在宅介護の限界を感じ、入居型の介護施設を調べていると、改めて色々な種類があることに気づきます。
今回はグループホームというタイプの介護施設についての解説です。
どのような特徴を持っているのでしょうか?老人ホームとはどう違うのでしょうか?
グループホームとは?「認知症」と「自立生活」。
グループホームとは?その特徴を端的に言えば、ポイントは2つ。
1つ目は、認知症と診断された要介護者のみが入居する施設であることです。必ずしも高齢者でなくてもかまいませんが認知症である必要はあります。
2つ目は、「自立型の生活」を営む点にあります。
グループホームでは、認知症を持ちながらも各自に行えることはなるべく自分でやり、そして互いに協力し合いながら料理をしたり、家事を分担したり、積極的な共同生活を行います。
料理のためにお砂糖を計る、友達のシャツのボタンを縫ってあげる、そうした生活の様々な事柄がそのまま、認知症のリハビリになるからです。
グループホームと老人ホームとの違いは?自立型生活なのでやや安い。
最初のトピックで、もうお察しいただいたでしょう。
グループホームが老人ホームと最も違う点は、「自立型の生活」にあります。
老人ホームは一般的に、介護スタッフなどに献身的にケアしてもらう施設です。それに対してグループホームは、それぞれが積極に料理や家事など行い、なるべく生活のあれこれを自己完結します。
料理が苦手な人、認知症症状により料理の危うい人は料理をする必要はありません。しかしその人に出来そうな家事や集団生活の役割を、担うことにはなります。
この、「自立的生活」「家事を助け合う」ということに対して、「聡明さを保てそうでいいなぁ!」「助け合う生活っていいなぁ!」と思える人は、グループホームが向きます。
グループホームは有料老人ホームより費用が安い傾向です。「安いから助け合い生活でも我慢するか」というモチベーションでも良さそうです。
認知症の人は、他の老人ホームでも入居は可能です。
そのため、「認知症だからグループホームへ」という考え方は好ましくありません。
グループホームでは、9人程度の少人数での生活が基本。
グループホームの特徴をもう1つ挙げるならば、人数です。
グループホームでは、他の老人ホーム施設と比べて「小規模の人数」での生活になります。「ユニット」と呼ばれる最大9人の入居者仲間さんたちと生活します。
他の老人ホームにはもう少し大勢の入居者仲間さんたちがわいわい賑わっていることが多いですね。
家事の分担などもこの最大9名の「ユニット」の仲間たちと行います。
9人とは、仲良く協調し助け合う必要があります。
グループホームの入居条件は?認知症と要支援2。
グループホームは、特養と似ていて入居に条件が定められています。
認知症の診断を医師から受けていること。
65歳以上高齢者で、要支援2~要介護5の認定を受けている人
または65歳未満の若年性認知症もしくは初老期認知症で、要支援2~要介護5の認定を受けている人。
そのグループホームと同じ市区町村に住民票を置いている人。
集団生活に支障のない人。
あきらかに認知症の疑いがあっても、医師から診断を受けていなければ入所できません。
グループホームは地域密着型の施設で、お住まいの地域のグループホームでないと入所できない点も要注意です。
暴力的な人はいない?
他入居者さんと助け合いながら暮らすとなると、仲良く生活できるかどうかはとても気がかりです。9人もいれば性格の悪い人もいるのではないか、と不安になりますよね。
暴力や暴言、他者への迷惑行為がある人は、退去させられる決まりになています。
また、自傷行為、自殺行為で周囲に心配を掛ける人も退去となります。
健康状態や認知症症状があまりに悪化し、施設で対応できないと判断された重症者も退去となります。
こうした規則が定められているため、意地悪な人との生活が辛い、ということはまずありません。
グループホームの費用相場は?
月額費用は、全国平均で15万円ほどです。
そして初期費用のかかる施設が多く、それは5万円ほどとなっています。入居一時金(初期費用)は、0円の施設もあれば100万円を超えるようなところもあります。これは事前に確認すべきでしょう。
生活保護を受けていてもグループホームには入れる。
生活保護の受給者でも、グループホームに入所することは出来ます。
ただし、生活保護の指定を受けているグループホームにかぎります。
もちろん、生活保護の範囲内で入居費用をまかなえる施設である必要があります。高額なグループホームには入れそうにありません。
「自立的な共同生活」というコンセプトに好感を抱く人と、費用を安く抑えるために選択をすると、その両方の入居者さんがいます。