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民泊が禁止されているケース-3


3 「用途地域」が旅館業の適用範囲だと、民泊も禁止されてしまう!


「用途地域」という言葉をご存じですか?町の景観や住みやすさを守るために、地域ごとに建てても良い建築物を決めている法律です。民泊は、「ホテル・旅館」の認められた地域以外では、営業が禁止されています。


マンションの規制や自治体の規制に比べて、あまり話題に上がらないのですが、これもなかなか厄介な民泊規制事項ですよ!


3-1.「用途地域」は12種類。そのうち民泊OKなのは6種類。


「用途地域」は12種類に区分されており、そのうち民泊が許可されるのは6区域。残りの6地区域は民泊は禁止されています。数字の前に「OK」がついた区域では、民泊経営が可能です。


禁止(1)第一種低層住居専用地域

禁止(2)第二種低層住居専用地域

禁止(3)第一種中高層住居専用地域

禁止(4)第二種中高層住居専用地域

OK(5)第一種住居地域

OK(6)第二種住居地域

OK(7)準住居地域

OK(8)近隣商業地域

OK(9)商業地域

OK(10)準工業地域

禁止(11)工業地域

禁止(12)工業専用地域


それぞれの区域の特徴を、詳しく説明します。あなたのお住まいはどの区域でしょうか?


3-1-(1).第一種低層住居専用地域。民泊×。


低層住宅の良好な住環境を守ることを目的とした地域。床面積の合計が50㎡までの住宅兼用店舗や、小規模な公共施設、小中学校、診療所などを建てることができます。


具体的に説明すると、2階建て程度の戸建て住宅やアパート主体の住宅地がこれに該当。通常はコンビニも建てられません。日用品・日常生活のための小規模な店舗兼住宅が点在する程度の地域。


3-1-(2).第二種低層住居専用地域。民泊×。


主に低層住宅の良好な住環境を守ることを目的とした地域。「主に」であるため第一種低層住居専用地域よりは大きな施設も許可され、床面積の合計が150㎡までの一定条件の店舗などが建てられています。


具体的に説明すると、第一種低層住宅専用地域の内容に加え、コンビニなどの小規模な店舗などが見られる地域。


3-1-(3).第一種中高層住居専用地域。民泊×。


中高層住宅の良好な住環境を守ることを目的とした地域。床面積の合計が500㎡未満かつ一定の条件の店舗などが建てられます。中規模な公共施設、病院、大学なども可能。


具体的に説明すると、3階建て以上のアパートやマンションの見られる住宅街など。このエリアだと店舗が目立つようになってくるでしょう。「中高層住居専用」と言っても低層住宅も建っています。


3-1-(4).第二種中高層住居専用地域。民泊×。


主に、中高層住宅の良好な住環境を守ることを目的とした地域。延べ床面積1,500㎡未満かつ一定条件の店舗や事務所などが建てられます。


具体的に説明すると、 第一種中高層住居専用地域の内容に加えて、小規模のスーパーや、その他やや広めの店舗・事務所などが可能。


1,500㎡の施設といえばかなり大きいですが、ここでもまだ民泊は禁止!


3-1-(5).第一種住居地域。民泊〇。


住居の環境を保護することを目的とした地域。延べ床面積3,000㎡未満かつ一定条件の店舗・事務所・ホテルなどに加え、環境への影響のごく小さい小規模な工場が建てられます。


具体的に説明すると、中規模のスーパー、小規模のホテル、中小規模の運動施設、その他中小規模の事務所・店舗などが可能。


3-1-(6).第二種住居地域。民泊〇。


主に、住居の環境を保護することを目的とした地域。延べ床面積10,000㎡未満かつ一定条件の店舗・事務所にくわえ、ホテル・パチンコ・カラオケボックスなど騒音の大きめな施設、環境への影響の小さなごく小規模の工場が建てられます。


具体的に説明すると、郊外の駅前や幹線道路沿いなどが多く該当。アパートやマンションなどが立ち並び、大きめのスーパーや商業店舗、事務所などがみられるところ。


3-1-(7).準住居地域。民泊〇


道路の沿道などにおいて、自動車関連施設などと住居との調和した環境を目的とした地域。

10,000㎡未満かつ一定条件の店舗・事務所・パチンコ屋・ホテル・カラオケボックスなどや、小規模の映画館、倉庫・車庫、環境影響の小さいごく小規模工場も建てられます。


具体的に説明すると、国道や幹線道路沿いなどで、宅配業者や小規模な倉庫が点在するような地域のこと。


3-1-(8).近隣商業地域。民泊〇。


近隣住民に日用品の買い物利用をされる店舗などの、業務利便性の増進を目的とした地域。ほとんどすべての商業施設・事務所のほか、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックスなど、さらには映画館・車庫・倉庫・小規模の工場も可能。延べ床面積の規制がないため、中規模以上の建物も建ちます。


具体的な説明をすると、駅前商店街などが該当。


3-1-(9).商業地域。民泊〇。


主に商業などの業務利便性の向上を目的とした地域。ほとんどの商業施設・事務所、住宅、車庫・倉庫、小規模工場のほか、広義での風俗関連施設も許可されています。延べ床面積の規制がなく容積率限度も高いため、高層ビルも可能。


具体的に説明すると、東京の歌舞伎町、大阪のキタやミナミ、名古屋の栄といった都心部の繁華街や、東京大手町、大阪駅前、名古屋駅前のようなオフィスビル街などが該当。


3-1-(10).準工業地域。民泊〇。


主に軽工業の工場など、環境悪化のおそれのない工場の利便を目的とした地域。住宅や商店も建てることは可能。


3-1-(11).工業地域。民泊×。


主に工業の利便の増進を目的とした地域。どんな工場も建てられ、住宅や店舗も建てられますが、学校・病院・ホテルはダメ。


3-1-(12).工業業務の利便性増進を目的とした地域。どんな工場でも建てられる反面、住宅・販売店舗・飲食店・学校・病院・ホテルなどは不可。「〇〇工業地帯」と言われるようなところ。


3-2.住んでいる地域の用途地域、どうやって調べる?インターネットで簡単に。


では、あなたの住んでいる地域の用途地域を調べるにはどうすれば良いのでしょうか?


最も手っ取り早い方法としては、インターネットで「〇〇市 用途地域」または「〇〇市 都市計画図」などと検索してみましょう。地図が出てくるはず。


自力での検索が困難な場合、お住まいの行政に問い合わせてみてください。


3-3.用途地域に関する制約は、民泊新法が施行されればガラリと変わる!


ただしこの用途区域に関する制約、2017年中には意味をなさないものになってしまいそう。


というのも、2017年に制定が予定されている「民泊新法」では、用途地域の制限を受けずに合法民泊が経営できるようになるため。用途地域の問題がネックで民泊計画が停滞しているなら、民泊新法の施行を待ちましょう。

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