サブリースには免責期間、つまり家賃を支払ってもらえない期間がある!
次に、サブリース契約にはほとんどの場合、「免責期間」というものが設けられています。
賃貸運用を開始した直後や、毎退去直後2カ月など、空室になりがちな期間においてはあらかじめ、家賃を支払わないと決めているのです。その期間に入居があったとしても、あなたには支払ってくれません。
そもそも、空室になりがちな期間の懸念を埋めるためのサブリースなのに、その一番重要な期間はサブリースも保証してくれないのです。
免責期間の有無や長さは企業や契約によって異なるので、その都度内容をよく確認しましょう。免責期間を短縮したり、撤廃してもらえないか交渉をしましょう。
賃貸価値の下落とともに保証家賃も減額される。
サブリースは30年もの期間、家賃を保証してくれますが、かといって新築当初(運用開始当初)の家賃額を30年間ずっと支払ってくれるわけではないのです。
マンションは経年などに伴って家賃額が下がっていきますが、サブリース契約でもやはり、貰える家賃は下がっていきます。物件の劣化具合や周辺エリアのライバル物件の増加、ニーズの変化などを見ながら、2年おき程度のスパンで家賃は改定されていくのです。
たとえば、当初の家賃が7万円だったとしましょう。あなたは向こう30年間毎月7万円が入ってくることを前提にローン返済や収支計算をしているかもしれませんが、10年後には月額6万円に低下しているかもしれないのです。
家賃保証、一括借り上げと言っても、支払われる家賃額は変動する(減少する)ので、これをあらかじめ理解し、その前提で収支計算をすべきです。
滞納時家賃はサブリースがなくても回収可能。
サブリースは家賃滞納の際も物件所有者(あなた)に家賃を支払ってくれます。これはとても心強いように思えますが、滞納家賃は基本的に、あらかじめ預かっている敷金や保証人によって徴収できるものです。手数料を払ってまでしてサブリース会社に保証してもらう必要性は無いのです。
敷金が滞納額に満たなかった、保証人までもが逃亡した、といった事態は起こりうるものですが、しかしサブリース会社も倒産してしまうことがあり、その場合は敷金など一部の金額が支払ってもらえなくなります。どちらも若干のリスクを含んでいるのは同じです。
管理業務代行は、サブリース契約をしなくても委託できる。
サブリースの売り文句の一つに、「管理業務(大家業務)の代行」があります。サブリースを契約すれば、煩わしい諸々の管理業務を業者が代行してくれるというものです。
管理業務を代行してもらうことは確かにとてもありがたいのですが、しかし、何もサブリースを契約しなくても、委託は可能なのです。
管理業務代行だけを請け負っている会社があるので、そこに管理業務だけを委託しましょう。一般的に、不動産投資会社がこれを行っているか、信頼できる企業を紹介してくれます。
もちろん、管理業務委託のみのほうが手数料は安く済みます。サブリース契約の場合は家賃の20パーセント程度がかかりますが、管理業務委託だけなら家賃の5パーセントが相場です。サブリースよりもずっと安いです。
サブリースには悪徳業者が多い。
最後の解説になりましたが、これが最も注意すべき点です。
サブリースの会社には、無知な投資家をまるめこんで不当に仲介収入を得ようとする悪徳業者が多いのです。
「30年家賃保証が実際には家賃の値下がりを含んでいた」などというのはよく聞く話ですが、同じような詐欺めいた契約内容が幾つもあるのです。
高い入居率維持の実績を持つ投資会社なら、サブリースは要らない。
「30年後も98%入居率維持!」などと、きわめて高い入居率(家賃収入維持)の実績を持つ不動産投資会社と組むなら、サブリース契約で家賃保証をしてもらう必要性は無いことになります。
サブリースは空室リスクの高い物件にあてがうことで効果を発揮するもので、98%もの入居率を保てるなら、わざわざ家賃の2割もの手数料を払って家賃保証してもらうことは無駄です。
大手の不動産投資会社は軒並み高い入居率維持の実績を持つはずで、大手会社と組むならサブリースを契約する必要性は薄いでしょう。それなのにサブリースをやたらと推してくるなら、警戒が必要です。
「御社は30年後も98%の入居率を維持しているのではなかったんですか?」と尋ねてみましょう。98%という実績に虚偽があるのか、あなたに勧めた物件に関しては価値が低いものなのか、それとも誠実そうに見えて不誠実な会社なのか・・・何か露呈するものがあるでしょう。
サブリースを契約するなら、第三者に契約内容を見てもらって。
サブリース契約には、利点もあるにはあります。入居率に不安のある地方の物件を運用する際など、サブリースで家賃を保証してもらうことはメリットがあります。
ですからサブリース契約自体を真っ向否定する必要はありません。必要と感じるときには検討しましょう。
しかしその際は、契約する不動産投資会社やサブリース会社からの説明だけで検討するのは厳禁です。彼らにとって都合の良い説明しかしないでしょうから。
そのサブリース契約が有意義なものかどうか、必ず第三者に見てもらいましょう。あなた自身でサブリースを勉強して判断するのも良いですが、大きなお金の関わるものなので、知識のある第三者に二重チェック、三重チェックをしてもらったほうが良いです。
あらゆる投資にリスクがある。それは覚悟しよう。
マンション投資について、「マンション投資 リスク」などと検索して、リスクを気にする人がとても多いです。その慎重な視点はとても大切なことです。
しかし、「空室時には収入が滞ってしまう」などとリスク事項を見て、「あ、リスクがあるからマンション投資はやめておこう」と考えるのはナンセンスです。
なぜなら、どのような種類の投資も、リスクを持っているからです。
投資はどれも、リスクがあります。
大きな金銭的損失を被る可能性が、どの投資にもあります。
リスクが嫌なら、そもそも「投資そのもの」をやめたほうが良いです。
しかし、ある程度リスクがあることを知りながら、不労所得や資産形成などの力を持つ投資に興味を持ったのでは?であれば、我慢できるリスクや対策できるリスクを選り分けて、勝負していく必要があります。
不動産投資会社は2つ3つをリサーチして。セミナーに参加しよう。
不動産投資では、投資会社と組んで行っていくことになります。不動産投資会社の選定が重要になってきますが、必ずその会社が行う勉強会・セミナー・相談会に参加しましょう。会社、スタッフの知識・態度・雰囲気を観察することが大切です。
また、必ず2~3社かそれ以上の勉強会・セミナーに参加しましょう。1社だけでは良し悪しの判断はできません。
不動産業界は社員教育がしっかりしているため、どこも言葉遣いが丁寧で愛想が良いです。それを見るだけで「良い企業だな」と感じてしまいがちです。しかし、接客が丁寧でも契約内容があまり誠実でない、物件が魅力的でない、ということはあるのです。
そのため、複数の不動産投資会社の勉強会・セミナー・相談会に参加して、比較することが大切です。
いかがでしたか?
マンション投資、中でもワンルームマンション投資は、リスクが小さく、初心者でも失敗しにくい投資と言えます。不動産投資会社に任せるだけで利益を得られるからです。
他の物件タイプで不動産投資をしたいとしても、まずはワンルームマンション投資から入ると良いでしょう。ワンルームマンション投資をする中で、自然と無理なく知識がついてきます。利益を得ながら不動産投資の勉強ができるというわけです。
それで充分な知識が身に付いてから、中古物件の転売やアパート経営にも着手をすると良いでしょう。
第三者的視点から言って、ワンルームマンション投資は最も堅実で安全な不動産投資と言えます。