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民泊が人気の理由とは? -2


2 Airbnbはホームステイ体験の敷居を下げた功労者!


海外旅行において、ホームステイというアクティビティは、昔からありました。どこの旅行会社もホームステイのファミリーと結びつきを持っていて、そうした宿泊施設をあっせんしていました。それなのにAirbnb(エアビーアンドビー)はなぜ流行ったのでしょうか?それは、値段の安さです!


2-1.ホームステイ体験を1泊10,000円から2,000円に引き下げた!


これまでホームステイ泊は、1泊10,000円もするような高級品でした。もちろんホストの家はお金持ちの大きな家で、オシャレさも快適さも折り紙つきではあります。しかしAirbnb(エアビーアンドビー)は、「一般的な家庭」の雰囲気を、わずか2,000円で提供しはじめたのです!従来の1/5です!


「JALじゃなくてエアアジア(LCC・格安航空会社)で充分だよ!」と感じた旅行者が大半であったように、ホームステイ泊に興味のあった人々にとっても、一般的な家庭環境がそろっていれば、それで充分だったのですね。


ではなぜ、Airbnbは10,000円だったものを2,000円に価格破壊できたのでしょうか?違います!価格破壊を起こしたのはAirbnb社ではなく、登録しているホストたちだったのです!


2-2.「無料でも旅行者を泊めたい」と考える優しく人懐こい人が多かった。


日本では、「楽して儲けてやれ!」と鼻息荒くする人がホストの大半を占めるのですが、草創期のAirbnb(エアビーアンドビー)のホストたちはそうではなかったのです。ホスト自身もまた、ゲストとの国際交流を愛してやまないような人たちばかりで、趣味半分、ボランティア半分のような感覚で、旅行者をもてなしはじめたのです。


Airbnb人気の火付け役は、「良心的なホストたち」だったのですね。


2-3.Airbnbの祖先はカウチサーフィンと言える。


これらのホストの多くは、「カウチサーフィン」から流れてきています。カウチサーフィンをご存じでしょうか?日本ではあまり知られていませんが、21世紀初頭の海外旅行文化を代表するようなカルチャーです。旅行者たちが、互いが互いを無償で家に泊め合うインターネットコンテンツです。


もともと1銭ももらわずに見知らぬ旅行者を泊め、さらに朝食や夕食までサービスしていたような人々ですから、1泊2,000円でも「大きな収入」と感じるわけですね。彼らにとってはそれで充分なのです。


「お金を得るために部屋を貸している日本人(投機型ホスト)。」

「対価がもらえなかろうと旅行者をもてなしたい欧米人(カウチサーフィン出身者)。」


同じAirbnb(エアビーアンドビー)という箱庭の中に、まるで正反対なほどに異なる人種が混在しているのです!


2-4.「カウチサーフィン派」から「お手軽ホスト派」「節約泊派」へのすそ野拡大。


そうしてカウチサーフィン出身者を中心に、Airbnb(エアビーアンドビー)は人気拡大と市場成長を続けました。


するとあちこちでAirbnb民泊に関する噂やニュースが飛び交うようになります。それらは伝言ゲームのように少しずつ内容や解釈が変わっていき、「Airbnbっていうのは一般人でもお金儲けができるらしいぞ。」「Airbnbだとすごく安い値段で宿泊施設が見つかるらしいよ。」と、「Airbnbの特徴として間違ってはいないけれど正確でもない」ウワサを聞きつけた第二派が、Airbnbのすそ野をさらに広げていきました。


2-5.日本に入ってきたAirbnb宣教師は「お手軽ホスト派」の分派というわけ。


Airbnb(エアビーアンドビー)ユーザーの中には、「交流が主目的なわけではない投機ホスト」と、「ホームステイを求めているわけではない節約ゲスト」が増え、少しずつ色を変えながら、拡大を続けます。日本に入ってきたのも、その第二派のクチコミが大きく影響したようです。そのため、「気軽にホームステイ体験」を求める層ではなく、「楽して大儲け」を企む層が、日本のAirbnb拡大を牽引していったのです。


2-6.日本のような投機型民泊の盛んな土地もあるので要注意!


Airbnb(エアビーアンドビー)において、日本のような、不人情な投機型(家主不在型)民泊が隆盛している地域が、他にも出てきています。たとえばフランスのパリは、ややもすると東京以上に投機型の民泊が乱立していて、一般人が住居賃貸を見つけられず社会問題化していたりしますね。


また、タイのバンコクあたりも投機型民泊が激増しています。しかしバンコクの場合、その投機型民泊の投機主はほかでもなく日本人であったりするのです…。日本人はひょっとすると、世界で一番人情を見失ってしまった人種なのかもしれません…。


2-7.しかし、日本にだってホームステイ型民泊はある!


日本はたしかに投機型(家主不在型)民泊の氾濫国なのですが、でも日本のAirbnb(エアビーアンドビー)にホームステイ型の民泊が無いわけではないのです。


2016年現在、日本のAirbnb物件の30パーセント弱くらいはホームステイ型の民泊です。ただし、「対価がなくとも旅行者を泊めたいし、助けたいね」と考える真に暖かいホストは、5パーセントくらいのごく少数です。


この5パ―セントをいつも嗅ぎ分けられるようになると、Airbnb旅行は底抜けに楽しく底抜けに快適で、底抜けに安上がりで底抜けに感動的になりますよ!

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