先日、ちょっとビックリする話を聞きました。
ある高校年齢のフリースクールで、「男子も女子もエナジードリンクばかり飲んでる」のだというのです。
ちょっと元気が欲しいときに栄養ドリンク・エナジードリンクに頼る習慣のある人、少なくないのでは?
栄養ドリンクって良いものなのでしょうか?エナジードリンクで本当に元気が出るのでしょうか?
栄養ドリンクの元気の仕組みは実は「カフェイン興奮」(笑)
栄養ドリンクは「元気になる」と言われています。タウリンだとか高麗人参だとか、私たちのよく知らない成分・栄養素が入っていてフシギなパワーをくれるような印象がありますよね。
しかし、実は栄養ドリンクによる「元気のもと」って、ただのカフェインなんです(笑)
カフェインって、コーヒーや紅茶、緑茶、コーラなどに含まれているあれですね。
栄養ドリンク各種にも、1本につき50mg程度のカフェインが含まれており、ちょっとした興奮作用が期待できます。
50mgのカフェインってスゴイんでしょうか?
えぇと、とても残念なお知らせなのですが・・・
インスタントコーヒー100mlあたりのカフェイン量は57mgです(笑)
つまり、栄養ドリンクのカフェインって、インスタントコーヒーより少ないのですね・・・。
「コーヒーっていうか、カフェオレをマグカップで飲むよ」という人にとっても、おそらく200ml程度のカフェオレを飲んでいるはずで、カフェインの摂取量は70~80mlにはなるでしょう。
・・・あれ?
そう、そうなんです!
栄養ドリンクを飲むよりもカフェオレを飲んだほうが、頭はシャキっとしそうです(笑)
栄養ドリンクは安くても150円、カフェオレは家で淹れれば20円くらいなものでしょうか。
でも、栄養ドリングには高麗人参やローヤルゼリーが入ってるもん!
という声が聞こえてきそうですね。
高麗人参やローヤルゼリーなどは、「今の元気」に効くわけではない・・・
高麗人参やローヤルゼリーなどの栄養素は、「今の元気」に効くわけじゃないんです。
それは私たちがお肉を食べたりビタミンCを摂ったりするのと同じで、「長期的な目で見て健康を作ってくれる栄養素」にすぎないんです。
高麗人参やローヤルゼリーを摂取しても、「13日後のHP(ヒットポイント)が1増えたかな」という程度のことです(笑) それは無意味ではないですが、今日の朝イチのボイトレ授業で元気を出すことには、役立たないですね・・・。
高麗人参やローヤルゼリーにかぎった話ではなく、カフェイン以外のほとんどすべての栄養素や原材料について、同じことが言えます。
栄養ドリンクをわかりやすく例えると、ルフィの「ギア2nd!」。
さて、カフェインにおける「今日の元気」の面にフォーカスしてみましょう。
栄養ドリンク・エナジードリンク(カフェイン)の効果をわかりやすく例えると、ルフィの「ギア2nd!」みたいなものです。
ちょっと興奮するのでちょっとテンションが上がり、飲む前よりも大きな声で叫べたり、「よっしゃ今日もやったるかー!」と活力が出たりはしそうです。
しかし、人は、がんばればがんばるほど、そのぶん疲れます。
大きな声で歌えば歌うほど、筋肉やカロリーは多く消耗します。
カフェインは、その筋肉やカロリーを回復してくれるわけではないのですね。
栄養ドリンクを飲めば、飲まない場合よりもちょっとがんばれる、かもしれません。が、そのぶん、飲まない場合よりもちょっと多く疲れるわけですね。
そう。一日が終わる頃には、元気になるどころかむしろ、「飲まなかった場合よりもちょっと疲れが増してしまいそう」なのです。
毎日「ギア2nd!」をやったら?潰れちゃう!!
ルフィは、どんなときに「ギア2nd!」とやるのでしょうか?
「追い詰められてどうしようもないとき」でしょう。最後の秘策です。毎日「ギア2nd!」とやるわけじゃないですよね。なぜって、それじゃ疲れすぎてボロボロになってしまうからです。
栄養ドリンク・エナジードリンクにも同じことが言えます。
「ちょっとダルいけど、ボイトレのレッスンで先生にイイとこ見せたいから、栄養ドリンク飲んでがんばろ!」ということを毎日続けてしまうと、元気になるどころか、どんどん筋肉疲労やカロリー消耗過多が悪化してしまいます・・・。
すると、かえって体調を悪くしてしまうわけです。
栄養ドリンクに中毒している人は、「あれ?いつもの150円のやつを飲んでも馬力が出なくなったなぁ。しょうがない、300円のやつを飲もう」・・・と、どんどん高額な栄養ドリンクに手を伸ばすようになってしまいます。その他のサプリメントや「マカ」みたいなものまで漁ったりするでしょう。
どんどんイビツになってしまいます・・・。
ローヤルゼリーが13日後のHPを1増やしてくれたって、日々をがんばりすぎて毎日HPを5減らし続けていたんじゃ、意味がないですよね。
睡眠不足を栄養ドリンクで補うのは間違っている!
近年、栄養ドリンクやエナジードリンクは、サラリーマンではなく若者たちに人気です。
色々なケースがあるでしょうが、「深夜までテレビゲームに夢中で、あまり眠っていなくて眠いダルいから、栄養ドリンクでブーストして学校行く!」といった人も多いようです。
これ、危険なのです!
栄養ドリンクを毎日飲んでいようが、毎日2本飲んでみようが、睡眠時間が6時間しかないなら、体調は悪くなる一方です!
栄養ドリンクやエナジードリンクでテンションが上がることを感じる人は、「オレは6時間も寝れば充分だ」と思っている人が多いようなのですが、それは思い込みにすぎないのですね。たしかに起きて学校に行くことは出来るのかもしれませんが、どんどん体はむしばまれていて、体調が落ちているはずです・・・。
「ダルいな」と感じているなら、栄養ドリンクじゃなくて睡眠・休息をとるべし!
「なんだか朝起きてもダルいなぁ」と感じて、栄養ドリンクを箱買いしたり、外出先の自動販売機でエナジードリンクばかり飲んでいたりしますか?
それなら、栄養ドリンク・エナジードリンクを飲むのではなく、ちょっと集中的に休息をとったほうがよいです!
まず、睡眠時間は8時間程度確保しましょう。そして向こう数日は筋肉を使いすぎないようにします。
家にいればそれでよいというわけではありませんよ?テレビゲームをやりすぎないようにしましょう。アニメを見すぎないようにしましょう。
スマホやパソコンの画面を長時間眺めていると、肩が凝りますよね?これも筋肉を酷使している状態です!
肉体の消耗をきちんと回復してあげないと、「ダルい」では済まされなくなってしまいます!
エナジードリンクは、「急な残業」などに向く。
栄養ドリンクやエナジードリンクは、どんな場面で効果的なのでしょうか?
\「毎日のように飲むものではない」と言えます。
また、ライブやオーディションの日に飲む、というのもちょっと違うかもしれません。なぜなら特別な日は、その出来事によってもう、テンションが上がるからです。オーディションの日の朝は眠くないでしょう?自然とドーパミンが出ますよね。
それよりも、「急に残業を頼まれて、もうひとがんばりしなくちゃ」というようなときのブーストに向くわけです。今日は残業しなきゃいけないけど明日は平常通り、というようなケースです。あまりテンションの上がらない地味なことをがんばらなければならない、というようなときですね(笑)
しかし、その残業が毎日続くなら、栄養ドリンクで疲労をごまかして毎日無理をするのは、良くないわけです!
いかがでしたか?
栄養ドリンクだけでなく、エナジードリンクについても同じようなことが言えます。
エナジードリンクはカフェインの含有量が栄養ドリンクよりもずっと多く、その代わりに滋養強壮の栄養素は栄養ドリンクよりも少ない、という感じのものです。いずれによせカフェインで興奮させるのがエナジードリンクの特徴。
「ときにはカフェインを飲んでテンションを上げる」「朝コーヒーで眠気を覚ます」ということ自体は悪くないのですが、その仕組みをきちんと理解したうえで飲みましょう。ほとんどの人が、「元気になる」の意味をかんちがいして、そしてますます不健康になっていってしまっているのですね・・・。そして浪費も進んでしまっているのではないでしょうか。
単なる毎朝の眠気覚ましなら、栄養ドリンクよりもコーヒーや紅茶のほうがずっと安上がりですね。