フィルムメーカーとしては無類の強さを誇る富士フィルム。しかしその割に、デジタルカメラの分野ではあまり高いシェア率を獲得することは出来ていません。
しかししかし、日本のカメラ愛好者たちは、富士フィルムの真の実力に気づいていないだけなのかも・・・!?
この記事を読み終わった頃には、富士フィルムのデジタルカメラに対するあなたのイメージが大きく変わっていることでしょう。
1.一目でわかる!富士フィルムカメラの特徴。
「APS-Cセンサーでもフルサイズセンサーを凌駕する画質のカメラを作る」がコンセプトで、スペック以上の画質を誇る。
「小型・軽量で画質も良い」のイイトコドリを最も実現できているメーカー。
人間の肌の色、青、緑を鮮やかに再現する特徴を持ち、色味のファンは非常に多い。
面倒くさい画像補正をしなくても、「撮って出し」でアップできる。
フィルムカメラに近い操作性。初心者にも操作がしやすい。
高品質なわりに安価で、コストパフォーマンスの良い機種が多い。
フィルムカメラのようなクラシックなデザイン。
一眼レフカメラは作っていない(一眼レフの市場をミラーレス一眼でカバーする戦略をとっている)。
2.スペックだけで判断しないで!富士フィルムのカメラ徹底解説。
富士フィルムは、一眼レフカメラを作っていません(止めてしまいました)。2010年前後からのデジタル新時代においてはもっぱら、画質では不利という特徴を持つミラーレスタイプに注力しており、さらにセンサーサイズではAPS-Cというフルサイズよりも1つ下の性能のものばかりを搭載します。こうした表面的なスペックから、富士フィルムは画質の面で弱いように感じてしまいますが、早とちりは禁物です!
さすがは老舗のカメラトップメーカーで、「APS-Cセンサーでも、フルサイズセンサーを凌駕する画質のカメラを作る」というコンセプトで開発に取り組んでいるため、スペック以上に画質は良いのです。2016年の価格.comのプロダクトアワード・デジタル一眼カメラ部門では、金賞(1位)を受賞したのは富士フィルムのX-Pro2という機種でした。ミラーレスなのに他の並み居るデジタル一眼を抜き去ってしまったのです!
「小さなミラーレスなのにデジタル一眼並みに高画質」という長所は、乱立するカメラメーカーの中でも強い存在感があります。それどころか、ボディの大きな一眼レフカメラはユーザーに嫌われて衰退していく兆しがあるため、「ボディは小さい」「画質は良い」を両立している富士フィルムは、数年後には独壇場になっている可能性すらあります。ミラーレス一眼になってから多く展開しているレトロが特徴なデザインも、OLYMPUSオリンパスの「PEN」シリーズを愛する「カメラ女子」たちに好まれるでしょう。
富士フィルムは、フィルムメーカーとして培ってきた色再現技術には一家言あり、人物の肌の色、そして青や緑を鮮やかに再現する長所があります。色味で好まれるCANONキヤノンと同じような特徴で、つまりCANONキヤノンのファンも取り込んでしまえる可能性を秘めています。
鮮やかな色味を特徴とすることから、パソコンによる面倒な画像補正をしなくても、すぐに簡単にSNSなどにアップできるという利点があります。画像補正がわからないカメラ初心者にとっても、うれしい・ありがたい特徴です。
また、性能が良いわりに価格の安い機種が多く、コストパフォーマンスの良さという面でも富士フィルムは優秀です。
さらに富士フィルムは、フィルムカメラのデザインや操作性をミラーレス一眼カメラでも踏襲するという特徴を持っています。そのため、フィルム時代からのカメラ愛好者には使いやすいと感じる人が多いでしょう。また、その特徴のために操作性がシンプルなので、フィルムカメラを知らないライトユーザーにも好まれるかもしれません。そして、レトロなデザインそのもののファンになる愛好者も多いです。
3.ココがイマイチ・・・。富士フィルムのカメラの欠点を挙げるとすれば?
富士フィルムのカメラの欠点を挙げるならば、オートフォーカスの速度があまり速くないので、スポーツを撮りたい人などは注意が必要です。
また、交換レンズやアクセサリーの種類も多くなく、プロの使用にも向いているとは言えません。
他メーカーと比べて、欠点は少ないです。
4.富士フィルムの代表的なブランド一覧。
カメラは、メーカーの名前以外にニックネームのようなものが付いています。販売店のスタッフなどは、「オススメはFinePix(ファインピックス)ですね」といった具合に、商品の説明や比較の際にこのニックネームのほうを多用することも多いので、有名なものや購入検討している分野のものは一通り覚えておきましょう。
(1)FinePix(ファインピックス)
コンパクトデジカメがラインナップしています。ひと昔前は、FinePix(ファインピックス)にはシルバーを基調としたやぼったいデザインのスタンダードなコンデジばかりが並んでいて、それによって「富士フィルムはダサい」といったイメージを抱いた人が多かったかもしれません。しかし今はそうしたコンセプトは止めており、FinePix(ファインピックス)では高倍率の光学望遠ズームを搭載したものや、防水仕様でコストパフォーマンスの良い機種に限定して投入しています。
(2)Xシリーズ
ミラーレスのブランドがラインナップしています。ミラーレス一眼らしい小ぶりなものだけでなく、一眼レフカメラのようなどっしりしたものもありますが、形状は一眼レフっぽくてもサイズはコンパクトで、ボディの重さは他メーカーのデジタル一眼レフカメラのわずか半分ほど!
しかし、こうした軽量っぷりは、価格.comや楽天市場などの一覧画面ではわかりにくく、富士フィルムのカメラの魅力に気づかない人が多いのです。
5.富士フィルムのカメラ作りの歴史。
富士フィルムは、1934年に創業された老舗のメーカーで、名前のとおりカメラではなくフィルムの開発メーカーとして、歴史を歩んできました。
いえ、カメラの開発も1948年からすでに始まっていたのですが、フィルムの躍進に比べてカメラ本体のほうはいまいち支持を得られませんでした。
ただし、レンズ付きフィルムというユニークな形状のカメラ「写ルンです」と、インスタントカメラ「チェキ」に関しては、社会現象と言えるほどの爆発的なヒットを生んでいます。
デジタルカメラの時代においても、独自のセンサー開発で市場を賑わせてはきましたが、CANONキヤノンやNikonニコンを打ち負かすほどの功績は上げられませんでした。
ミラーレスの時代に入り、こちらを主戦場にすることで存在感を上げ、「APS-Cセンサーながらも高画質なカメラ」というコンセプトでトップブランドの一角を担っています。
いかがでしたか?
「画質にはこだわりたい。でもなるべく軽いほうがいい。」という希望を持つ消費者はかなり多いはずで、そうした人々にとって富士フィルムのミラーレス一眼カメラは、最もお眼鏡にかなうものと言えます。しかもそんなに価格は高くありません。
富士フィルムというメーカーは、大衆のために「良質で快適なカメラ」というインフラを整備しようとしているような、公共事業に取り組んでいるような精神性を感じさせます。富士フィルムのカメラの「コンパクト」「APC-Cセンサーだけどフルサイズセンサー並みに高画質」というイイトコドリな魅力に気づく人が増えれば、CANONキヤノンやNikonニコンをしのぐほどの人気メーカーに躍り出る可能性は充分にあります。