元々、カメラ業界は、王道を行くCANONキヤノンとNikonニコンを中心に、PanasonicパナソニックやSONYソニーが総合家電メーカーとしての利便性の良さとCM攻勢でシェアを確保し、PENTAXペンタックスやOLYMPUSオリンパスなどの光学機器開発を得意とする職人メーカーが外堀を埋める・・・といった構図で発展していました。しかし、世紀末からの不況をあおりに収益の低いメーカーの統合が進み、カメラ業界に変化が見え始めます。そして2000年の半ばにミラーレス一眼カメラという新しいジャンルが登場してからは、各社がより一層、自分たちの個性を明確に打ち出すようになってきています。
「CANONキヤノンとNikonニコン以外は二流」と考えるのではなく、各社の個性を明確に理解できるようになると、カメラの趣味は、カメラ選びは、より一層面白くなるのです!果たしてPENTAXペンタックスは、どのような特徴を持っているのでしょうか?
1.一目でわかる!PENTAXのカメラの特徴。
緑色の描写が鮮やかで美しい。風景写真好きに人気がある。
知名度は低いがカメラの開発技術力は高い。
防塵・防滴性能が高く、旅行や海辺の使用に強い。
レンズが豊富。フィルム時代のレンズをデジタル一眼にも装着可能。さらに独特の仕上がりが楽しめる。
安価なカメラが多く、安い予算でも一眼レフやミラーレスが手に入る。
2.もっと知るべき!PENTAXのカメラを徹底解説。
PENTAXペンタックスは、色味の面で強い個性と魅力を持っています。PENTAXペンタックスの色味の特徴は、「緑色」が鮮やかで美しいこと。木々の緑をとても美しく発色してくれます。カメラ愛好者には風景撮影を好む人が多く、そのためPENTAXペンタックスは根強い人気を誇っています。つい数年前まで、一眼レフの市場ではCANONキヤノン、Nikonニコンに次ぐ第3位のシェアを誇っていたほど。
若い世代は知らないかもしれませんが、もともと日本で一番最初に一眼レフカメラを作ったのはPENTAXペンタックスなのです!さらにはフルサイズセンサーを超える大きさの「中判サイズ」のセンサーを搭載したカメラなども開発しており、今でもカメラメーカーとしての地力の高さは健在です。また、防塵・防滴構造にも強い特徴を持っています。
レンズのレパートリーも豊富で、しかもフィルム時代のカメラのレンズも現代のデジタル一眼レフカメラに装着することができます。オールドレンズを使用すると、淡い色彩と弱めのコントラストの写真が撮れ、他メーカーとはいっぷう変わった画風が楽しめます。
近年の実際の製品としては、100通り以上のカラーバリエーションの一眼レフや、世界で最も小さいミラーレスカメラなど、個性的なカメラで勝負しようとする姿勢がうかがえます。(とはいえ正統派の一眼レフカメラ、ミラーレスカメラも着々とリリースしています。)
比較的安価な価格帯のカメラが多く、「一眼レフやミラーレスが欲しいけれど予算は30,000円くらいが限度で・・・」というような人は、PENTAXペンタックスを当たってみるとコストパフォーマンスの良いカメラに出会えるかもしれません。
また、OLYMPUSオリンパスの「PENシリーズ」のような可愛らしいミラーレスカメラを、PENTAXペンタックスも出しています。
メーカー側の個性戦略を無視して、正統派の機種を選ぶとしても、決してハズレではありません。大衆のイメージが弱いだけで、カメラの性能自体はとても高いメーカーです。
3.ココがイマイチ・・・。PENTAXペンタックスのカメラの欠点を挙げるとすれば?
PENTAXペンタックスのカメラの欠点を挙げるならば、安価な価格帯の製品においてオートフォーカスの性能が弱い点には、要注意です。
また、フルサイズセンサーを搭載したハイエンドクラスの機種が少ないので、プロやプロ志向の人は機種選びが難しくなります。とはいえ、フルサイズセンサー機種が少ないことは、ハイアマチュア程度までの一般ユーザーにはあまり支障のないことです。
4.PENTAXペンタックスの代表的なブランド一覧。
カメラは、メーカーの名前以外にニックネームのようなものが付いています。販売店のスタッフなどは、「オススメはKシリーズですね」といった具合に、商品の説明や比較の際にこのニックネームのほうを多用することも多いので、有名なものや購入検討している分野のものは一通り覚えておきましょう。
(1)Qシリーズ
ミラーレス一眼カメラをラインナップしています。現行では、200gを切る超小型なミラーレス一眼カメラを取り揃えており、「ポケットやハンドバッグにしのばせておでかけ」というコンパクトデジカメ時代の習慣を変えずに一眼レフ特有のボケ味や高画質写真を撮りたい人は、注目のブランドです。
代表モデルのQ10はOLYMPUSオリンパスのカメラ「PEN」シリーズのようなレトロキュートな外観をしており、さらに若手人気俳優の向井理さんがCMキャラクターを務めたことで、知っている人は少なくないでしょう。
(2)Kシリーズ
デジタル一眼レフカメラをラインナップしています。現在、日本でデジタル一眼レフを発売しているのはたった5社。PENTAXペンタックスはその一角を担っているのです。品揃えも多く、価格帯や機能で自由な選択が可能です。
CANONキヤノンやNikonニコンと比べると、実売50,000円程度の格安価格帯でもボディが軽くて持ち運びしやすい機種が多く、さらに性能の高さのわりにコストパフォーマンスの良い機種が多いです。デジタル一眼レフにおけるPENTAXペンタックスのこのようなラインナップ特性を知らないことは、非常にもったいないですね。
5.PENTAXペンタックスのカメラ作りの歴史。
PENTAXペンタックスは、創設1919年と、主要カメラメーカーの中でも古株です。
光学製品メーカーとしてスタートしましたが、1952年には日本初の一眼レフカメラを開発しています。一時期までは、CANONキヤノン、Nikonニコンに次ぐ一眼レフ市場第3位のシェアを誇っていました。
デジタルカメラの時代になってから売り上げが低迷し、HOYAホヤへの買収を経て、今はRICOHリコーを親会社としています。厳密に言えば現在のPENTAXペンタックスは、企業名ではなくブランド名だということです。
大躍進のミラーレス分野に留まらず、珍しい中判センサーのカメラや主役のフルサイズ一眼レフ分野でも息を吹き返してきており、再び1つの会社として独立する日も戻ってくるかもしれません。
PENTAXペンタックスは、カメラ性能のうえでCANONキヤノンやNikonニコンに劣っているわけではありません。PENTAXペンタックスが巨頭2社にシェア率で大きな差をつけられてしまうのは、「商売上手ではない」「宣伝上手ではない」という社風気質によるところが大きいのです。あなたのSNSフレンドの中に、ガンガンと事業宣伝やフレンド申請をする友人と、自営業でもぜんぜん宣伝をしない友人がいることでしょう。CANONキヤノンやNikonニコンはその「ガンガンと宣伝やフレンド申請をする友人」で、PENTAXペンタックスは「宣伝をしない友人」といった感じなのです。
いかがでしたか?
PENTAXペンタックスの特徴を一言で言えば、「知名度は低いが性能や技術力は高い」という感じです。
ミーハーな人にとって、PENTAXペンタックスは魅力がないメーカーかもしれませんが、ブランドより品質を重視する人にとって、PENTAXペンタックスは絶対に無視すべきではありません。特に、木々の緑を中心とした風景写真を好む人は、PENTAXペンタックスを絶対に検討に入れるべきです。
コストパフォーマンスを重視する人にとっても、PENTAXペンタックスのカメラは魅力的でしょう。