2 民泊ビジネスが盛況!…というわけではない!?
民泊を利用する人の数は、世界規模でどんどん増えています。それは前述のとおり、Airbnb(エアビーアンドビー)がエクスペディアを凌駕するかもという統計結果が端的に示しているのですが、しかし、だからといって「民泊をやれば儲かる」という話ではないのです!
2-1.Airbnbの年間平均稼働日数は73日。平均収益額は93万円…?
下記の数字を見てください。
年間平均稼働日数:73日。
年間平均収益額:約93万円。
これが、盛況盛況と言われているAirbnb(エアビーアンドビー)の、2015年における実際的な稼働状況です。大人気と言えども、ホストの2人に1人は年間に73日しか予約が埋まっておらず、93万円以下の収入しか得ていません。
2-2.投機ビジネスとしては成立しない!
年間93万円程度の収益見込みでしかないならば、ビジネスとしてわざわざ物件を借りてきて営もうとすると、痛い目を見ることになります。支払う家賃だけで年間93万円は大きく超えるであろうことが、明白ですよね?
2-2-1.民泊で月収30万円も得られたのは例外的な話!
日本では、Airbnb(エアビーアンドビー)民泊が「儲かるビジネス」として語られることが多いのですが、それはマユツバということなのです。
たしかに、Airbnb民泊で月収何十万円も稼いだホストがいたのは事実なのですが、それは日本にほとんどAirbnbホストが居なかった時代の、居なかったゆえの成果にすぎません。それは2014年頃の話であり、それからホストの数(=競合者)が何倍にも膨れ上がった今、1泊15,000円の部屋が連日大盛況になったりはしないのです。
2-2-2.2016年秋の東京ホストの平均月収は、12万円がせいぜい…。
世界平均と東京平均は違う!と反論したくなる人もいることでしょう。しかし、東京の平均稼働率がどの程度であるかも、リアルに数字が出ています。
Airbnb(エアビーアンドビー)のサイトを開いてみてください。「あなたもホストをしてみませんか?」と促すページでは、随時そのときの平均稼働率が具体的な数字で表示されます。2016年秋の現段階では、東京のファミリー物件の平均的な収入は、「約30,000円/週」です!月額に直すと約12万円。さて、東京のファミリー物件が1ヵ月12万円で借りられるでしょうか…!?
青ざめるような数字ですね!東京の平均的なホストたちは、家賃が払えるか払えないかという収益しか得られていないのです!
2-2-3.年収100万円以下で、世界のホストが喜べる理由は?ホームステイ型だから。
では一体なぜ、海外のAirbnb(エアビーアンドビー)ホストは、年間稼働日数73日、年間収益93万円程度で「大盛況!」と盛り上がっているのでしょうか?その答えは、海外のAirbnbホストの多くが、投機型民泊ではなくホームステイ型民泊を営んでいるからです。
ホームステイ型民泊の場合、毎月の支出はほとんどありません。それでいて年間93万円=月収80,000円近くも得られるのですから、それは確かに、ご満悦ですね。
2-2-4.日本で主流の投機型民泊に、未来はない…。
意味がおわかりですが?民泊が割りの良い副業と言えるのは、「住んでいる家の一室をノーコスト(ローコスト)で提供するから」なのです。これが投機型民泊のように毎月10万円以上ものランニングコストをかけて営むとなると、まったく割りの合わないビジネスに成り下がってしまいます。
この非収益性は、これから民泊カルチャーが普及していけばいくほど、ホストの数が増えていけばいくほど、深刻になっていく、稼げなくなるということです。
民泊利用者数はどんどん増加していくでしょうが、投機型民泊に、未来はありません…。