世界中にちょっとしたムーヴメントを巻き起こしたAirbnb(エアビーアンドビー)民泊がイマイチ日本で流行らない(ゲスト利用をする日本人が少ない)理由は、「他者との距離感」の掴み方が上手ではない人が、日本人には多いためでしょう。
民泊は本来、とてもシンプルでラクなものですが、他者との距離感の掴み方が上手でない人にとっては、無用に難しく感じてしまいますし、ストレスを感じてしまうものなのです。
いわゆるプライバシーについて、ホストのプライバシー、ゲストのプライバシーいずれをもバランスよく確保できるようになったなら、民泊で感じるストレスは大きく緩和され、民泊ライフはさらに楽しいものとなるでしょう。
プライバシーのバランスは、どのようにして取ればよいのでしょうか?
1 日本人と外国人とでは、プライバシーへの感じ方がけっこう違う!
民泊におけるプライバシーを語るうえで、まず最初にフォーカスしたいことは、日本人と外国人とでプライバシーへの感じ方が違うということです。民泊をホストとして楽しむ場合もゲストとして活用する場合も、このことは頭に入れておいたほうが良いでしょう。
1-1.外国人はあなたほどプライバシーを気にしていない。
日本人はよく、「どう見られるかを気にする人種」と言われます。人前か否かで言動の内容が大きく変わったり、来客のあるときだけ家を綺麗に掃除するような人が多いのです。
そのため日本人の中には、「自分だけの空間・時間を確保したい」と願う人がとても多く、転じて、「他者も自分だけの空間・時間を欲しているにちがいない」と考える人が多くなります。
しかし、基本的に外国人はどの国の人も、日本人ほどプライバシーを気にしてはいません。
これは、発展途上国の人々だけでなく、アメリカやヨーロッパなど先進国の人々についても同様です。
1-2.欧米人は、若い女性でも平気でゲストハウスのドミトリーに泊まる。
日本では、若い女性でさえも4ツ星、5ツ星のホテルに泊まるのが当たり前ですが、欧米人の女性はもっとずっとタフ。相部屋しか持たないゲストハウスに泊まる若い女性も多いことを、ご存じでしたか?
彼女たちは、見知らぬ男性と同室になることをためらいませんし、それどころか自分のベッドの手すりに下着を干したり、部屋の中で水着に着替えたりします。また、バックパックから取り出した衣服やコスメでベッドの周りが取っ散らかっていても(それを見られても)、さっぱり気にしません。
もちろん、すべての欧米人女性がこうであるというわけではありませんが、こうした女性が多いです。可愛らしいワンピースを着ているお嬢様のような人であっても、です。
1-3.外国人の家に泊まる/外国人を家に泊めるなら、プライバシーに対してもっと鈍感でも良いかも。
つまり、あなたが外国人の家に民泊をするのであっても、外国人をあなたの家に民泊させるのであっても、プライバシーに関してはもっと鈍感であっても良いかもしれません。
1-4.日本人のゲストを多く受け入れたいなら、プライバシーへの配慮は強めに!
民泊を営んでいる人の中には、外国人のそうしたラフなプライバシー感覚を肌で理解している人も少なくないでしょう。そしてあまり神経質にならずにゲストを受け入れているかもしれませんが、もし日本人のゲストを多く受け入れたいと願っているなら、少し慎重になってください。
あなたがこれまで接してきた外国人民泊愛好者に比べて、日本人ゲストはもっと繊細だと考えましょう。
2 具体的にはこうやろう。プライバシーへの配慮の仕方。(外国人編)
では次は、プライバシーへの配慮の仕方を具体的に、民泊受け入れの中でどう実践すれば良いか、それを解説していきます。まずは外国人ゲスト編から。
2-1.相手のプロフィールについてはなんでも尋ねてOK。
日本人は、女性の年齢を聞かないようにしたり、他者の職業を聞くことを失礼だと感じたりする傾向にあります。結婚/未婚やその理由についてもそうですよね。
しかし民泊で交流する外国人ゲストに対しては、そうしたためらいは不要と考えましょう。「失礼かもしれないから」と考えて口を閉ざすよりも、多少の失礼があろうと質問や会話を重ねていくほうが、相手は喜ぶはずです。
もし、どうしてもデリケートな質問に気後れしてしまうなら、「ベルギーの女性は一般的に、30歳くらいだと結婚している人は多いの?」というように一般論として尋ねてみると良いでしょう。
2-2.ノックさえすれば、ゲストの部屋を覗いたり入ったりしてもOK。
日本人は、他者の寝室やキッチン、冷蔵庫などを覗くことを失礼だと考えますが、外国人はこれらをあまり気にしていない人が多いです。
民泊のゲストは、あなたの家の客室に、スーツケースの中の荷物を思い切り並べ散らかしているかもしれませんが、それをホストファミリーに見られることをあまり気にしないでしょう。ですから、用事があるならどんどん、客室をノックして大丈夫です。「リビングに出てきたときに用事を伝えればいいや」などと消極的になる必要はありません。
2-3.客室にもバスルームにもカギは必要ない。
日本人は、宿泊施設に泊まる際、客室やバスルームにカギが掛かるか否かを気にする人が少なくありません。しかし、およそ日本人以外の人々は、こうしたことをあまり気にしてはいないようです。
「民泊を営んでみたいけどウチの寝室や浴室はカギが掛からないし・・・」などとためらっているなら、気にせず民泊受け入れを始めてみましょう。
2-4.むやみに小声にならなくて大丈夫。
日本人は、来客があれば静かに過ごさなければならないと考える傾向にありますし、わが子に「おとなしくしなさい」と注意したりします。
しかし、外国人ゲストはあまり、家の中の物音を気にしないでしょう。子供たちがハシャいでいてもクレームにはなりませんし、きょうだいゲンカや親子ゲンカを見せてしまうことがあっても、大丈夫です。
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