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不動産投資としての民泊経営に勝機はある?コツは?-2


2 民泊代行業者はなぜ未だに、民泊起業をあっせんし続ける?


このページの説明よりも、民泊代行業者の「楽に儲かりますよ!」の言葉やいまだ盛況している民泊セミナーの賑わいのほうを、あなたは信じたいかもしれませんね。


このトピックでは、儲からないのに「儲かりますよ!」と民泊代行業者や民泊セミナーが謳い続けるそのカラクリを、解説していきましょう。


2-1.参入者をターゲットにした商売ということ。


たとえば株やFXの業界でも、一通りの知識はあれどもそれそのもので稼げない人が、ワークショップやノウハウ本の販売に戦略を切り替えますね。ひと昔前だと、バンドブームが過ぎ去り儲からなくなったライブハウスや音楽事務所が、アマチュアミュージシャンから場所代や製作費を多額に徴収する形でライブやCDリリースを頻発し、「売れなくても儲かる商売」をするようになりました。民泊業界で起きていることも、それと同じことが言えます。


「無知な素人から搾取する」という商売方法です。


2-2.不動産オーナーが赤字でも、民泊代行業者や民泊セミナー業者は赤字にならない!


民泊代行業者や民泊セミナー業者は、「参入者」からお金を徴収しているゆえ、民泊業界自体が不況でも飽和でも、別にかまわないことなのですね。不動産オーナーが赤字に落ち込んでも民泊代行業者は赤字に落ち込まない、そういう戦略の商売なのです。


このカラクリをもっと詳細に説明しましょう。


2-2-1.Airbnbでの投機民泊の平均的収益は月収20万円程度。30万は厳しい。


Airbnb(エアビーアンドビー)民泊において、民泊代行業者や民泊セミナー業者の言い分では、「10万円の不動産が月収30万になる」とのこと。これは大抵、「1泊15,000円で貸して月20日埋まれば30万円に達する。30日埋まるなら45万にもなる!」という計算です。こう聞くだけなら「なるほど」と感じますが、実情はそう甘くはありません!


まず、ファミリー物件の今の相場が、15,000円ではないのです。4人客でも10,000円を切るくらいの安値でないと、予約はあまり埋まりません。では、1泊10,000円で月20日埋まったとしましょうか。月収は20万円となります。


2-2-2.ランニングコストが掛かることをお忘れなく!平均的な稼働率では赤字…。


「月収20万円もいけば御の字だ!」とあなたは思いますか?さてどうでしょう。


民泊ビジネスにもランニングコストというものが掛かります。まず民泊代行業者への委託料金ですが、一般的には民泊収入の30パーセント程度を差し引かれます。月収20万円であれば70,000円が民泊代行業者に差し引かれるということです。次に不動産の家賃ですが、これは大抵、月額10万円ほどが相場になっています。Airbnb(エアビーアンドビー)に払う手数料は3パーセントとそう高くはありません。月収20万円なら6,000円ほどということになりますね。まだあります。光熱費が20,000円程度は掛かるでしょう。Wi-FiとポケットWi-Fiを提供するなら通信費が月額7,000円程度でしょうか。以上をわかりやすく表にしてみましょう。


家賃:10万円

民泊代行委託料:70,000円

Airbnb手数料:6,000円

光熱費:20,000円

通信費:7,000円

――――――――――――――

合計月額支出:20.3万円


なんと、「平均的な稼働率」だと赤字に陥ってしまうのです!


2-2-3.先行投資金の回収も考えると、「大赤字」の域!


さらに言えば、支出には先行投資の回収も計上すべきでしょう。家賃10万円の家を借り、家具家電を揃えるなら、準備費用は100万円を下りません。その100万円も回収していかなければなりませんから、「3,000円の赤字」ではなく、「完全な赤字」になるのです!


もちろん、10,000円ではなく15,000円でも高稼働率をキープ出来る人や、稼働率60パーセントではなく100パーセントをキープできる人は、利益額が変わってきます。しかし、一体どれだけの人がその好成績を長年キープし続けられるというのでしょうか!?


2-2-4.不動産オーナーが赤字でも、民泊代行業者や民泊セミナー業者は黒字。だから彼らは民泊ビジネス参入を煽り続ける!


しかし、民泊オーナーが赤字に陥っても民泊代行業者は赤字になりません。彼らは民泊オーナーの「民泊月商(支出を差し引いた額)」ではなく「民泊月収(支出を差し引く前の額)」から30パーセント程度を差し引くため、必ずプラスになるのです。


清掃業者はどうでしょうか?「清掃費」という項目が近年新たに創設され、清掃費は宿泊費とは別途、宿泊ゲストが支払います。そのため清掃代行だけをする業者もまた、絶対に利益が確保できます。


民泊セミナーはどうでしょうか?これはもはや、民泊オーナーたちの月収が幾らであろうと全く無関係です。民泊セミナーは1人10,000円の高額な金額が主流ですが、30人の集客が適えばもう30万円の収入が得られます。「収益の何パーセント」という概念のものではありませんから、Airbnb(エアビーアンドビー)業界が不況でも関係のないことなのです。また、抱える在庫も無いため、いつでも撤退ができます。


2-2-5.「儲かる!」という観点で語る人には耳を傾けないこと!


民泊代行業者や民泊セミナーのはじくそろばんは、全くデタラメな嘘であり、彼らの都合と利益しか考えられていないということが、おわかりいただけたでしょうか。


「儲かる!」という観点でAirbnb(エアビーアンドビー)や民泊ビジネスの話をする人(サイト)には、耳を傾けないことです。Airbnbは今はそもそも、投機家向けのビジネスとして旨味のある話ではありません。


2-3.Airbnbはそもそも、投機ビジネスとは対極のシェアリングエコノミー。


「儲かるか否か以外に、いったいどんな観点があるんだ!」とあなたは思うでしょうか?他の観点が、あるのです。


トピック≪欧米人にとっては趣味。日本人にってはビジネス。≫で書いたように、もともとAirbnb(エアビーアンドビー)は、ビジネスというよりも「趣味」や「助け合い」の観点が強く、ビジネスの中でも儲けより社会的成熟を目的とする「シェアリングエコノミー」なのですが、日本人の多くはそれを理解していません…。


※シェアリングエコノミーとは?先行投資に資産や資源を消耗させず、既存のモノを上手く使いまたは共有することで、サービスやモノを循環させようと考える次世代型経済。利益優先の資本主義とは対極にあるようなもので、北欧を中心に欧米で普及しはじめている考え方。

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