
3 あなたはエアビーアンドビー民泊に向いている?
前トピックでは、海外でAirbnb(エアビーアンドビー)バブルが弾けない理由について、解説しました。この真実を解説しているエアビーアンドビー・ノウハウサイトは、ほとんどありません。
あなたが空き家を活用すべくエアビーアンドビー民泊への参入を検討しているなら、「日本のエアビーアンドビーの常識」ではなく「エアビーアンドビーが本来どのようなものであるか」を、まずは理解しておくことが重要でしょう。それによって、利益至上主義の民泊代行業者や民泊セミナー業者に騙されてしまうことを、防げます。
エアビーアンドビー民泊に参入するなら、やはり大家さんごとの環境の向き不向きを、慎重に見極める必要があるのです。
3-1.あなたは自分で民泊物件の管理をできる?出来ないなら諦めよう。
まず第一の条件としては、「あなたが民泊物件の管理に、多少なりとも関われるかどうか」を考えてください。
必ずしも、あなたの家の一部を貸す形態でなくても、かまわないです。空き家を整えて貸す形態でも良いのですが、それでもあなたが、多分に掃除や管理、ゲストへのメール対応や接客、困りごとへのヘルプに対応できることが必須です。民泊用の空き家が、隣り近所にあると良いですね。言い換えるなら、「民泊代行業者に頼らなくても経営できることが必須」ということになります。
なぜ、民泊代行業者に頼ると経営が出来ないのでしょうか?
3-1-2.民泊代行業者に委託すると、あなたの利益はほとんどなくなってしまう。
民泊代行業者が定めている委託料の計算方法が、「大家さんの利益」よりも「民泊代行業者の利益」を最優先に算出されているためなのです!
詳細な計算方法の説明はこの記事では省きますが、大家さんであるあなたは、平均的な稼働率程度では、通常賃貸での家賃収入とそう大差ない額しか、得られません。ご存じでしたか?知っておくべきです!
「月収30万円も可能!」などと民泊代行業者は言いますが、その30万円のうち10万円は民泊代行業者が徴収していき、さらに民泊ホストであるあなたは、光熱費や通信費、家具家電の購入月賦などを残りの20万円から支払うのです。すると手元に残るのは、月収10万円が関の山といったところ…。あなたの空き家を普通に貸しても、月収10万円前後では?
3-1-3.家主不在型民泊だと、どうしてもトラブルが多発してしまう。
「民泊代行業者に多くを委託する=民泊物件に家主が不在」だと、どうしてもトラブルが多発してしまいます。家主に嘘をついて5人も6人もの客で泊まろうとするゲストもいますし、酔って近隣住民にからんでしまうゲストもいるのです。
民泊代行業者は、「こうしたトラブルがあってもクレーム対応サービスがあるから安心です!」と胸を張りますが、彼らはあくまでクレーム対応を代行するだけであって、クレームによって降りかかる撤退勧告などをすべて解決してくれるわけでは、ないのです。
すると結局あなたは、撤退勧告におびえながら営業し続けなければなりませんし、そうでなくても近隣住民に白い目で見られながら、営業しなければなりません…。
3-1-4.家主不在型の民泊は、国に差し止めを受けることになってしまう。
さらには、日本厚生省が「家主不在型民泊は駆逐する」という意向を表明しているのですから、始末が悪いです!民泊条例制定には1年ほど(2017年制定予定)時間が掛かるでしょうが、どのみち何らかの方法で規制されていきます。
3-2.エアビーアンドビー民泊経営に必要な業務は?
民泊経営に必要な業務にどんなものがあるか、おわかりですか?
(1)英語で紹介ページを作成し、英語でメール対応をする必要がある。
(2)予約検討中のゲストとのメールのやりとりに、かなり時間を割かれる。
(3)客室のルームメイクをし、リビングなど家全体も掃除する。
(4)ゲストを駅まで迎えにいき、チェックイン対応(ルール説明など)をする。
(5)ゲストの困りごとを解決してあげる。(家電の使い方や交通情報など。)
(6)ゲストによっては、食事や会話などの交流を求めてくることも。
3-3.エアビーアンドビー民泊経営に向いている気質や環境は?
では、それらの業務内容をこなすために必要なことを、要点でまとめてみます。
(1)かなりの時間を要する。(サラリーマンが一人でこなすのは無理。)
(2)コミュニケーション力を要する。(安心感を提供できることが必須。)
(3)英語力、または辞書アプリなど駆使する強い意欲が必須。
(4)手助けやもてなしを苦に感じない人情が必須。
誰でもできること、という感じではないですよね。むしろ、現代日本人には適合しない人が多いでしょう。
3-4.エアビーアンドビー民泊に向いている物件は?
通常の賃貸でもなかなか借り手のつかない物件があるように、どんな物件でもAirbnb(エアビーアンドビー)民泊に向いているわけではありません。エアビーアンドビー民泊に向いていると言える物件条件を、まとめてみましょう。
(1)外国人観光客が好みそうな観光地に近い。
(2)もしくは、住みやすい住環境にある。(駅、スーパー、大学などからの便が良い。閑静。)
(3)集合住宅規約の制限を受けない一軒家である。
(4)集合住宅であっても、集合住宅規約や住民に民泊規制を受けていない。
(5)トイレや浴室が古すぎない。(リフォームすれば解決できる。)
ホームステイ型民泊の場合、背負う金銭的リスクが少ないので、上記の条件をあまり満たしていなくても「とりあえずやってみるか」が可能です。が、投機型民泊の場合、空き家をすでに持っているとしても家具家電の購入費などがばかにならないため、物件が悪条件なら、赤字をこうむってしまうことになるので注意しましょう!
3-5.空き家があるだけでは民泊経営はできないということ。
要は、「空き家を持っている」という条件だけではAirbnb(エアビーアンドビー)民泊は経営できないということです。経営自体は可能ですが、健全な経営を続けることがとても困難になります。
トピック≪エアビーアンドビー民泊経営に向いている気質や環境は?≫≪エアビーアンドビー民泊に向いている物件は?≫の中の計9項目をチェックし、×があまりにも多いなら、エアビーアンドビー経営は見合わせたほうが良さそうです。