堅実型の不動産投資希望者にとって、多くの人がフィットするのがアパート経営投資です。持てあました土地を持っているでしょうから。アパート経営は、マンション投資とは異なり、一戸ではなく「一棟まるごと」のオーナーとなり、貸しに出すのが一般的です。8戸、10戸と多数の部屋をやりくりするのはとても大変そうにも思えますが、なぜアパート経営は人気があるのでしょう?アパート経営のメリットは?リスクは?すべて赤裸々に、初心者の方にもわかりやすく解説します。
アパート経営(投資)のメリットは?収益性の高さと安定性が魅力。
まず、アパート経営投資を選択することのメリットから解説していきましょう。
アパート経営投資は、収益性が高い。
アパート経営投資なら、空室リスクを分散できる。
アパート経営投資は、地震や天変地異に強い。
アパート経営投資は、10年ほどで投資資金を回収できる。
アパート経営投資は、地震保険の負担も軽い。
アパートはそもそも、耐震性は悪くない。
不動産投資について基礎知識を持っている方なら、この箇条書きを見るだけでも安心感を覚えるでしょう。初心者の方にもよく理解していただけるよう、それぞれの項目をさらに詳しく解説します。
アパート経営投資は、収益性が高い。
アパート経営投資の最も魅力的なメリットは、「収益性の高さ」です。オーナーが最も求めるものですね。マンション投資や一戸建て売買に比べて、ダントツと言えるほどに収益性が高いのですが、しかしそれだけを理由にアパート経営投資に絞ることはまったくおすすめできません。アパート経営投資の収益性が高いのは前提条件があります。それは「すでに土地を持っている人ならば」ということです。空地を持て余している、古くなった家屋を取り壊そうと思っている、という人にとっては、アパート経営投資は収益性が高いです。
アパート経営投資なら、空室リスクを分散できる。
アパート経営投資は、収益性が高いだけでなく、「収益の安定性」も高いです。所有する一棟の中に、部屋が4つ、8つ、10室もあるからです。たとえ1室に空室が続いても、残りの部屋が埋まっていれば、家賃収入は続きます。マンションや一戸建てを貸す場合、「15万円か0円か」という極端なことになりますが、アパート経営投資ならその振れ幅が緩いのです。収益が「高め安定」という特徴は、投資家にとってとても心強いものですね。
アパート経営投資は、地震や天変地異に強い。
不動産投資において最も厄介な敵は、地震や洪水、天変地異によって物件が倒壊してしまうことです。不動産投資を検討するとき、「地震で壊れたら水の泡になってしまうのでは?」と青ざめて、辞めてしまった人は少なくないのではないでしょうか。鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションに対して木造や軽量鉄骨であることが多いアパートなのに、なぜ地震や天変地異への懸念が低いのでしょうか?それは・・・
アパート経営投資は、10年ほどで投資資金を回収できる。
アパート経営投資は一般的に、10年ほどで投資資金を回収できます。これも非常に魅力的なメリットです。収益性が高いために、10年も順調な賃貸が続けば、建設や開業に要した費用を回収することができます。マンション投資は投資額回収に30年かかるのが一般的で、完済までほど遠く感じ、不安にさいなまれますが、アパートならば10年程度で心が軽くなります。
地震や天変地異に強いというのも、わずか10年でもう元がとれるからです。30年間天変地異に遭わずにい続ける確率と、10年天変地異に遭わない確率、どちらがどれだけ高いか、明白ですね。
アパート経営投資は、地震保険の負担も軽い。
地震保険は、掛け金がかなり高額です。マンション投資の場合、ローン中は赤字になってしまうほど・・・。しかしアパート経営投資は毎月の収益額が高いため、地震保険の負担も軽くなります。
アパートはそもそも、耐震性は悪くない。
マンションは鉄骨鉄筋コンクリート造が一般的。アパートは木造や軽量鉄骨造が一般的。そのため、アパートはマンションに比べてやわなイメージがあります。しかし実は、「耐震性」という観点から言えば、マンションよりも強固です。アパートは一般的に、一階建てかせいぜい2階建てと低層なので、マンションのような鉄筋コンクリート造は必要ありません。実際アパートは、大地震に遭ってもそんなに倒壊の憂き目には遭っていないのです。また、2000年の建築基準法改定、2011年の東北大震災以降は、新築アパートの耐震性能はさらに向上しています。木造アパートですら、従来の軽量鉄骨アパートより強固であるくらいです。
アパート経営(投資)のリスク/デメリットは?耐久年数の低さ。
メリットの多いアパート経営投資ですが、リスク/デメリットを考慮せずに慣行することは勧められません。短所についてもきちんと把握しておきましょう。
アパートは耐久年数が低い。30年で修繕や建て替えが必要になる。
アパートは木造なので、耐久年数が低いです。平均的に20~30年が寿命と言われており、100年持つと言われるマンションと比べてかなり劣ります。マンションは修繕をすることで100年持ちますが、マンションは修繕を繰り返しても100年は無理です。アパート経営投資は、「最初の10年で資金を回収し、残りの20年で大きく収益をあげる」という考え方をします。これが、土地を持っていない人の場合は、土地代の回収もしなければなりませんから、10年間でローン回収は厳しくなります。ご注意を。
アパート経営投資が向くのは?土地を持っている人。
不動産投資を志す人の中でもアパート経営投資が向く・適性が高いのは、「土地を持っている人」です。すでに土地を持っている場合、アパートを建てること自体はそんなにお金がかからないからです。土地の高い日本において、アパート一棟よりも土地のほうが高いことも珍しくはありません。土地を持っていない人が、アパートの家賃収入で土地代をも回収して大きな収益を上げるのは、一転難しくなります。では、アパートの建築費用はどのくらいなのでしょうか?
アパートの建築費用は?
重要事項であるわりに、あまり情報サイトでも書かれていません。しかし、セミナーなど参加する前に把握しておいたほうがよいです。アパートの建築費用は、「木造8室」といった一般的な規模で、4000万円っ程度です。軽量鉄骨ですと5,000万円程度。軽量鉄骨は高額になりますが、そのぶん家賃を高く設定できますし、家賃収入が得られる耐久年数も長くなります。土地を持っていない場合、もちろんさらに土地代がかかります。
ちなみに、都心のファミリー向けマンションを1戸、投資向けに買うと、5,000万円程度です。しかし、収益はアパート経営投資のほうが高くなります。
狭い土地でもアパートは建てられる?
意外なことに、狭い土地でもアパートの建設、アパート経営投資は可能です。15坪(約50㎡)以下の敷地面積でも建てられるくらいです。
アパート経営投資の利回りは?マンションや戸建てよりも高利回り。
不動産投資において利回りとは、「1年間で、投資金額の何パーセントを回収できるか」を示します。実際の利益性を表すもので、とても重要です。
アパートの利回り…10~15%
ワンルームマンションの利回り…5~6%
ファミリーマンションの利回り…3~4%
新築一戸建ての利回り…3~4%
このように、アパート一棟貸し投資の利回りは、他を圧倒しています。アパートは耐久年数が低いわけなのですが、それを補って余りある高い収益性があるのです。30年ごとに律儀に建て替えていくとしても、それでも他の形態よりも収益性が高いです。ただし、何度も言いますが、「土地を持っている人にとっては」という条件付きです。
アパート経営投資は、立地の良さも大切。
アパート経営投資をするなら、持っている土地の立地の良し悪しも成功を大きく左右します。やはり、入居ニーズの高い場所でないと、高収益性は発揮できません。どのような土地が有利なのでしょうか?
駅チカが最良。徒歩10分圏内が理想的。
大学、専門学校、大企業の地方支社近くも良い。
駅チカが最良。徒歩10分圏内が理想的。
アパート経営投資において最も理想的なのは、駅チカの土地です。駅から徒歩10分以内であれば最良です。不動産はやはり、駅に近いものから埋まっていく傾向にあります。
大学、専門学校、大企業の地方支社近くも良い。
駅から遠くてもあきらめないでください。地図をよく見てみましょう。大学や専門学校が近くにあるなら、駅チカに匹敵するほど好立地です。大学や専門学校の学生さんは、駅から遠くても学校の近くの部屋を借りる人は多いです。なお、高校の近くでは意味がありません。高校生は一人暮らしはしないからですね。
また、大企業の地方支社が近い土地も非常に収益性が高いです。単身赴任の人、独身社会人の入居ニーズが高く、部屋はよく埋まるでしょう。これも、駅から遠くてもあまり支障がありません。
ファミリー向けと単身者向けアパート、どちらが高収益?
アパートと一口に言っても、ファミリー向けの広い物件と、ワンルームなどの単身者向けの物件とがあります。両者は建築費用も違いますし、利用者層も異なります。どちらが投資に向いているのでしょうか?端的に言って、単身者向けのアパートのほうが収益性が高く、推奨できます。理由を解説していきましょう。
単身者向けアパートのほうが入居ニーズが高い。
ファミリーの、不動産探しのときの様子を想像してみてください。大多数は購入を希望します。購入のほうが、同じ規模の物件でも月々の支払が安いからです。それに対して単身者は、購入する人はほとんどいません。つまり、賃貸へのニーズが非常に高いのです。単身者向けアパートのほうが、入居ニーズが高めで安定します。
単身者向けアパートのほうが利益率が高い。
利益率、収益効率も単身者向けアパートのほうが有利です。ファミリー向けアパートの建築費用は、単身者向けアパートの2倍以上がかかります。しかし家賃は2倍にはなりません。対費用効果が、単身者向けアパートのほうが高いのです。
リフォーム費用は単身者向けアパートのほうが安い。リフォーム費用(修繕費)は単身者向けアパートのほうが安上がりです。一見、劣化の速度は同じようなものかと思えますが、そうでもありません。これは、単身者はファミリーに比べて、水回りの使用が少ないからです。キッチン、浴室、トイレなどのことですね。単身者はあまり料理をしない傾向がありますし、浴室やトイレの使用回数はファミリーよりも圧倒的に少なくなります。10年経ったときの使用回数も劣化具合も、ファミリー物件よりも緩いのです。また、単身者向け物件の設備のほうが、リフォーム費用が安いです。
土地を持っていない人のアパート投資は?
土地ナシからのアパート経営投資について、別記事で解説します。
いかがでしたか?
土地を持っている人にとって、アパート経営投資は非常に高利回りで魅力的です。駅に近い場所に土地を持っている人はもちろんですが、そう駅に近くないとしても、近隣エリアが入居ニーズの高い場所なら、積極的に検討するとよいです。
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