2013年10月1日の調査では、830万戸もの空き家が日本にあることが明らかになっています。この記事の執筆は2016年夏ですので、上昇率から推測すると現在は870万戸くらいでしょう。
870万戸!
「空き家をどうにかしたいなぁ…。」と悩んでいる大家さんは少ないはずがなく、すると昨今のAirbnb(エアビーアンドビー)起業が異常な盛り上がりを見せていることは頷けますね。
たしかにエアビーアンドビー経営は、空き家の活用策として非常に有効なものであると言えます。あなたもぜひ、参入を検討すると良いでしょう。しかし、「空き家を有効活用する」ことと「空き家で大儲けを企む」ことは、同じではありません!このページが語るのは、あくまで「空き家の有効活用」であり、「大儲け!」を説くものではありませんから、ご了承ください。
なぜ「大儲け」は説かないのかというと…?
1 ビジネスとして捉えると、民泊エアビーアンドビーは失敗する!
インターネットを検索すると、Airbnb(エアビーアンドビー)ビジネスを解説またはあっせんするサイトが無数にヒットします。よっぽど盛況なのだなと感じるかもしれませんが、そうしたサイトが乱立することにはワケがあって…。
1-1.情報サイトと言う名の商業サイトに注意して!
「~テキスト」「~情報館」などと情報サイトふうのタイトルを冠したサイトに、人は安心感を覚えます。近年、インターネット上にはアフィリエイトやノウハウデータを販売する意図のサイトが氾濫しているためですね。そのため私たちは、情報サイトふうのタイトルのサイトをクリックしたくなるんですが、開いてみて、どうでしょう?記事を20行読んでみたら、「続きは電子書籍をお買い求めください。」「ネットでは公開できない必勝テクをセミナーで公開!」と、やはり情報販売に結びつけられてしまいます…。
今、エアビーアンドビーに関するサイトの9割は、こうした類の商業サイトです。つまり、彼らがエアビーアンドビー起業を推す理由は、それによって彼らの懐が潤うからに過ぎません。
1-2.なぜ彼らはエアビーアンドビー経営をせず、あっせん業を経営するのか?
そうしたあっせんサイト、つまりあっせん会社が、数十か、ひょっとすると数百もひしめき合っています。彼らは「Airbnb(エアビーアンドビー)のノウハウはばっちりです!」と胸を張りますが、しかしなぜエアビーアンドビー経営をせずにあっせん会社に切り替えているのでしょう?月収250万円も稼げるのであれば、わざわざあっせん業をしてライバルを増やすのはナンセンスですよね?
そうです。エアビーアンドビー民泊で儲からなくなったからなのです!
1-3.「開業すれば儲かる!」のバブル期はもう昔の話。
Airbnb(エアビーアンドビー)業界において、「開業すれば儲かる!」という打ち出の小づちのような時代が、たしかに存在したのは事実です。しかしそれは2014年の、エアビーアンドビー日本支社が設立された当初のことに過ぎません。今(2016年夏)となっては、競争も供給も過剰になり過ぎており、大きく儲かるのはごく一部のホストだけなのが、実情となっています。
1-4.儲からないだけじゃない!経営リスクは山積み…。
儲からなくなっているだけではありません。Airbnb(エアビーアンドビー)民泊の経営リスクは他にもあります。
1-4-1.家主不在型民泊はトラブル多し!クレーム対応にまでお金が掛かる…。
Airbnb(エアビーアンドビー)民泊の中でも留守番をしない経営スタイルである、いわゆる「家主不在型民泊」は、その性質上、トラブルがとても起きやすいです。
民泊ゲストからクレームを受けやすいだけでなく、マナーの悪いゲストに腹を立てる近隣住民からも、クレームを受けることがあるでしょう。家主不在型民泊の場合、家主は民泊の実情がわからないため、クレーム対応は民泊代行業者に委託することになりますが、それには基本の代行賃とは別途、お金が掛かってしまいます。
1-4-2.近隣からのクレームなら、即刻の営業停止に追いやられることも!
また、近隣からのクレームの場合、クレームだけでは済まず、即刻の営業停止に追いやられることが多いのです!当然、民泊経営のために投じた費用は、あらかた水の泡となってしまいます…。予約済みのゲストたちを補償するため、違約金も払わなければなりません…。
1-4-3.「民泊ポリス」の登場で、通報の危険性はさらに上がった!
また、クレームの噂はたちまち町内中に広まり、あなたはその町での居心地が悪くなってしまいます。クレームおよび立ち退きの危険性は、いわゆる「民泊ポリス」と呼ばれる匿名通報窓口がAirbnb(エアビーアンドビー)サイト上に登場して、いっそう高まってしまいました。
1-4-4.日本政府は「家主不在型民泊」を禁止する構え。
さらに、日本政府とも戦わなければなりません!「日本政府は民泊を、ホテル不足解消の特効薬と期待している」などというニュースを見たことがあるかもしれませんが、日本政府が推奨しているのはあくまで、「ホームステイ型民泊」のみなのをご存じですか?管理の行き届かない家主不在型民泊に対しては、非常に厳しい態度を貫いており、最も稼ぎ時と期待されている2020年東京オリンピック期を前に、一掃されてしまうでしょう。
1-4-5.ついに、ライバル同士の潰しあいまで発生しはじめた…。
供給過多で顧客の争奪戦が激化し始めたゆえ、Airbnb(エアビーアンドビー)では新しい問題が発生し始めた。それは、「ライバル同士の嫌がらせ」です。
たとえば、ある女性がホスト経験者であることを伏せて、他の民泊物件に泊まります。そして、排水溝のフタを外してまでして髪の毛を探し出し「掃除がされていない!」と怒り、食器カゴの中の食器に油がついているのを見て、「不潔だ!」と怒り、なんと、たったそれだけで「星1つ」のレビュー評価を付けたのです。
もともと、ビジネス目的でエアビーアンドビーに参入するホストには性格の悪い人が多いため、ライバルとなる家主不在型民泊同士で、こうした「潰しを目的とした嫌がらせ」は増えていくことが予想されます。
1-5.経営リスクを背負うのは、もっぱらホスト側だけ…。
と、このように、管理者を置かないビジネス民泊においては、常にトラブルや金銭リスク、営業停止と隣り合わせです。民泊代行業者は「私がサポートするから大丈夫です!」と胸を張ってあっせんしていた割りに、いざこうした事態が起きても、何の救済もしてはくれません。あなたの負った借金を半分担いでくれたりはしないのです。
なおAirbnb(エアビーアンドビー)社は、あなたが損害賠償請求を受けた際の補償金制度を用意してくれていますが、あなたに過失があったなら、やはり補償金はおりないでしょう。
1-6.2016年春、ついに東京のエアビーアンドビーホストは減少軌道を描きはじめた!
2015年は、「トラブルが多い」と懸念されながらも、Airbnb(エアビーアンドビー)ホスト数は順調に増え続けました。しかし、2016年の5月6月、ついに2か月連続で、東京エリアのホスト数が減少することとなったのです。「伸び率が減った」のではなく「ホスト数が減った」わけですから、撤退ホスト数が相当な数に上ったことが伺えますね。
1-7.「大儲けしてやろう!」と目論むなら返り討ちに遭ってしまう。
つまり、「大儲けしてやろう!」という目論見でAirbnb(エアビーアンドビー)ビジネスに参入するなら、民泊代行業者や民泊セミナー業者に搾取されるだけで、潤うどころか手痛い傷を負ってしまう可能性が高いということなのです…。
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