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民泊が禁止されているケース-1

  • acousticlife111
  • 2023年12月16日
  • 読了時間: 7分


2016年末に統計を掛けてみると、ここ1年の間で東京のAirbnb(エアビーアンドビー)物件は2倍に増えたことがわかりました。5月頃に一度減少に転じましたが、結局は増加ラインを続けているようですね。2016年は、4月に民泊での旅館業法(簡易宿所)の許可ハードルが下がり、大阪や北九州市と、民泊特区を解禁する地域も増えています。


しかしそれと当時に、民泊を禁止する地域も増え、禁止とまではいかなくても、取り締まりを厳重にする地域も増えていて・・・。


どのようなケースで民泊が禁止されるか、あなたは知っていますか?



1 実はマンションは、禁止されているところがほとんど!


実のところ、日本では民泊が許可されているところってそう多くはありません。というのも、マンションの多くは民泊での又貸しが禁止されているから!


え?「うちのマンションの掲示板にはそんな貼り紙していない」って?


貼り紙の問題ではないのです!


1-1.マンションの基本法「賃貸借契約」で又貸しが禁止されている!


マンションを借りるときに、六法全書みたいに長くてややこしい法律書類にサインをさせられますよね?あれが賃貸借契約書。こうした書類にすべて目を通す人などまず居はしませんが、実はこの法律の中で、マンション物件の「又貸し」を禁止しています。


いや?私、賃貸借契約書を読んでみたけど、「又貸し禁止」って書いてなかったよ?


残念!それでもダメなんです。


1-2.賃貸借契約書に「又貸し禁止」と書いてないとしても、民泊は禁止!


賃貸借契約書に「又貸し禁止」といった旨のことが書いていないとしても、それでも民泊は禁止なのです。というのも、マンション賃貸物件の基礎的な法令の中に、「又貸し禁止」の内容が組み込まれているから。これは、不動産オーナーの権利を守るために保証されているものなんですね。


賃貸借契約書に「又貸ししても良い」とハッキリ明記されているなら、民泊に使っても大丈夫・・・かと思いきや、そう甘くはありません!


1-3.又貸しOKのオーナーの物件であっても、購入マンションであっても、「管理規約」で禁止されていればやっぱり民泊は禁止!


「又貸しOK」と賃貸借契約書に書かれているとしても、今度は別のカベが立ちはだかります。「私は賃貸じゃなくて分譲(購入)だから」という人も、そのもう一つのカベが問題に!


というのも、「マンション管理規約」というもう一つのマンションの基礎的な法令の中で、「住居以外の使用法」を禁止しているため。


この「住居以外の使用法」に民泊が該当するか否かはシロクロはっきりしないところなのでが、一般的に、各マンションの管理組合が「該当とみなすから民泊は禁止」と判断するなら、民泊は禁止となってしまうと考えてください。


1-4.ホームステイ型の民泊なら営めるかも?


ただし、ホームステイ型の民泊であれば風向きは少し違ってきます。


ホームステイ型民泊の代名詞とも言える留学生をもてなすタイプの民泊(いわゆる「ホームステイ」)は、昔からマンションでも容認されてきました。


留学生ホームテイのホストファミリーがマンションの管理組合やオーナーから追い出されるようなことはほとんど実例がなく、煙たい顔をされるどころか、「良い取り組みですね」と称賛されることすら多いほど。


禁止や批判などの風当たりが強いのは、Airbnb(エアビーアンドビー)の流行とともに台頭してきた「家主不在型民泊」「投機型民泊」「ビジネス民泊」と言われるようなものについてなんですね。


1-5.要は、「迷惑をかけるかどうか」の問題だったりする・・・。


実のところ、近年Airbnb(エアビーアンドビー)民泊関連の報道で騒がれるまでは、マンションで民泊のような行為が禁止であることなど、ほとんどの人たちは知りませんでした。「民泊=即規制」という風潮でもないのです。


ここ数年で日本に起こっている流れは、もっぱらこのような感じ。


家主不在型民泊で騒音やゴミなどのトラブルが起こり、近隣住民が迷惑をこうむった。→

何があったの?調べてみたらどうやら民泊をやっているようだ。→あの迷惑をやめさせる方法はないの?調べてみたら管理規約で又貸しは禁止されている。→法律を盾にして民泊とやらを禁止させよう!


どこのマンションも大体このような感じで、民泊を営んでいてもマンション住民に迷惑がかかっていないなら、大した騒ぎにも禁止にもなっていないところがもっぱら。


1-6.賃貸借契約書を覆して民泊経営する道はある!


マンションのこうした民泊禁止法令。おとなしく屈するしかないのでしょうか?


いいえ、そんなことはありません。


取り組み次第では、民泊許可をこぎつけられる可能性はあります!


1-6-1.賃貸借契約書の場合、要は賃貸オーナーの許可を得られるかどうか。


この賃貸借契約の場合、難しい法律が並んだものではありますが、要は賃貸オーナーの権利と希望を代弁したものにすぎません。そのため、賃貸オーナーに「民泊に使ってもいいよ」と言ってもらえさえすれば、禁止ではなくなるのです。


1-6-2.賃貸オーナーに相談をしてみよう!


では、賃貸オーナーに承諾をもらうにはどうすれば良いか?


答えはシンプルです。賃貸オーナーに相談とお願いをしてみましょう!


賃貸オーナーの中には、又貸し(民泊)に対して特にこだわりを持っていない人もいますから、お願いさえしてみれば、案外すんなりOKをもらえることも。


1-6-3.賃貸オーナーが渋るなら、家賃や敷金アップも打診してみよう。


賃貸オーナーが又貸しを渋る理由は、主に「物件が傷つくから」です。又貸しによって不特定多数の出入りが増えると、それだけ汚破損に遭う可能性も高まりますからね。


そのため、「家賃を今より2割多く払います!」「敷金を1ヵ月分多く払います!」などと保険をかけてあげれば、禁止を解いてくれる確率は上がります。


もちろん、「汚破損を防ぐための民泊ルール10か条」など定めてプレゼンテーションしたりすることもとても有効!


1-6-4.今の賃貸オーナーが禁止を貫くなら、借り換えるのも手。


Airbnb(エアビーアンドビー)民泊の盛況っぷりにより、又貸しを許可する賃貸オーナーはとても増えてきました。そのため、あなたの賃貸オーナーが禁止を譲らないとしても、民泊OK物件を探すこと自体はそう難しくありません。もちろん、定住している場合には引っ越しなどの苦労を伴いますし、新しい民泊OKの賃貸においても、管理規約など他のハードルもクリアしなければなりませんが・・・。


ちなみに、賃貸オーナーが民泊経営に承諾している物件は、「民泊許可物件」と呼ばれています。この言葉でインターネット検索を掛ければ、民泊許可物件ばかりを集めた不動産サイトを見つけられるでしょう。


1-7.管理規約を覆して民泊経営する道もある!


次はマンション管理規約からの「民泊禁止」を覆す道についてです。


1-7-1.管理規約の問題も、住民たちの考え次第で許可は下りる。


マンション管理規約には「住宅目的以外の使用を禁止する」旨が書かれているのですが、この法令が絶対というわけでもないのです。規約そのものを書き換えたりしなくても、マンション住民たちが承諾さえしてくれれば、民泊経営ができる可能性はありますね。


1-7-2.管理人さんに相談し、理事会の議題にかけてもらおう。


まずは、管理人さんに相談してみるのがベター。マンション自治会長さんなどより管理人さんのほうが、客観的・冷静な立場で話を聞いてくれる確率が高いです。


管理人さに相談し、マンション理事会や総会の議題にかけてもらいましょう。この際も、「なるべく住民に迷惑を掛けないよう配慮します。」「トラブルを防ぐ10カ条を作りました。」などとプレゼンすれば、何かしらの条件付きではあれど、承諾してくれる可能性はありますよ。


1-7-3.管理規約改定の必要性が出てくると、ハードルは高い!


掛け合ったのち、「マンション管理規約を改定する必要があるので正式に議会に掛けます」といった判断が下された場合、かなりハードルが上がります。


この場合、組員(住民)の3/4以上の賛成を得なくてはなりません。民泊にこだわりのない住民の多いマンションならあっさり通ることもありますが、昨今の民泊トラブル報道に敏感な人が多いなら、多数の禁止票が入ってしまうかも・・・。

 
 
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