
2 世界の認識とはズレていく、日本のエアビーアンドビー観…。
ここまでお読みいただいて、気付かれたのではないでしょうか?
「あれ?日本人が抱いてる印象と欧米人が抱いている印象、ずいぶん開きがあるな?」
そうなのです。Airbnb(エアビーアンドビー)は、2014年に日本支社が誕生したことにより、大きな岐路を迎えます。
2-1.2014年の日本支社設立とともに、日本では投機型民泊が急増!
2014年、Airbnb(エアビーアンドビー)は世界中の支持を手土産に、満を持して日本にも上陸します。日本支社が誕生し、日本語でもサービスが使えるようになったのです。
予想通り、日本でも爆発的にホスト(貸し主)が増えますが、しかし、予想外の展開が起きました!
日本の場合、「空き家を貸せば簡単に儲けられるぞ!」と考える、いわゆる投機家ホストばかりが増えていったのです。これまでは、「我が家の一室を貸す」というホームステイ・ニュアンスの強かったエアビーアンドビーだったのに、日本はマンスリーマンションのような無機質&無人の物件が増えていくのでした。
エアビーアンドビー・フリークの欧米人たちは、日本にエアビーアンドビー物件が激増したことを喜びます。彼らにとって東洋は神秘の国であり、しかも清潔でハイテク、礼儀正しい日本の家なら、安心で快適です!そうして早速、大勢のゲストが日本のエアビーアンドビー民泊に流れ込んできました。しかし…
2-2.家主不在型民泊で戸惑う外国人ゲストたち!トラブルが続出!
家主の居ない物件の中で、使ったことのないウォシュレットにハイテク給湯パネル。エアコンのリモコンには漢字ばかりで英語の表記はなく、新幹線の時刻を知りたくても助けてくれる人は誰もいない…
当然のことながら、日本で主流の家主不在型民泊は、たくさんのトラブルを生み出してしまいました。そしてそのトラブル沙汰ばかりが、ニュースで取り上げられることになります。しかし、投機家たちは儲けのことばかり考え、ロクな対策も取らずに次々と家主不在型の民泊を増やしていくのでした。
2-3.逆切れ論調を鵜呑みにし、日本人の多くがエアビーアンドビーを煙たがる…。
日本のAirbnb(エアビーアンドビー)民泊でトラブルが急増したのは、「家主不在の不親切・不人情な物件があまりにも多かったから」なのですが、日本人大衆は、「外国人はマナーが悪い」という逆切れのような論調でエアビーアンドビーを謳い続けました。そのため、日本人の多くが勘違いな認識をして、エアビーアンドビーを嫌うようになってしまったのです。
2-4.日本でも、ホームステイ型民泊ではトラブルはほとんど起きていない!
しかし、繰り返しますが、トラブルが続出したのは「家主が不在だったから」にすぎません。その証拠として、家主が常駐しているいわゆるホームステイ型民泊では、同じ日本でも同じ外国人ゲストでも、トラブルはほとんど起きていないのです。
日本のAirbnb(エアビーアンドビー)物件の中にも、人情に篤いホームステイ型民泊は存在します。2016年現在では、全物件のうち3割程度が、ホームステイ型民泊であるようです。
あなたがエアビーアンドビーを宿泊利用する際も、「ホームステイ型」の物件を選んで泊まると良いですよ。
2-5.CCCがエアビーアンドビーの冤罪を晴らすか!?
TSUTAYAやTポイントなどを経営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、2016年5月27日、Airbnb(エアビーアンドビー)と業務提携をすると発表しました。この悪評吹き荒れる中、なぜCCCほどの超大手企業がエアビーアンドビーと手を組んだのでしょう?
エアビーアンドビーとTSUTAYAは、一見すると全く違った業種ですが、「レンタル業」という点では同じです。今、グレーだブラックだと批判されているエアビーアンドビーですが、実はCDやDVDのレンタルも昔は違法だったことをご存じですか?今では誰も、TSUTAYAなどのレンタル業をブラック扱いすることはありませんし、大きく批判することはありません。それどころか、ほぼ全ての家庭が愛用しているほどですね。
「レンタルによって価格が下がる」ということが、いずれ必ず大衆に歓迎されるであろうことを、CCCの増田宗昭社長は確信しているのだそうです。