要介護認定で支援2まで進むと、筋力の低下が進んでいることがわかります。
これ以上悪化してほしくない介護家族としては、リハビリに励んで快活になってほしいものです。しかし、リハビリを嫌がる・拒否する高齢者もいるでしょう。
そんなとき、どうすればよいでしょうか?
レクリエーションを楽しむだけでもリハビリになる!
親があまりにリハビリを嫌がるなら、リハビリテーションのプログラムを強要しなくてよいです。
「リハビリ」という言葉を口に出すのはやめ、代わりにレクリエーションに誘いましょう。
なぜなら、施設で行われるレクリエーションは、それもまた老化防止のためのリハビリになるからです。え?紙風船をポンポンするだけでリハビリになるかって?
内容が何であれ、リハビリになります。
家庭菜園もカラオケも、とても体によいです。
外に出て何かしているだけでも、リハビリになる。
コロナ禍によって私たちは、家にこもっている期間がとても増えました。その後ひさしぶりにフルタイムの労働をしたとき、「とても疲れた!」と感じたのではないでしょうか?朝夕30分ずつ満員電車で吊り革を握っているだけでも、疲れを感じたのではないでしょうか?
すると、「仕事ばかりで運動をしていない」と感じているサラリーマンにとっても、「外に出て普通に仕事をする」というだけで、多少は足腰を鍛える運動になっていたのです。それを毎日重ねているからこそ、8時間働いてもこたれない体力が培えていたのです。
要支援2と診断された高齢者は、家でじっと過ごすことの多い人でしょう。
そんな人にとって、器具を使った運動をしなくても、外に出てなんとなく遊び、おしゃべりをして帰ってくるだけでも、それなりに運動になっています。老化防止のリハビリになっています。
まずはそれでよいでしょう。「デイサービスを通じて1日外出する」という日を重ねるだけで、少しずつ体力が付きます。体力が付けば自然と、もう少し負荷のかかる運動も受け入れられるようになります。
脳のリハビリも同じ。外部生活が脳のリハビリになる。
脳のリハビリについても同じです。脳トレのカリキュラムを律儀にこなさなくても、いえ、それよりも実際的に生活の中で脳を使うことのほうが、脳のリハビリになります。
100マス計算をしたところで、それが習慣化してくるとあまり脳トレにはなりません。
デイサービスに出かけて、お友達に出会い、相手の会話に合わせて会話を弾ませたり、皆の目を気にしておしゃれに励んだり、レクリエーションのゲームで負けたくなくて必死になったり・・・こうしたハリの数々が、脳のトレーニングになります。
お友達と「来週もここで会おうね」と約束して、それがうれしくて懸命に朝起きようとするその責任感が、認知症を遅らせる脳の活性化になります。
家にこもって何もしない・誰とも話さない、という生活が最も老化や認知症を速めます。
負荷の高い事柄や本人の嫌がる事柄をさせるよりも、とにかく外に出て長時間活動し、おしゃべりしたり笑ったりしてくる、友達を作ってくる、軽く体を動かしてくる、そんな習慣作りを大切にしましょう。
たとえば、デイサービスのリハビリを嫌がるが公民館のボランティア活動に行きたがるなら、それでよいです。充分に体や頭を使っているはずです。