2 農家民泊の始め方を徹底解説!
このトピックでは、農家民泊を営む際のノウハウについて特集します。「農家民宿」
のほうについては次のトピックで特集しますから、お望みのトピックのほうをお読みください。
2-1.まずは行政を訪ね、情報を仕入れてこよう。
お住まいの役所を訪ね、民泊推進団体のようなものが存在するか聞いてみましょう。役所が持っている場合もありますし、NPO団体などが企画していることもあります。
そうした団体が、農家民泊を営むうえでの基準や手続きを決めていることが多いので、その条件を確認してください。基準も手続きもそう難しいものではないはずですが、地域によっては農家民宿並みに厳しく、消防局の許可を取ったり食品衛生管理者の資格を取る必要があることも。
2-2.農家を民泊客向けに整えよう。そう難しいことはない。
次は、お住まいを民泊客向けに整えましょう。リフォームなど大掛かりなことは、基本的には不要です。むしろ、あまりいじらないほうが良いとさえ言えます。「ありのままの農家」を、お客さんは期待していますよ。
6畳一間が空いていれば、それで客間は充分です。人数分の布団が敷けるなら、苦情は出ないでしょう。昔お子さんが使っていた生活感の残る部屋でもかまいません。
外国人客の受け入れを狙うなら、英語に対応する必要があります。お風呂場のドアには「Bath room」のプレートを掲げておきたいですし、門限や禁煙などのルールも英語で表記してあげましょう。また、外国人客は無料Wi-Fiを強く欲していますから、できれば導入しておきたいところ。月額3,000円くらいの経費で設置は可能なので、パソコンに詳しいお子さんなどに尋ねてみてください。
2-3.体験プログラムを考えよう。季節や天候に合わせて複数のものを。
農家民泊ですから、体験プログラムを用意しなくてはなりません。基本的に、あなたが普段行っている、得意とするものを提供すればOKです。ただし、天候や季節の変化を考慮して、複数のものを用意しておくことが重要!体験プログラムは、1コマ2時間前後とするのが一般的。体験プログラムにできそうなコンテンツには、たとえばこのようなものがあります。
農業体験:田植え、稲刈り、果実の収穫など。
自然体験:里山ハイキング、ホタル鑑賞、川遊び、魚のつかみ取りなど。
料理体験:郷土料理教室、干物や漬け物、発酵食品の加工など。
自作体験:昔のおもちゃ作り、草木染め、伝統工芸体験など。
林業体験:間伐、木炭作り、薪割りなど。
酪農体験:牛や鶏の世話、乳しぼりや卵の採集、乗馬など。
漁業体験:船舶漁に連れていく、一本釣り、魚のつかみ取りなど。
伝統芸能体験:舞妓さんの稽古場一日入門、雅楽のレクチャーなど。
ほかにも、たとえば五右衛門風呂を使っているなら、火焚き(竹筒を使って火に空気を送る)などをお客さんにやってもらっても喜ばれるかもしれませんよ。
2-4.食事の提供方法や内容を考えよう。
農家民泊は一般的に、1食(夕食)~2食(夕・朝食)の食事提供を含みます。しかし、法律的な面からいうと、食品衛生法上の「飲食店営業許可」を持っていないと、有償で食事を提供することはできませんから、注意が必要です!
この対策として、「食事をお客さんに一緒に作ってもらう」というアイデアが多用されています。「お金貰っているのに、料理させるの?」と気が引けるかもしれませんが、郷土料理色の強いものを、且つレクチャー気味に行うなら、不快に思うお客さんはそうそういないでしょう。または、旅館業法の申請はしないにしても、飲食店営業許可だけは取得するのも良いかもしれません。
また、法律を無視して無資格で料理を提供している農家民泊も少なくありませんが、あくまで自己責任で行ってください。
2-5.適した料金設定を考えよう。
あなたが提供したい体験プログラムや食事内容が決まったら、それに適した料金設定を考えましょう。
一般的に、体験プログラムの指導料は1人1コマ1,500~2,000円が相場となっています。食事は、夕食が1,000~2,000円、朝食が500~1,000円といったところ。宿泊料金は本来ならば徴収してはいけないのですが、1人1泊3,000円程度で計算しているところが多いです。
そのため、5,000~7,000円程度が農家民泊の一般的な相場となります。
また、地域の農家民泊推進団体が、料金を決めている場合も少なくありません。その場合は、地域の規定に従いましょう。それに納得がいかない場合、その推進団体には加盟せず、フリーランスで経営するという選択肢も。
2-6.農家民泊推進団体に経営内容や写真を送って、ホームページに掲載してもらおう。
あなたの農家民泊の経営内容が固まったら、それを文書にまとめて、地域の農家民泊推進団体に送りましょう。もちろん、あなた方の写真や家屋の写真、体験プログラムの様子を伝える写真なども一緒に。推進団体のスタッフがそれをホームページにまとめ、集客・宣伝を行ってくれるはずです。
あとは、お客さんがやってくるのをワクワクしながら待つのみ!
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