
カメラで写真を撮るときのミスの中で、最も悲しいのが「手ぶれ」によるピンボケですよね。
カメラのモニターで確認したときにはピンボケしているようには見えなかったのに、帰ってパソコンで閲覧してみると・・・あれ!?ピンボケしてる!!今さら気づいたところで、エッフェル塔はもう目の前にありませんし、モデルの美人ももう目の前にはいません・・・。
この、後戻りできない撮影ミスであるピンボケは、事前に手ぶれを防ぐ技術や知識、アイデア、アイテムを対策しておくことで、防ぎましょう。このぺージでは、カメラ撮影の際に手ぶれ・ピンボケを防ぐ方法を、どこよりも詳しくわかりやすく、解説していきます。
まずは、手ぶれ・ピンボケが起きる基本的な仕組みを知ろう。
問題を解決するには、その問題が起きてしまう原因をしっかり把握することが大切ですよね。カメラ撮影においても同じことが言えます。手ぶれ防止のカメラを買う前に、撮影者自身が手ぶれ・ピンボケの仕組みを理解していることが大切です。
シャッターが開いている間にカメラが動くと、手ぶれ・ピンボケが起きてしまう。
手ぶれ・ピンボケは、あなたがシャッターボタンを切った瞬間、シャッターが開いている間にカメラが動くことで、起きてしまいます。
この基本的な道理を、まずはしっかり頭に叩き込んでください。
この後解説していく様々な技術やアイデアの大半は、要するにその、シャッターを切った瞬間にカメラが動いてしまうのを防ぐ対策のあれこれにすぎません。
手ぶれ・ピンボケをナメて掛からないことが大切!
近年は、スマートフォンで気軽に写真を撮る機会が激増しています。そしてスマートフォンでの撮影というのは、片手でパシャっと、あまり何も考えずにどんどん撮っていくことが多いですよね。
このような写真文化の変化から、いつの間にか、カメラにおける手ぶれ・ピンボケに対する慎重さというのが、とてもぞんざいになってしまっているのです。
他にもたとえば、コンパクトデジカメのテレビCMで、カッコイイ俳優さんやタレントさんが、振り向きざまに片手でパっと撮る、といった映像が映し出されます。シャッタースピードや起動時間の速さをアピールするための演出なのでしょうが、カメラ撮影がそのようなものだと消費者が誤解するのは、危険なことです。
プロがパシャパシャと撮っていくのは、手ぶれ防止対策が体に染みついているから。
カメラの基礎に立ち返るなら、本来カメラというのは、一枚一枚に充分に時間をかけて、手ぶれ・ピンボケしないように準備してから撮る、というものです。プロの人たちはものすごいスピードでどんどんパシャパシャ撮っていきますが、あれは手ぶれ・ピンボケへの対策を無視しているのではなく、瞬時に体が行えるほどまでに技術が鍛えられているゆえなのです。
カメラをコンパクトデジカメから一眼レフに、エントリー一眼からハイスペック一眼にとアップグレードしていけばいくほど、手ぶれ・ピンボケへの繊細な配慮が、クリアな写真を撮るうえでとても重要になってきます!
正しい姿勢でしっかりとカメラを構える。
手ぶれ・ピンボケを防ぐ方法として、何か画期的なテクニックや裏ワザ、便利アイテムがあるものかと期待してしまうかもしれませんが、基礎からじっくり取り組んでいくことが大切です。(画期的なモノが無いわけではないんです。それは後ほど・・・。)
姿勢に気をつけるだけで、手ぶれ・ピンボケはかなり減らせる。
正しい姿勢でしっかりとカメラを構える。たったそれだけのことで、手ぶれ・ピンボケはかなり減らすことができます。正しいカメラの構え方を、あらためておさらいしてみましょう。
(1)まず、右手でしっかりと、カメラのグリップ部をにぎります。
(2)次に、左手をレンズ胴体に添えますが、ズームを調整しなければならないのでズームリングのところに手を掛けます。
(3)両脇をしっかりとしめて、上半身全体でカメラを固定します。さらに、ファインダーのあるカメラであれば、ファインダーをおでこに押し当てるときに、おでこでもカメラの位置を固定する意識を持つと、さらに良いですよ。
(4)ここでようやくシャッターを切ります。
文章にすると段階が4つもあり、長くて面倒くさいように思えますが、慣れてしまえばおよそ1~2秒で出来るようになります。
正しい姿勢をとってもカメラがグラつくなら、そのカメラはあなたには重すぎるかも!
(2)の段階、つまり左右の手先だけでカメラを抱えた状態で、カメラがひどくグラついてしまうようであれば、そのカメラはあなたには重すぎるかもしれません。
コツを掴むことでグラつきは減っていきますし、カメラを趣味にしているうちに筋力もついてくるものではありますが、もう少し軽いカメラへの変更も検討したほうが良さそうです。
とくに女性や子供は、一眼レフカメラでは重すぎて満足に扱えない人が多いです。
撮影姿勢でブレの大半を防げないと、写真はほとんどダメになってしまうので、無理をせず体にあったカメラを選びましょう。
現代日本は様々なものが軽量化しており、特に女性たちは重いものを持つ機会が少なく基礎的な筋力が昔よりも低くなっています。このような環境では、重たい一眼レフカメラに耐えられないのも仕方ないことなのです。ミラーレス一眼カメラが爆発的にヒットしたのは、あなたのように一眼レフカメラの重さに耐えられない女性が無数にいるということの現れです。あまり気になさらぬよう。
シャッタースピードを上手く調整して手ぶれ・ピンボケを軽減しよう。
さて、それではカメラの細かい技術・調整の話に入っていきます。まずはシャッタースピードです。そしてトピック5まではシャッタースピードと連携する内容が続くので、ここはテキトウな流し読みは厳禁ですよ!
大原則。シャッタースピードを上げれば、手ぶれ・ピンボケを減らせる。
手ぶれ・ピンボケは、カメラのシャッタースピードと非常に大きく関連することを覚えておいてください。
手ぶれ・ピンボケというものが、シャッターが開いている間にカメラが動くことで起きてしまうなら、シャッターが開いている時間を出来るだけ短くしてあげれば良い、という理屈です。
シャッタースピードは、光を取り込める量に比例して速くなる。
では、そのシャッタースピードというのはどのように決まるのでしょうか?
近年は、一眼レフカメラはカメラ任せのオートモードで撮るのが主流ですね。その際カメラは、シャッターを押す瞬間の状況や、撮影者が望む画質テイストに応じてシャッタースピードを瞬時に決定するのですが、この際、周囲の明るさやカメラの性能などが考慮されるのです。
昼間の晴れた日の屋外や、フラッシュをONにしたときなどは、レンズが取り込める光の量が充分に多いので、シャッタースピードは速くなります。すると、シャッターが開いている時間がとても短いので、手ぶれ・ピンボケは起きづらいです。
しかし、日中でも薄暗い室内である場合、夜景を撮る場合、レンズを望遠側に設定する場合などは、カメラが取り込める光の量がとても少なくなってしまいます。光が少ないと写真が撮れないので、
カメラの頭脳は充分な光量が確保できるシャッタースピードに自動調整しようとするのです。このシャッタースピードが1/50秒くらいを下回ってくると、シャッターを押すときのわずかな体の動きが手ぶれ・ピンボケを起こしてしまうのです。
シャッタースピードが遅くなってしまうのはどんなとき?
では、カメラの頭脳がシャッタースピードを遅くしてしまいがちなのは、どのようなケースでしょうか?
これらをすべて、頭に刻み込んでおきましょう。
(1)夜、暗い場所での撮影。
(2)室内の薄暗い場所での撮影。
(3)ズーム倍率の高いレンズを装着しているとき。
(4)ズーム倍率を高くしているとき。
(5)シーンモードで「夜景」や「夕暮れ」の類を選択しているとき。
こうした状況では、設定をカメラ任せにするとシャッタースピードが遅くなってしまい、手ぶれ・ピンボケが起きてしまいやすくなりなす。カメラ任せで撮ってみて手ぶれ・ピンボケが酷いな、と察知したら、マニュアルモードでシャッタースピードを調整しましょう。
手ぶれ・ピンボケが起きにくいシャッタースピードの目安は?
では、具体的に、どのくらいのシャッタースピードなら手ぶれ・ピンボケが起きにくくなるのでしょうか?
これはもちろん、使っている機材や状況によっても変わるのですが、「レンズの焦点距離分の1秒の速さ」が目安になるというのがセオリーです。
たとえば、よくある標準レンズの50mmの画角であれば、「1/50秒」よりも速い数値、1/60秒や1/125秒などに設定すると良いということです。
しかし、シャッタースピードは速ければ速いほど良いというものでもありません。シャッタースピードを速くすると、今度はレンズの取り込める光の量が減ってまい、写真が暗くなってしまうのです。
そういう場合は、シャッタースピードと合わせて次のような設定をします。
絞り値(F値)を上手く設定して手ぶれ・ピンボケを軽減しよう。
カメラは、様々な筋肉や骨が助け合って動く人間の体のようで、一つの機能が上手く役目を果たせないとき、それを別の機能で補うことができます。
シャッタースピードを上げたことで光の量が不足し、写真が暗くなってしまうなら、絞り値(F値)を上手く設定することで、光量を補ってあげることが出来るのです。
絞り値(F値)の数字を小さくすると、取り込める光の量が増える。
初心者の方ですと、絞り値(F値)の概念や仕組みがまだあまり理解できていないかもしれませんね。
絞り値(F値)は、カメラのレンズの「すぼみ」を大きくしたり小さくしたりするものです。目の瞳孔によく似ていますね。目を大きく開けるとより視界が明るく見えるように、絞り値(F値)を開放すると、レンズに取り込める光の量が増やせます。すると、シャッタースピードを上げても写真が暗くならずに済むのです。
絞り値(F値)を設定する際に要注意なのが、「数値が小さいほうが明るい」ということ。
光の量を増やすべく絞り値(F値)を開放したいなら、数字の値を「小さく」するのです。レンズや撮影状況で限界値は異なりますが、「なるべく0に近い値に近付ける」ことで、光の量を増やせます。
全景写真を撮りたいときはうかつに絞り値(F値)は上げられない!
ただし、絞り値(F値)で明るさの調整をするときには、注意が必要です。
絞り値(F値)を小さくすると、焦点の合う範囲が狭くなってしまいます。この特性は、ボケ味の深い写真を撮るうえではとても役に立つのですが、逆に手前から奥まですべてに焦点の合った風景写真を撮りたいときなどは、妨げになってしまうのです。
全景写真をクリアに撮るには、絞り値(F値)をF10くらいまで下げるのが基本です。シャッタースピードを上げたいとしても、全景写真ではこれ以上絞り値(F値)を下げることは逆効果なので、さらに他の方法でカバーします。
絞り値(F値)は少々ややこしいのですが、こうした調整を繰り返すことで体に染み込ませていくしかありません。
絞り値(F値)を小さくしてもまだ手ぶれ・ピンボケが解消されない、また絞り値(F値)を下げるわけにはいかない場合には、次のような手があります。
ISO感度を上手く設定して手ぶれ・ピンボケを軽減しよう。
絞り値(F値)を小さくしても手ぶれ・ピンボケが解消できない、または他の理由から絞り値(F値)を小さくできない場合には、ISO感度の値を調整することでカバーリングすることが出来ます。
ISO感度の値を上げると、シャッタースピードを上げて手ぶれ・ピンボケを軽減できる。
絞り値(F値)を小さくしたのち、ISO感度の設定値を上げると、暗い場面での写真を明るくでき、手ぶれ・ピンボケを減らせます。
ISO感度を上げると、絞り値(F値)やシャッタースピードを変えなくても写真を明るくすることが出来るので、この数字だけをいじるという手っ取り早い手もあります。だから室内や夜景の撮影では、「ISO感度を上げましょう」と言われるんですね。
ISO値は、上げすぎると画像が荒くなってしまうので注意!
シャッタースピードを上げなくても絞り値(F値)を下げなくても画面の明るさを獲得できるISO感度は便利なもので、暗所での撮影ではついつい、ISOに頼ってしまいたくなりがち。ですが、ISO感度は上げれば上げるほど良いというものでもないのです。
ISO感度は、数値を上げすぎると画像が荒くなってしまうのです。
まずは、800に設定してみましょう。それでもダメなら1000か1600くらいで試してみましょう。
大体それくらいが、良好な画質を保てる限度です。近年のカメラはISO感度が12800、25600、51200といったすさまじい有効範囲のものが増えてきていますが、実際には画像が荒れてしまいがちなので、1600くらいまでがもっぱらなのです。
三脚を使ってカメラを固定して手ぶれ・ピンボケを軽減しよう。
では、花火やオーロラ、夜明け時の幻想的な富士山を撮るときなど、シャッタースピードやISO感度の設定だけでは手ぶれ・ピンボケを防ぎきれないとき、上級者たちはどのようにしているのでしょうか?
三脚でカメラを固定してあげれば、ブレを大幅に減らすことが出来る。
その答えが、「三脚」です。補助アイテムを使うのですね。
三脚を使ってカメラを固定すれば、手ぶれ・ピンボケは確実に軽減することができます。遠くの山、海、空まで視界一面を切り取るような風景撮影は、本当は三脚を使って撮るのが理想なのです。
カメラのサイズに見合った三脚を用意しよう。
三脚は、サイズや材質が様々なものが売られていますが、使うカメラのサイズに見合ったものを用意しましょう。
コンパクトデジカメ用の、割りばしみたいな細さの三脚では、一眼レフカメラを支えるには粗末すぎます。
持ち運びの面で非常にわずらわしいものなので、なるべく小さいものを、という場合には、脚の短い三脚を選んでもかまいませんが、必ず脚が太いものを選んでください。積載重量の目安が、三脚には必ず記されています。一眼レフカメラを載せるためのものなのであれば、1kg以上に対応するものを選びましょう。
三脚で固定し、さらにタイマー撮影にすると完璧。
三脚で固定しても、シャッターを押すときにカメラに振動を与えてしまって、それが写真の手ぶれ・ピンボケに繋がってしまうことがあります。このような切ないことを防ぐには、「三脚で固定したうえでタイマー撮影を活用する」のが有効です。タイマー撮影機能で、2秒か10秒くらいに設定して、カメラ本体が自動でシャッターを切ってくれるようにするのです。
これが最も、手ぶれ・ピンボケを防げます。
三脚が無い場合の代用法あれこれ。
三脚が手元にない場合は、身近にあるものを活用して「三脚のように固定する」ことを考えてみましょう。たとえば、このようなアイデアがあります。
(1)机や台、岩の上、車の上などにカメラを置く。
(2)膝の上など、体の上にカメラを置く。
(3)傘の柄にカメラを押し付けて、簡易一脚のようにする。
(4)壁にカメラを押し付けて、横からの圧力でカメラを固定する。
(5)壁に体を押し付けることで、自分の体を固定する。
どれも、三脚よりは固定力が弱いですが、しかし普通に手持ち撮影をするよりはずっと手ぶれ・ピンボケの軽減に効果的です。ぜひ覚えておいてくださいね。
「手ぶれ補正機能」付きのカメラで手ぶれ・ピンボケを軽減しよう。
手ぶれ・ピンボケを、アイテムを使って軽減する方法がもう1つあります。それは、「手ぶれ補正機能」を持ったカメラで撮影するというもの。
近年では、かなり多くのメーカーのかなり多くの機種に手ぶれ補正機能が搭載されています。一眼レフカメラのエントリーモデルでもコンパクトデジカメでも、スマートホンのカメラでも、手ぶれ補正機能を見ることは珍しくなくなってきました。
手ぶれ補正機能の「3段階」「4段階」ってどういう意味?
近年の手ぶれ補正機能は、3~4段階の軽減性能が主流です。メーカーの公式サイトの特徴ぺージなどに、軽減性能も記載されているので、誰でも確認することが出来ます。
ところでこの、手ぶれ補正機能の単位として使われている「3段階」とか「4段階」とは、どのような意味なのでしょうか?
これは、シャッタースピードの設定を基準に数値化しています。
シャッタースピードは、1/2、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60・・・といった具合に20段階くらいの設定値がありますが、たとえば4段階の手ぶれ補正機能であれば、シャッタースピードの設定を4段階速くしたときと同じくらい、手ぶれ・ピンボケを軽減できますよ、というものです。
つまり、手ぶれを完全に「防止」してくれるわけではない!あくまで「補正」(軽減)してくれるだけ。
つまり、カメラの手ぶれ補正機能というのは、撮影時の手ぶれ・ピンボケを完全にシャットアウトしてくれるというものではありません。
初心者のうちは勘違いしてしまいがちで、だからなおのこと、「カメラが手ぶれを防いでくれるからいいや」と撮影技術がぞんざいになってしまいがちなんですね。手ぶれ補正機能がかえって手ぶれや撮影ミスを助長してしまうという、最悪なケースに陥る人は少なくありません。
あくまで「補正」(軽減)なのです。
カメラ本体側で手ぶれ補正をするものと、レンズ側で手ぶれ補正するものがある。カメラ本体側で補正できる機種が断然オススメ。
近年、日本の主要カメラメーカーはほとんど手ぶれ補正機能を開発していますが、しかし、カメラ本体側で手ぶれ補正をするメーカーと、レンズ側で手ぶれ補正をするメーカーと、2つに大別されます。CANONキヤノンやNikonニコン、富士フィルムはレンズ側で、それ以外のSONYソニーやPENTAXペンタックス、OLYMPUSオリンパスなどはボディ側ですね。
ボディ側で手ぶれ補正機能を備えている場合、どんなレンズに付け替えても手ぶれ補正機能が働きます。これに対してレンズ側で手ぶれ補正をする場合、手ぶれ補正機能のないレンズでは手ぶれ・ピンボケの軽減ができません。また、手ぶれ補正機能を備えたレンズは割高になってしまいます。
こうした実情からすると、ボディ側で手ぶれ補正機能を備えたカメラのほうが、使い勝手が良いと言えます。
アイテムに頼るのは、手ぶれを防ぐ技術を一通り身に付けてからがベター!
と、このように、手ぶれ・ピンボケを防ぎ軽減するアイデアというのは、かなり多岐に渡ってたくさんあります。
最低限の技術が無いと、手ぶれ補正機能だけではカバーしきれない。
その中でもどうしても、アイテムに、特に手ぶれ補正機能に頼ってしまいたい気持ちになりがちですよね。しかし、カメラの構え方やシャッタースピードのこと、シャッタースピードではどうにもならないときの絞り値(F値)のことなどを、一通りは把握しておいたほうが良いです。
最低限の技術がないと、手ぶれ補正機能が4段階でも最新機構でも、カバーしきれないからです。
シャッタースピード、絞り値(F値)、ISO感度の設定を覚えておくと、様々な撮影テクニックに応用できる!初心者を卒業できる!
また、手ぶれ・ピンボケを防ぐためのシャッタースピード、絞り値(F値)、ISO感度などは、カメラのマニュアル操作の中でもとても主要なもの。これらの仕組みや調整方法を覚えておくと、様々な撮影テクニックに応用できるようになります。脱・初心者を目指して、レッツトライ!
これだけやっても手ぶれがおさまらない・・・それは手ぶれじゃないのかも?
さて、8つのトピックに渡って様々な手ぶれ軽減法をレクチャーしてきました。これらをすべて使いこなせば、手ぶれによるピンボケはそうそう気にならなくなるはずです。
しかし、これらを実践してもなお、子供に握らせたみたいにピンボケ写真ばかりになるとしたら・・・それは、「手ぶれ以外の要因」でピンボケしている可能性を疑いましょう。
それは風景写真?手ぶれじゃなくて「焦点が合っていない」のかも?
あなたの写真がピンボケしてしまうのは、もっぱら広角アングルでの風景写真ですか?もし、山や海、丘から見下ろす町並みなどを画面いっぱいに収めるような全景写真でばかりピンボケしているということであれば、それは「焦点が合っていない」のかもしれません。
一眼レフカメラは、レンズやセンサーサイズが大きいので、ボケ味の深い写真が撮りやすいです。しかしこの特徴は、裏を返せば、画面全体にピントを合わせるいわゆる「パンフォーカス」がしづらくなる欠点を持ちます。近くから遠くまで、東から西まですべてにピントがくっきり合ったような写真を撮るためには、パンフォーカスのための調整をする必要があるのです。
このためには一般的に、絞り値(F値)の数値を上げます。絞り値を「F10」くらいにして、それで風景を撮ってみてください。これでピントのくっきりした美しい写真が撮れませんか?
カメラのオートフォーカス機能が故障しているかも?
ピンボケがおさまらない原因としてもう1つ考えられるのは、カメラのオートフォーカス機能が故障しているケースです。この場合、ユーザー側ではどうにもならないので、サポートセンターに問い合わせて修理センターで見てもらいましょう。
また、カメラボディのオートフォーカス機能ではなく、レンズ側に問題がある場合もあります。レンズも一緒に見てもらうと良いですね。
いかがでしたか?
手ぶれ・ピンボケを解消するためのノウハウを、この記事でありったけに解説しました。
せっかく撮った写真が、家に帰ってパソコンで見てからピンボケしていることに気づくというのは、本当に悲しくて切ないことです。カメラは、一瞬一瞬の奇跡をキャッチすることが醍醐味の一つ。取り返しのきかないミスを少しでも減らせるように、手ぶれ防止対策をばっちりマスターしておいてくださいね。そのお力になれれば幸いです。