう。重低音だけがズンズン響くような音楽(動画)も同様です。
3-3.客室には立ち入らないようにしよう。
日本人は、自分のプライベート空間を見られることを嫌う傾向にあります。他人の家に泊まっている際も、自分が散らかした部屋を見られることを恥ずかしがります。
そのため、ゲストが日本人である場合、客室にはなるべく立ち入らないように気をつけてください。あなたが「3日おきにシーツ交換と清掃をしている」といったルールを設けているとしても、それを実行する際にはゲストに許可を請うべきです。シーツがシワになっていくことよりも、ホストに立ち入られることのほうがイヤだと感じる日本人ゲストは多いでしょう。
この場合、バスタオルを客室のドアの前に置いておいたり、「シーツを交換してほしいときは声をかけてくださいね」とゲストのペースを尊重するようにしたり、ゲストへの言伝・質問はメモを書いてドアに貼っておいたりすると良いです。おしゃべりや交流をするのも、客室ではなくリビングやホスト家族の寝室で行いましょう。
3-4.乳幼児が居るなら、リスティングに書くだけでなく問い合わせ時にも念押しを。
「保育園の喧噪でクレーム」というニュースが世間を賑わせたのは記憶に新しいですが、日本人には実際のところ、乳幼児のドタバタをストレスに感じる人が多いです。
もしあなたの家庭に小さなお子さんが居るなら、Airbnb(エアビーアンドビー)のリスティング(施設の詳細ページ)にその旨を記載するだけでなく、問い合わせをもらった際にも、「うちは小さな子供がいて騒がしいですが、大丈夫ですか?」と念押しをしてあげましょう。
3-5.室内ペットも嫌がる人は多い。やはり問い合わせ時に念押しを。
室内ペットに関しては、喜ぶ人と嫌がる人の差がとても大きいのが日本人です。
特に犬の場合、キャンキャンという鳴き声にプライベートを乱されると感じて嫌悪したり、眠りを妨げられて不快になる人が少なくありません。
室内ペットを飼っている場合もやはり、Airbnb(エアビーアンドビー)のリスティング(施設の詳細ページ)にその旨を記載するだけでなく、問い合わせをもらったときに念押しをしましょう。犬など鳴き声の大きなペットなら、外で飼っている場合も配慮すべきです。
3-6.日本人のゲストには、交流を好まない内向的な人も多い。
外国人ゲストの場合、もっぱら「民泊」という温かみのある環境を好んで泊まっている人が多いです。そのため、何か会話を振ってあげればとても喜ぶか、そうでなくても愛想よく対応してくれる人は多いでしょう。
しかし日本人ゲストの場合、民泊特有の交流を求めずに民泊をする人が少なくありません。宿泊代金を浮かせるためだったり、目当てのイベント会場に近いためだったり、出張先に近いためであったりするのです。
ですから、深く・長く会話をするか否かは、ゲストの様子をみながらケースバイケースで判断してあげてください。
4 民泊ゲストとの距離感を上手くつかむ3つのコツ。
冒頭で述べたように、民泊のゲスト・ホストとの距離感を上手く掴めずに苦労やストレスを過剰に背負ってしまう人が、日本人には多いです。これは、これまでの生活環境・生活習慣によるもの(共同生活に慣れているかどうか)で、言葉でアドバイスを聞いてすんなり改善できるものではないでしょう。
何か、距離感を掴むコツはないのでしょうか?
4-1.外国人の感覚や民泊愛好者の感覚を掴みたいなら、外国のゲストハウスに泊まってみよう。
最もオススメなエクササイズは、ゲストハウスに泊まってみることです。それも、できれば外国のゲストハウスが理想的。
それにより、(民泊を好む)外国の一般的な旅行者がどのような感覚をしているか、たくさんの事例を一度に見ることができます。「これくらい物音がしていても気にしてない人が多いな」「これくらい汚れていても気にしていない人が多いな」「こんなに気安く赤の他人と談笑するんだな」といった姿を学習すると、民泊ホスティングに活かせるはず。
4-2.ゲストハウスに抵抗があるなら、外国の民泊に泊まってみよう。
特に年配の方や女性の方など、ゲストハウス泊には抵抗が大きすぎる人もいるでしょうか。その場合は、外国の民泊をゲスト利用してみることをオススメします。
民泊であればゲストハウスほど人口密度は高くなく、また、あなたに対するケアも充実します。プライバシーも多く保たれるでしょう。その中で、民泊特有の距離感を体験し、ホストの自然体な振る舞いを観察することができます。
4-3.民泊のゲスト利用にも抵抗があるなら、ペンションに泊まってみよう。
「民泊ホストをやってみたい気持ちは強いが、民泊で泊まるのはキツい・・・」と感じてしまうなら、ペンション泊を重ねてみてください。
ペンションは一般的に、プライバシーがホテル並みに非常にしっかりしています。カギもかかりますし、浴室が共同ということはまずありません。しかしペンションの経営者は、民泊のホストと同じように人懐こい人が多く、あなたが話しかければ民泊と同じような交流を得ることができるでしょう。
また、生活とホスティングが一体化している点もペンションは民泊に酷似しており、ペンションオーナーの振る舞いを観察することは、民泊ホストの振る舞いを知るうえでかなり参考になるはずです。