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フィンランドが「世界一幸福な国」なのはなぜ?


フィンランドが「世界一幸福な国」なのはなぜ?

国民の幸福度調査で、フィンランドはしょっちゅう、世界第一位を獲得しています。

そして上位を占めるのは、フィンランドにほど近い北欧の国々ばかり。

寒くて生きることすら厳しい北欧の土地で、なぜこのあたりの人々は生活を幸せだと感じるのでしょうか?

不登校や自殺、鬱の多い私たち日本人が、学べることがあるのかもしれません。



「70点でOK」と考えるフィンランド。

フィンランドの幸福度一位の理由を明確に分析するのは困難です。そこには様々な要因があるでしょう。

その中で一つ、受験戦争やエリート意識に奔走する日本人が参考にすべき価値観があると思われます。


フィンランドは、学力でも世界一位やその周辺の順位をキープし続けています。

いったいどれほど勉強するのでしょう?

なんと、フィンランドには宿題がありません!

フィンランドでは、日本よりも圧倒的に、勉強を「しない」のです。


フィンランドでは、「70点とれればそれで充分」と考えます。そのため、子供たちはあまり神経質に勉強する必要がありません。マイペースにがんばっていれば、怠けさえしなければ目標に達しますから。

その代わりフィンランドでは、「落ちこぼれを作らないこと」に心血を注ぎます。集団授業で理解ができない子は、副担任の先生などがマンツーマンで見てあげるなどして、しっかりと理解させます。

子供たちを無暗に競わせず、みんなに70点を取らせようとします。みんなに70点の学力を身に付けさせようとします。


こうした教育方針により、30点をとる子はいないので、全国生徒の平均点が70点になります。すると結果的に、平均学力が世界でトップとなるのです。

日本やアメリカは、フィンランド人の優等生よりも頭の良い子が大勢いるのですが、30点しかとれない子も大勢いるために、平均学力ではフィンランドに負けてしまいます。

そして、90点をとる子も30点しかとれない子も、どちらもストレスにさいなまれて生を苦痛に感じています・・・



「100点なんかとらなくていい。基礎だけはしっかり理解しよう」

あなたも昔、学生でしたよね?勉強において、基礎問題の難易度と応用問題の難易度がどれだけ違うかは、よく理解しているはずです。

思い出してみてくだい。

「100点なんかとらなくていい。基礎だけはしっかり理解しよう」と大人に言われたら、どれだけ楽でしょう?

100点を目指さなくていいので、根詰めて勉強する必要はありません。そこそこ真面目にやれば、基礎だけならどうにかなりそうです。

宿題の時間は大幅に減り、塾に行く必要性はなくなり、勉強時間は大幅に減り、ストレスや緊張は減ります。どれだけ幸せでしょう?


「勉強しなさい」ではなく、

「勉強なんかしなくていい」でもなく、

「70点くらいはがんばろう」という、バランスの感性です。


フィンランド人は、およそこのような価値観で暮らしているのです。


この価値観は、あなたの子育ての参考にはなりませんか?



「70点でOK」と考えると、大学進学すらラクになる。

「70点でOK」と子供を諭すなら、大学進学すらラクになります。

これは一体どういうカラクリでしょうか?

たとえば、中学校の成績で5教科すべて70点を取るとします。それでは進学校の高校に進むのは厳しいでしょう。いいえ、問題ないのです。偏差値50程度の学校なら、その学力があればあまり受験勉強に苦しまずとも合格できるはずです。

その感性で勉強をしてきた子は、偏差値50の高校に入ると、もう少し良い点数をとるでしょう。その学校には偏差値60,70の子はいないからです。

すると、そこそこの勉強でもそこそこ立派な内申点をとるでしょう。

偏差値50の高校でもそこそこ立派な内申を誇っていれば、推薦入学で獲ってくれる大学があるはずです。お子さんは、地獄の大学受験をしなくても大学に進学できます。そしてまたコツコツと勉強をすれば、卒業資格くらいはとれるでしょう。



高校で自信を付けて飛躍する子も多い。

「70点でOK」と緩く子供を育てるとき、お子さんはあまり勉強熱心でもないかもしれませんね。「仕方ないから70点はがんばるか」と。

しかし、上述のようにその末に偏差値50の高校に進むと、感性が変わっていくことがあります。

偏差値70,60の子たちがいないその学校では、お子さんはマイペースに勉強をしていても85点がとれたり、クラス上位の順位がとれたりします。そうして自分の数字が良くなると、勉強が楽しくなってくる子供というのは多いものです!

「楽しい」とまではいかずとも、前よりも集中して勉強するようになったり、自ら高い点数を目標に掲げるようになったりして、自然と学力を伸ばします。

学力が高ければよいというわけではありませんが、その学力や勉強グセが、お子さんの進路の幅をぐっと広めてくれる可能性は、高いですよね。



「子供の教育に関心を持つ」というのはよいことです。

しかし、巷の教育論が正しいとはかぎらず、それがお子さんやあなたを幸せにするとは限らないのです。

日本社会の物事の考え方は多くの場合、大衆を苦しめていますね。


そして私たちが求めているのは、学力ではなく幸福な生活でしょう。

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