あまり知られていませんが、春休みの前後は民泊が忙しくなるシーズン。大手の旅行会社までもが民泊の手配を扱うようになってきて、ますます拍車が掛かっています。
過ごしやすく快適なシーズンである春ですが、民泊のホストをするならこの時期特有の傾向と対策をつかんでおくことが大切です。さて、春休みの民泊受け入れは、どんなポイントに気をつければよいのでしょうか?
なお、このページは基本的にAirbnb(エアビーアンドビー)の民泊を想定しています。
1 春休みシーズンは日本人の民泊利用が増える。あなたの日本人対応は万全?
長期休暇の季節は民泊や宿泊施設の稼働状況に大きな変化がみられますが、それは春休みシーズンについても同様。混雑するのは当然として、どのような変化があるのでしょうか?
1-1.大学生や専門学生は2月頃から春休みに突入!
春休みというと、3月末から4月初頭の2週間程度をイメージしている人が多いかもしれませんが、大学や専門学校の春休みは2月頃から始まります。つまり、2月に入ったくらいから民泊稼働の状況にも少々変化がみられるということ。あらかじめ理解しておきましょう。
1-2.2~3月は若い、しかも女性の日本人客が増える。
大学生や専門学生は、お金を持っていますし自由に旅行に出かけるだけの自立心を持っています。そのため、2~3月には二十歳前後の若者の旅行が増えるのです。
中でも女性は旅行が好きで、男性よりも多くの人が旅行をします。
また、高校三年生も卒業旅行などで遠出が増えますね。卒業旅行を企てるのも男性より女性が多いです。
1-3.外国人より日本人のほうが、男性より女性のほうが、宿泊施設への目が厳しい!
外国人よりも日本人のほうが、そして男性よりも女性のほうが、宿泊施設に対する期待度や評価が厳しい傾向にあります。そしてその一番厳しい層の利用が増えるのが、他でもなくこの、2~4月初頭の春休みシーズンなのです!
民泊のホストも、日本人女性が泊まっても満足してもらえるような設備やサービスの対策を練っておいたほうが良いでしょう。たとえばこのようなアイデアが考えられます。
(1)ゲストルームには鏡を置く。
(2)ドライヤーは必携!
(3)トイレにはサニタリーボックスを。
(4)公共スペースの清掃も念入りに。
(5)アメニティグッズはビジネスマン向けではなく女性向けに。
(6)インテリアは「クール」よりも「キュート」が好まれる。
(7)女性は簡素な地図だけではたどり着けない人が多いので対策を。
1-3-(1).ゲストルームには鏡を置く。
女性にとって鏡は、ベッドの次くらいに大切なアイテム。鏡を置いてない民泊やゲストハウスは多いですが、女性をターゲットにするならそれは致命的です!
「洗面所にあるからいいか」というのは、まったく女性心理を理解できていません。
1-3-(2).ドライヤーは必携!
鏡と同じく、ドライヤーも女性にとっての必需品ですが、男性ホストにはそのことに気付いていない人が少なくありません。ホストファミリーのもののシェアでかまわないので、民泊ゲストがいつでもドライヤーを使えるようにしてあげましょう。
1-3-(3).トイレにはサニタリーボックスを。
サニタリーボックスとは、生理用品用のゴミ箱のこと。これも、男性ホストには気が向いていない人が多いようです。
ホストが男性しかいない場合、逆にサニタリーボックスには捨て捨てづらい女性が多いですが、それでもなお、設置しておいてあげるのがデリカシーというもの。
1-3-(4).公共スペースの清掃も念入りに。
ゲストルームを綺麗に整えているホストは多いですが、リビングなど公共スペースは乱雑になってしまっていることが少なくありません。男性ゲストはあまり粗雑さを気にしない傾向にありますが、日本人の女性ゲストはあらゆる空間の清潔観念に敏感。特にトイレ、洗面所、浴室、キッチンなどは念入りに清掃しておきましょう。
1-3-(5).アメニティグッズはビジネスマン向けではなく女性向けに。
特に家主不在型民泊では、使い切りのアメニティグッズを置いているところが少なくありませんが、品ぞろえがビジネスマンを想定しているようなものになっていることが多いようです。
女性ゲストを想定するなら、簡単なコスメや化粧落としコットン、綿棒など、女性に喜ばれるアイテムを追加しておきましょう。
1-3-(6).インテリアは「クール」よりも「キュート」が好まれる。
ベッドシーツやカーテンなどの内装についても、日本の民泊施設はクールなコンセプトでまとめられた部屋が多い傾向にあります。これは、ビジネスマンなど男性ゲストには好感を持たれますが、女性ゲストはあまり好いていません。
女性ゲストを意識するなら、クールよりも「キュート」なコンセプトに彩りましょう。
1-3-(7).女性は簡素な地図だけではたどり着けない人が多いので対策を。
女性の傾向の一つに、「地図や機械に強くないこと」が挙げられます。男性ゲストに送って問題のなかった地図でも、女性ゲストでは家にたどり着けないことが少なくないようです。
また、パソコンからの閲覧ができなかったりプリントアウトの環境を持っていなかったりすることも少なくないので、女性でも対応しやすいような道案内の準備をしておきましょう。
1-4.女性を制する者は宿泊施設を制する!
少し余談になりますが、上記のような女性ゲスト対策を施すことは、春休みシーズンに限らず年中を通して、あなたの民泊の稼働率アップに役立つでしょう。
というのも、旅行をする人の割合は女性のほうが多く、また、カップルで旅行する場合も宿泊施設の決定権は女性のほうにあることが多いのです。
男性向けの部屋に女性は泊まりませんが、女性向けの部屋に男性は泊まるので、女性が、特に日本人女性が喜ぶ部屋づくり(もちろん接客も)を心掛けると、あなたの民泊施設のクオリティは上がり、人気を博するようになるでしょう。
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