小説「ガイアの夢」Vol.3
エピソード3
そんな彼女たちは、決まって、
ミクシィの「夢を追ってるヒトがスキ♪」みたいなコミュに、
参加していたり、するんだよ。
で、プロフにも、
「私、夢を追っているヒトが、大好きです!!」
なんて、書いていたりする。
でも、
コレは、大きな過ちなんだ。カンチガイなんだ。
彼女たちが愛して止まないのは、
「夢を追いかけるヒト」ではなくて、
「夢を叶えてしまって、お金と名声を手に出来たヒト」
だけなんだよ(笑)
悲しいほどに、ゲンキンなヒトたちなんだ…。
…100歩譲って、
「夢を追いかけ途中のヒト」に魅力を持つヒトも、居る。
居るには、居るんだよ?
でも、彼女たちもまた、
前述のように、
「夢追い人」の素性を、一通り垣間見たら、もう、飽きてしまう。
次の、「ミステリアスな夢追い人」が、欲しくなる。
…そうして、
「夢追い人」の使い捨てを、延々と繰り返す。
氷川きよしが終わって、ヨン様が終わっても、
まだ、飽き足らない…。
または、
もうチョっとマシな人種が、居るには、居る。
「成功して、安定生活とビールっ腹を手に入れた、落ち目スター」よりも、
「健気に夢を追いかけ続ける、スナフキン・タイプなヒト」に、
惹かれるヒトも、居る。居るには、居る。
彼女は、
猛烈なアタックを仕掛けて、恋人の座をGETしようとは、しない。
…かと言って、
「その彼の夢を、応援すること」も、しない(笑)
ただただ、校舎の影から、
バレンタイン・チョコを渡せないまま、
こっそり、見つめ続けるだけなのさ。
「傍観者のスタンス」を、決め込むのさ。
彼女もやはり、
「夢追い人の強力なブースター(推進者)」には、成り得ない。
彼女たちは、
実際問題として、スナフキンがスキだったり、するだろう。
だから、
スナフキンが、
年のうち半分は、ムーミン谷から(つまり、自分の元から)
離れてしまうことを、よく知っている。
自分のパートナーが、
年のうちに半年も、自分のそばに居ない生活なんて、
そんなのそんなの、考えられない…!!
「パソコンがエラー画面になったら、どうすればいいの!?」
「ヤモリが窓を這ってたら、どうすればいいの!?」
「生活費は、どうすればいいの!?」
アレコレと、
「まだ訪れてもいない未来」を憂慮しては、ブルーになってしまう…
だから、彼女たちもまた、
スナフキン・タイプの彼の、格言や詩やなんかを、
深夜2時の「現実逃避タイム」に楽しむだけに、留める。
彼の格言や詩から得た「何か」への対価を、
彼に還元したりは、しない。
すると、
スナフキン・タイプの夢追い人たちもまた、
才能を供給する一方で、何も還元されてこないため、
そのうち、「スナフキン・ライフ」が、送れなくなってしまう…