2 プチツアーで地域の活性化?でもそれって「押し売り」になってない?
民泊ゲストへのプチツアーは、誰のために行うものなのでしょうか?ホストにとって楽しいひと時であることも大切ですし、観光で経済がうるおうことも大切ですが、もちろん一番はゲストのためでなくてはなりません。
2-1.某有名ポータルサイトのバナー広告でも「地域の活性化」を推奨してはいるが・・・。
某有名ポータルサイトのバナー広告では、Airbnb(エアビーアンドビー)のホストがゲストに対して、地元のお店に連れていく動画広告が流れていたことがあります。「地域を活性化するお手伝いを」といったキャッチコピーが付いていましたが、このような取り組みをするなら注意が必要です。
たしかに、あなたの民泊ゲストをあなたの応援している小売店や飲食店に案内してあげれば、その店はうるおい、活性化することになります。しかし、それはゲストのためになっているでしょうか?その店は本当に、そのゲストにとって最適なチョイスでしょうか?
2-2.ゲストの立場からすると、利害関係のある店に連れていかれると不愉快な気持ちになる。
思い出してみましょう。私たちが韓国や京都などのパックツアーに参加したとき、ツアーバスはなぜか、決まったお土産屋さんと飲食店にばかり停まります。旅行会社としては、「地域の企業とWin-Winの提携が出来ている」と満足しているかもしれませんが、私たち客の身としては、「興味のない店を押し売りされている」と不快に感じていることが多いはず。
地域の活性化などに協力するのはとても素晴らしいことですが、民泊のホスティングとそれをまとめて行おうとするなら、ゲストのニーズや満足からズレてしまう懸念があることを、肝に銘じておきましょう。
2-3.「タダで案内してもらった人はモンクを言えない」ということを心得ておくべし!
こうした事態を防ぐために、ツアーにエスコートしたゲストに感想を尋ねる人もいるかもしれません。「楽しかったよ」「満足したよ」と言ってもらえているから、私は大丈夫!そう感じているかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
人間の心理として、タダで何かを施してもらったとき、それに対して「イマイチだったよ」「あの店の紹介は押し売りじゃないのか?」などといったことは言えないものなのです。Airbnb(エアビーアンドビー)のカスタマーレビューも、本音ばかりが並ぶわけではありません。
そのため、こうした問題はエスコートするホストが自ら配慮すべき事柄と言えます。「地域の活性化」を優先したいのか、「民泊ゲストを喜ばせること」を優先したいのか、まずはその優先順位をハッキリさせましょう。そして民泊ゲストを優先したいならば、ゲストの要望や感性を考慮し、状況に応じてまったくひいきにしていないお店に案内してあげるような柔軟性が、大切です。
2-4.民泊のゲストは、「取引先」には案内しないほうがベター!
民泊ホストの中には、他の事業を掛け持ちしていたり、事業主として他の企業と取引関係を結んでいる人も少なくないでしょう。そのようなオーナー的な人々の場合、接待や私用の外食で取引関係者の店を利用し、取引先の利益に貢献したり、「貸し」を作っておこうと考えたりするかもしれません。
しかし、民泊ゲストに対しては、この考え方はしないほうがベター。民泊のゲストというのは、「素人っぽさ」に魅力を感じてホテルではなく民泊を選んでいる人が多いのです。そのため、ビジネスライクな振る舞いはあまり見せないほうが良いでしょう。また、「取引先へのゴキゲン取りに自分が利用された」と感じるのは、気持ちの良いものではありません。
3 Airbnbは「体験」という新コンテンツがスタート。プチツアーでもお金が取れる時代に突入!
日々アップデートを続けるAirbnb(エアビーアンドビー)ですが、ついに宿泊事業だけでなく、旅行コンテンツの提供も開始されはじめています。
民泊ゲストをプチツアーにエスコートするのが大好きなホストは、趣味ではなく事業としてツアー催行する選択肢も出てきました。
3-1.「体験」とは?個人がオプショナルツアーを考案し催行できる、新しいコンテンツ。
Airbnb(エアビーアンドビー)が展開し始めた「体験」もしくは「Trip」とは、一般旅行では「オプショナルツアー」や「1Dayツアー」と呼ばれているものと酷似しています。または、農家民泊の「体験プログラム」にも近いものです。
2~3時間の短いものから、中には2~3日の大がかりなものまであり、内容も多岐に渡っています。
3-2.今はまだ試験段階。「体験」を提供できる都市は限られ、予約もスマホアプリからのみ。
この「体験」コンテンツ、今はまだ試験段階中です。
「体験」を提供できる都市は、観光人気国の首都などに限られており、また、これを予約できるのはスマートホンのアプリからのみとなっています。
3-3.民泊登録とは対照的に、審査のハードルが高い!
Airbnb(エアビーアンドビー)の民泊登録は、無に等しいほど低い参入ハードルが特徴の1つでしたが、「体験」プログラムの方針は打って変わって、参入者には厳しい審査が義務付けられています。
ちょっとした街歩き程度では不合格で、コンテンツの多様さと特別性が求められているようです。