
親の介護が辛い、話し相手になることが辛い、と感じるようになったら、とにかくどこか、介護施設に連れ出してみましょう。老人ホームに入ってくれなくても、デイサービスでもよいです。
従順でなくても大丈夫。とにかく施設に行かせる。
「介護が煩わしい」「話し相手が煩わしい」と家族に感じさせる親は、従順でないマイペースな人が多いです。
こういう人は、ケアマネージャーが介護プランを作ってくれても、それを規則正しくこなすことを嫌がったりするでしょう。リハビリセンターで指導のとおりにリハビリ運動することを嫌ったりするでしょう。
そういう反応をされるとき、無暗に戦わないことです。
想定されたカリキュラムを律儀にこなさなくてもよいので、とにかく介護施設に外出させましょう。
友達を見つけ、楽しいことを見つけてくる。
介護施設に行くことで、同年代の仲間たちに大勢出会えます。その中には気の合いそうな人も少しはいるでしょう。おしゃべりが弾みます。
介護スタッフは皆善い人で、愛想よく微笑んでくれます。ちょっとしたわがままも聞いてくれます。同じ話をしてしまっても文句を言わずにいてくれます。
デイサービスで用意されるコンテンツの中には、何か興味をそそるものもあるでしょう。カラオケが出来たり、テレビゲームが出来たりする施設も増えています。
「友達が出来る」「楽しいことを見つける」という収穫だけで御の字です!
それによって、これまで家にこもりがちだった習慣に変化があるでしょう。外出する時間が増えるので、あなたがた家族が面倒をみる時間が減ります。疲労が減ります。
会話の相手を得ることによって、「誰かに話したかった」というつまらない雑談があなたに向けられることは減るでしょう。電話がかかってくる回数も減ります。
家族から自立していく。
そうして親御さんは、少しずつ家族から自立していきます。
これまで家族にしか頼ることの出来なかった事柄を、少しずつ他者に向けるようになっていきます。すると、家族の介護の負担は減ります。雑談の煩わしさも減ります。
承認欲求が満たされると、自分でやろうとすることも増えるでしょう。
介護施設で友達が出来ると、その友達も何か体の不自由さを抱えているでしょう。
お互い健常者ではありせんが、お互いに出来ることを施し、出来ないことを埋めてあげようと助け合うでしょう。
これまでは助けてもらう一方だったのが、不自由さが治っていなくても、「助ける側」の時間が増えていきます。生活が有意義になり、自己肯定感が芽生えます。
外出が増えると自然と体力が付きます。すると自分で出来ることがさらに増えていきます。
人は、何かをしてもらうばかりが幸せなわけではなく、助ける友達が出来ることで元気に明るくなるでしょう。
介護家族の負担は軽減されます。
そして、介護施設で友達が出来ると、老人ホームに入居することへの抵抗感も薄れていくでしょう。すると益々、介護家族の負担は軽減されます。
親御さんも、家族に甘えたりグチったりするばかりの日々よりも、楽しい生活になるでしょう。