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不動産投資に検討した?増加する民泊の利用者数-3


3 民泊を利用しているのは誰なのか?


民泊の利用状況について調べてみると、様々なデータが飛び交っていることに気づきます。あるサイトでは「中国人ばかり」と書かれ、またある会社のリサーチでは「欧米人の交流好きがメイン層」というように…。要するに、民泊の利用者は多種多様であり、時期や地域によって統計結果に違いが出ているだけのようです。


このトピックでは、主要な民泊の利用者層について解説していきましょう。


(1)爆買いが好きな中国人観光客。


「日本のAirbnb(エアビーアンドビー)ゲストの半数を中国人が占める」といったレポートは多いです。


中国人の場合、いわゆる「爆買い」と言われるバブル旅行者の利用が多く、彼らは日本人Airbnbホストに多い家主不在型民泊を好む傾向にあります。普段はホテルを利用しており、宿泊先ではシーツ交換もペットボトルを捨てるのも従業員がやってくれるものだと考えるため、民泊マナーがあまり良くありません。民泊トラブルが話題になるとき、当事者となっているのはこのタイプの人々であることが多いです。つまり、家主不在型の民泊を営むなら、中国人の爆買い層のマナートラブルに遭遇する可能性は高くなるでしょう。


最近、「デパートから中国人爆買い客の姿が消えた!」といったニュースをよく見ますが、するとこの層の家主不在型民泊の利用数はこの先…?


(2)満室だったホテルの代わりに選ぶ人々。


「満室になってしまったホテルの代わりに民泊を選ぶ人が多い」といった記述もよく目耳にします。この層もやはり、普段はホテルを好むタイプの人々で、民泊特有の家庭的な雰囲気を好んでいるわけではありませんし、家庭泊のマナーを心得ているわけでもありません。


また、ホテル不足は時流に合わせて建設がなされ、次第に解消されていくでしょう。すると、「ホテル代わり」タイプの利用者層は、減少していくことが予想されます。


いずれにせよ、本来ならばホテルを選んでいるはずの客層を意識してホテル風な(インテリアを都会的にしたりアメニティグッズを充実させたり)民泊を営むのは、あまり得策とは言えないでしょう。


(3)宿泊費を節約したいバックパッカー。


Airbnb(エアビーアンドビー)の広告バナーでも、大きなリュックを背負ったバックパッカー風情の若者が握手している写真を用いていますが、宿泊費を節約したがっているバックパッカー層もAirbnbのメイン層だと言われています。


彼らは、設備があまり充実していなくても建物が古くても文句を言いませんが、やはり値段にはシビアです。比較の対象がゲストハウスであり、ゲストハウスは2,000円以下が主流なので、2,000円以下の値付けをしないと利用してはもらえないでしょう。


いえ、2,000円以下でもシェアルームタイプであればゲストハウスのドミトリー部屋と大差なく、つまり競争に勝つことはできません。2,000円以下なのに個室に泊まれるということになれば、選んでくれるゲストは多くなります。


彼らの多くは、初対面の人との交流を苦にしないばかりか好むので、彼らをもてなすことはとても楽しい体験になることが多いです。やや清潔観念の低いゲスト、マナーの悪いゲストも見受けられます。


(4)ローカル体験を求める欧米人旅行者。


民泊ブームをけん引した立役者ともいえるのが、このタイプの人々。ホテルの代わりを求めているわけでも安い宿泊施設を求めているわけでもなく、純粋にホームステイ体験に強い興味を抱いています。また、各地のローカルな特色にも興味を持っているため、下手にオシャレに繕うよりも、古風な日本家屋の雰囲気を残した施設のほうが好まれるようです。つまり、ホテル風のインテリアで着飾っても、この層とは引き合えないでしょう。


概してマナーは良く、お土産をいくつも持参してくれる人すら少なくはありません。話や交流は盛り上がり、ホストにとってもとても楽しい体験となるでしょう。この層を多く泊めているタイプのホストは、「民泊の客がウザい」などと民泊ノウハウサイトやブログで愚痴るようなことは少ないはずです。


(5)風変わりな宿泊施設を求める旅行者。


Airbnb(エアビーアンドビー)は、民泊サイトを銘打つ傍ら、お城やツリーハウスといった変わり種の物件を登録していることも大きな特色になっています。


この層は、風変りな体験のためなら大きな出費も厭わないお金持ちが多く、1泊20,000円を超えるような物件でも利用するようです。日本には変わり種物件は少ないため、これから日本でAirbnbに挑戦するならこのコンセプトを狙うのが面白いかもしれません。


(6)実は女性が多いという事実。


Airbnb(エアビーアンドビー)や民泊は、男性ゲストがメインだと思っていませんか?女性はあくまで、男性ゲストの付き添いとして泊まる程度のもので、他人の家に泊まることを好まないようなイメージがありますね。


しかし意外にも、Airbnb利用者の57パーセントが女性であるという統計が出ています。外国人の女性は、私たち日本人が思っているよりも民泊というものに対してオープンであるようです。


「どうせ男性ばかりだろう」などとは思いこまず、女性に好感を持たれそうな部屋づくりを心掛けると、稼働率は伸びるかもしれません。女性は2人客が多いため、1泊あたりの単価も伸びるでしょう。


(7)フリーランサーの出張利用。


意外に思うかもしれませんが、出張での利用も少なくはありません。大手企業や商社の場合、出張の宿泊費が経費で落ちるため、ビジネスホテルの利用が多くなります。しかしフリーランスで仕事をしているシステムエンジニアや建築関係者、電気工事関係者などは、経費を浮かすためにホテルよりも格安なAirbnb(エアビーアンドビー)民泊を上手く活用しているのです。


この層の人々は、立派な社会人ゆえマナーがとてもよく、ホストとしては大助かりですね。また、特殊な仕事をしている人が多いため、あれこれ質問してみれば面白い話がぽんぽんと飛び出してくるでしょう。




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