我が子が不登校に陥ったとき、「不登校」に関連するキーワードをあれこれ検索するでしょう。
その中で、不登校の親御さんが綴る奮闘記ブログのようなものを見つけ、自分たちの参考にしようと考える家庭は多いのではないでしょうか?
「仲間がいる!」と勇気が湧くが、主観に偏っていることが多い・・・
不登校者の個人ブログを見つけると、「仲間がいるんだな!」と勇気が湧くでしょう。殺伐とした情報サイトよりも、感情のままに綴られる個人ブログのほうが温かみを感じますよね。
しかし、「参考になるか」と問うと、それはまた別問題で、注意が必要です!
これは不登校に限ったことではないのですが、個人ブログは内容が「主観に偏ってしまっていることが多い」のです。
たとえば、ある子がホームスクーリングによって活気を取り戻して学校に復帰できたとします。するとこの親御さんは、「シュタイナー教育のカリキュラムを取り入れれば大丈夫!」などと断定的に書いてしまうことが多いのです。
自分の家庭が経験したことが、どの家庭でもあてはまると思い込んでしまうのですね。
この記事は決して、個人の不登校ブログを批判する気はないです。
「個人の記事が主観に偏りやすい」というのはどの分野でも同じことで、たとえばリンゴばかり食べて体重のやせた人が、「リンゴダイエットは効果的!」なんて大々的に叫んだりします。それが本になってしまったりもします。どの分野でも同じです。
「あなたもきっと大丈夫!」と明るい高いテンションで書かれた文章に、多くの人は吸い込まれてしまいがちです・・・。
同じように奮闘する家庭の事例に勇気をもらえるかもしれませんが、参考になるとは限りません・・・。
堅い情報サイトが参考になるわけでもない。
では、個人ブログ的なサイトではなく専門家が執筆したような堅い情報サイトのほうが参考になるのでしょうか?
そうとも言えないのです。
硬い情報サイトは、まず間違いなく商業サイトで、読んだ閲覧者を専門学校や家庭教師などに誘導する目的で書かれています。すると、統計結果や心理学に基づいて論じているように見えて、「結論は誘導的」なことが多いようです・・・。
「不登校児童のうち何割が個人塾に通うのか」といった統計やグラフなども、自分たちに優位な文献を引用して紹介していることが多く、世相を正確に反映しているとは限りません。
じゃぁどうすればいいの?
個人ブログも参考にならない、堅い情報サイトも参考にならない、ではどうすればよいのでしょうか?
いえ、「参考にならない」と切り捨てるのも良くないでしょう。
個人の主観に基づいたブログも、専門家による情報も、それなりに参考になる事柄があるはずです。不登校に関連する一通りの知識を得るために、それらのサイトを一通り読むのも悪くはないでしょう。
不登校に陥った状況に対して「どう対処するか」は、「正解がない」のです。
ある生徒は親御さんが厳しく学校に行かせることが功を奏しましたし、ある生徒は「好きにしなさい」と放任させることが功を奏しました。ある生徒はフリースクールに行くことでノビノビし、ある生徒は通信制高校に進むことで大検を取得し、社会復帰も出来ました。
千差万別なのです。
これはもう、各ご家庭で、親子で相談しながら悩みながら、お子さんの学び方・進み方を模索していくしかありません。それが正解かどうかもわからないけれど、そうやって進んでいくしかないのです。
もちろん、しつけの継続は必要ですし、ときには方向転換(ホームスクーリングからフリースクールに変えたり、など)も検討しましょう。
不登校の対策は、「正解のない模索」です。
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