3 気を付けて!民泊の魅力を堪能するにはコツが要る!
大人気のミュージシャン。でも彼らの曲すべてが名曲かといえばそうでもなく、イマイチな曲も混じっていますよね。民泊も同じ。Airbnb(エアビーアンドビー)にも他の民泊仲介サイトにも、イマイチな物件がまぎれこんでいます。民泊の、魅力的な側面だけを堪能するためには、ちょっとしたコツが要るかも・・・。
3-1.そもそも、民泊とホームステイって違うの?
そもそもの話、「民泊」と「ホームステイ」という言葉、違いがあるのでしょうか?
3-1-1.もともと、「民泊」と「ホームステイ」は同じ意味。
元々、民泊とホームステイに意味の違いはありませんでした。民泊を英語にしたのがホームステイであり、ホームステイを日本語にしたのが民泊です。元来、日本での知名度はホームステイのほうが高かったですが、これは日本において民泊と言えば、外国人留学生をもてなす形態のものが有名で、外国人相手のものゆえに「ホームステイ」とカタカナ言葉が使われているにすぎません。
3-1-2.Airbnbの台頭をキッカケに、無人民泊を「民泊」と表すことが多くなった。
しかし近年の日本においては、大衆の捉え方・イメージに若干の変化が。日本のAirbnb(エアビーアンドビー)市場において、家主不在型の民泊物件が大多数を占めてしまった(日本の場合、7割以上が家主不在型)ため、「民泊と言えば、家主不在型のビジネス宿泊のこと」といったイメージで使われることが多くなってきているようです。
3-1-3.発信者の感性によってまちまちなのが実情。どちらの意味で使われているかは、その都度文脈からくみ取る必要がある。
ただし、すべての発信者がそうした定義で使っているわけでもなく、当サイトのように有人ホームステイもひっくるめて「民泊」としていることもありますから、文章をよく読み、どちらの意味合いで使われているかをその都度吟味する必要性がありそう。ちょっとややこしいですね。
3-2.民泊ならでは魅力にあふれているのは、家主同居型民泊のほう!
さぁ、実際にあなたがAirbnb(エアビーアンドビー)サイトなどで民泊物件を選ぶ段になったなら、この点に気を付けてください!
トピック2で、民泊の持つ魅力を9つほど紹介しましたが、こうした魅力を堪能できるのは、もっぱら「家主同居型」民泊のほうです。「家主不在型」の民泊では現地の人との交流も手助けも乏しいですし、値段もさっぱり安くない(ホテルより高いことすら!)ので、この違いを理解し、選び分けることはとても大切。
家主同居型民泊と家主不在型民泊がまったく違うということ、ならびに家主同居型民泊を上手く選り分けるべきということは、「とりあえず日本で民泊に泊まってみようかな」と考える日本人ユーザーには、特に重要なポイントとなります!
というのも、日本は特に、家主不在型民泊が多いから。世界全体で言えば、家主不在型民泊は10パーセント程度しか存在していないのですが、日本の場合は70パーセント以上が家主不在型の無機質な民泊・・・。テキトウに選んでしまえば家主不在型に当たってしまう可能性が大きいので、あらかじめ選り分けを心得ておきましょう。
3-3.家主同居型民泊を選り分けるコツは?
Airbnb(エアビーアンドビー)で家主同居型と不在型を見分けるのは、最初はちょっと難しいかもしれません。
3-3-1.絞り込み検索で家主同居型民泊だけを抽出することはできない・・・。
なにしろ、家主同居型か不在型かについてのカテゴリー分けはされていないのです。絞り込み検索であちこちにチェックマークを入れても、家主同居型民泊だけを絞って抽出してくれたりはしません。
また、自由筆記欄で「ウチは家主不在型です」と明記している物件もほとんどゼロに等しいもの。さらに言えば、家主不在型民泊のホストは、家主不在型であることを隠したがる傾向にあるためさらに厄介・・・。
3-3-2.「清掃料金」を徴収しているところ、アメニティグッズを提供しているところはたいてい家主不在型民泊。
見分け方のコツを紹介していきましょう。まず、宿泊料金とは別に「清掃料金」を徴収している物件は、かなり高い確率で家主不在型民泊。家主不在型民泊のホストは自分で掃除できないケースが大半なため、清掃業者に委託して掃除やシーツ交換を行うのです。
次に、使い捨ての歯ブラシや小分けシャンプーなどのアメニティグッズを提供しているところも、かなり高い確率で家主不在型民泊。家主不在型民泊のホストは、Airbnb(エアビーアンドビー)民泊をホテルの代替品のようなものと考え、ホテル施設に似せようと考える傾向にあり、そのためホテルのような使い捨てのアメニティグッズを提供しようとします。
3-3-3.問い合わせに丁寧に応じてくれたからといって家主同居型とは限らない!
家主不在型民泊は、到着したあとは無人となりますが、予約対応に関しては人の手で行っていることが多いです(「今すぐ予約」を設定して問い合わせ対応を避けるホストもいますが)。
「人の手」とは言っても、民泊代行業者のスタッフが代わりに受け答えをしているケースが多くなっています。この代行業者スタッフも、「私は代理の者です」と打ち明けたりはしません。
3-3-4.駅までお迎えに来てくれるとしても、家主同居型民泊とは限らない!
さらに、その民泊のスタッフが「駅まで迎えにいきますよ」と親切なことを言ってくれたとしても、それが家主同居型を示すことには繋がらないのです。
というのも、駅までの出迎えやカギの受け渡しに関しても、民泊代行業者が請け負っていることがあるから。また、送り迎えやカギの受け渡しは自分でやりながらも、そうしたチェックイン対応が完了したら別の家に帰っていくホストもいます。
この手のホストは、時々民泊施設に顔を見せてくれたり、食事に誘ってくれたりすることはありますが、ゲストにとって滞在時間の大半は、管理者無しで過ごすことにはなるでしょう。
3-3-5.見分けるのに最も有効な方法は「家主同居型ですか?」と直球質問をすること。
家主同居型か不在型かを見極めるうえで最も有効な方法は、ホスト(対応スタッフ)に直接ハッキリと「あなたの物件は家主同居型ですか?」と質問することです。稀に、嘘をつく人や、「カギの受け渡しは私がやりますよ」などとあいまいな返答をする人もいますが、大抵は直接的な質問をすれば直接的な回答をくれるはず。
3-3-6.家主同居型民泊にこだわるなら、サイトを変えるのもあり。
もし、「どうしても家主同居型民泊で泊まりたい!」「Airbnb(エアビーアンドビー)では上手く家主同居型民泊を見極められない・・・」ということであれば、仲介サイトを変えるのも良いかもしれません。
たとえば「Homestay.com」というサイトは、サイトの作りはエアビーアンドビーとあまり違いませんが、「登録物件はすべてホームステイ型(=家主同居型)」という特徴を持っているので、安心して選べます。他にも、「とまりーな」は農家民泊を集めたサイトなので、家主が不在ということは無いはずです。
3-4.家主不在型民泊は、魅力が乏しいばかりかトラブルが多い!
家主不在型民泊の場合、民泊特有のハートフルな魅力に乏しいのですが、そればかりかトラブルにもさいなまれやすいのでご注意ください!
3-4-1.管理スタッフがいないので、困っても誰も助けてくれない・・・。
家主不在型の民泊は、コンドミニアムに近い施設ですが、それとは決定的に違うところがあります。それは、管理スタッフが居ないということ。コンドミニアムの場合、客室の中には誰もいなくても、フロントには常にスタッフがスタンバイしており、困りごとの相談に応じてくれますよね。しかし家主不在型民泊には、そのお助けマンがいないのです。
そのため、民泊施設に何か不備があったりすれば、宿泊者は一気にトラブルに陥ります。浴室の電球が切れたらいったいどうすれば良いのでしょう?替えの電球はどこにあるのでしょうか?
3-4-2.そもそもチェックイン(到着)すらスムーズにいかないことも・・・。
カギの受け渡しまでもが無人である場合、そもそも民泊施設の中に入ることすらできずに立ち往生させられてしまうことも。言われた場所にカギが置いてなかったり、カギが上手く回らないといったトラブルは、決して少なくありません。
3-4-3.地域住民に不親切にされてしまうことも多い・・・。
また、地域住民は家主不在型の民泊に対して好意的に感じていないことが多いです。すると、その客人であるあなたに対しても不親切であることが多く、スーツケースを転がす音など、ちょっとした迷惑をかけただけでも怒られてしまったりすることが・・・。
管理者が不在だとどうしても、気が緩んでルーズに過ごしてしまいやすく、それがなおさらトラブルの元凶になり・・・という悪循環を、家主不在型民泊は生んでしまっています。
3-4-4.料金は安くない。むしろホテルより高いことも。
一般的に、ホテルよりも安上りで済ませられるのが魅力の民泊。しかし、家主不在型民泊についてはそうとも言えません。
家主不在型民泊は、経営コストがかさんでいるし、「儲けたい」という意欲の強いホストばかりなので、価格も軒並み高め・・・。さらには「清掃料金」という、家主同居型民泊なら払わなくて済む料金まで徴収されることが多いです。
3-5.家主不在型民泊の魅力は?
では、家主不在型民泊の魅力はどんな点が挙げられるでしょうか?
(1)ホテルのようなクールさを演出している物件が多い。
(2)管理者が居ないため好き勝手にくつろげる。
3-5-(1).ホテルのようなクールさを演出している物件が多い。
家主不在型民泊では、接客面でのアピールができないため、客室の内装に力を入れている物件が多いですね。そしてその内装の傾向は、「ホテルを真似る」というコンセプトのことが多く、スタイリッシュでクールな雰囲気の物件が多め。こうしたテイストの宿泊施設に強く魅力を感じているなら、家主不在型民泊を選ぶメリットはありそう。
中国人や日本人は、こうした動機で家主不在型民泊を選ぶ人も多いようです。
3-5-(2).管理者が居ないため好き勝手にくつろげる。
家主不在型民泊では、接する他人が誰もいないため、マイペースにだらだらと過ごすことができます。家主同居型民泊では、裸でリビングをうろつくわけにはいきませんが、家主不在型民泊ならそれもOK。話し声も、同居者を気遣う必要がありませんし、門限や消灯時間が設けられていることは少なく、夜中の2時までリビングで映画を観て過ごす、なんてこともやりやすいでしょう。
ただし、こうした気の緩みが、近隣住民への騒音・迷惑になってしまい、大きな問題に発展する(加害者になってしまう)ケースが少なくありません。