老人ホーム施設は多種多様な展開を見せています。要介護の高齢者が集まってレクリエーションなど楽しむ昔ながらの老人ホームだけでなく、気ままに一人暮らしが出来るような施設も増えてきました。
選択肢が多いのは良いことですが、しかし本当に自分に合った施設を選べずにあとで後悔してしまう人もいるようで・・・。
「シニア向け分譲マンション」で本当に大丈夫!?
「シニア向け分譲マンション」という老人ホームの施設種があります。
これは、老人ホームというよりは「高齢者向けの分譲マンション」ですね。「シニア向け」という言葉のとおり、バリアフリー設計が充実しており、足腰の弱ってきた高齢者でも安心して暮らせるように造られています。
介護サービスが付帯しないことから、シニア向け分譲マンションは比較的月額費用が安いです。そのため「これは安くて居心地が良さそうだ!」と飛びついてしまう人も多いのですが、本当にそこで大丈夫ですか?
高額な一時入居金を要するが、要介護度が深まったら・・・?
シニア向け分譲マンションは、月額費用が比較的安めです。もちろん物件によって値段は様々ですが、月額10万円程度の施設もあり、一般的な老人ホームの平均である15万円よりも安いです。
しかし、シニア向け分譲マンションは「一時入居金」という頭金が必要で、これがとても高額です。数千万円、という高い金額です!
要は、老人ホーム入居というよりも「バリアフリーの充実したマンションを買う」ことになります。
「終の棲家を手にした!」とポジティブに捉えることも出来ますが、しかし、要介護度が深まったり認知症が出てきたりして、一人で暮らせなくなったら・・・?
また老人ホーム探しをし、老人ホームの入居費用を払わなくてはなりません!
シニア向け分譲マンションは家族に相続もできるが・・・。
もちろん、数千万を掛けて購入した立派なマンションが無駄になるというわけではないです。
シニア向け分譲マンションは相続や譲渡をする権利があります。老人ホームは「居候」ですがシニア向け分譲マンションは「自分の家を購入する」ので、そのマンションを子に譲ったり、はたまた賃貸に出すことも出来るは出来ます。
しかし、シニア向けの設備、シニア向けの立地、シニア向けの間取りのマンションを、子に譲渡して、子供が有効に活用できるかどうか・・・生活に使う家として、あまり現実的ではなさそうです。
やがて体が弱って老人ホームに移行するかも。それを考慮して慎重に選ぼう!
シニア向け分譲マンションが悪いとは言いません!
しかし特殊な性質を持った施設ですから、「今のあなた」が心地よいかどうかだけで、短絡的に決めることは控えるべきです!
やがてもっと老いてきたら他の老人ホームに転居することになるかも。それでも大丈夫か?
高額で買った分譲マンション。子や孫に譲渡して有効に活用できるか?お金が無駄にはならないか?
これらのことをじっくり考慮しましょう。
いかがでしたか?
シニア向け分譲マンションは、月額費用が安いです。
しかし、一時入居金として、マンション一室分の金額を払うようなものなのです。そのうえ管理費用として毎月10万円くらいかかっていく、という性質のもので、むしろお金に困っていない超富裕層に適した老人ホーム種と言えます。
それを理解したうえで、選択しましょう。